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注意
人間×人外 猫乾(左右無)
※微死亡描写
俺はいつしか老いなくなった。
ファンタジーのようだが、二十歳頃から見た目が変わらない。
そして何故だか病気をしない。
だから永らく生き続け、愛する人を失ってきた。
初めて出会ったのは200年前くらいだっけ。
着物に身を包んだ彼が、雨に濡れた俺に声を掛けてくれた。
でも、医療が発達していなかった時代だったから、彼は早くに逝ってしまった。
2度目に出会ったのは彼がいなくなって数年後、またも雨の日に声をかけられた。
もちろん1度目の記憶なんかあるはずがなかった。
まったく知りもしない男に何度も声をかけられるなんて、
そんなにも俺は変な姿なのだろうか?
服装こそ違ったものの、容姿も人柄も変わらない彼…猫宮に惹かれ、2度目で俺たちは結ばれた。
でも猫宮は普通の人間。
2度目も病床で息を引き取った。
それからも何度も同じように雨の日に猫宮に出会い、別れてきた。
もうこれ以上出会いたくない、辛い思いをしたくないと思っても神様の悪戯か、ずっとずっと出会ってしまう。
そして愛してしまう。
桃「…あ、今日は3度目に出会った日だっけ…
明日は誕生日…」
沢山の記念日に溢れた毎日で俺は永遠に彼を愛し続け、毎日に祝福するだろう。
今日は雨の日。
もしかしたらまた、会えるかもしれない。
少しの淋しさと願いを込めて傘を閉じて家に向かう。
青「あのっ、雨…!! 」
息を切らしながら傘をこちらに向けてくれた優しい人は次にまた俺が愛する人。
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ないふの日なので出してみました。