「お〜やっほ!」
遠くに見える友達に手を振る。
若井は今日、久しぶりに会う友達、涼ちゃんと飲みの約束をしていた。
「あ!てかちょっと聞いてくれよ。」
と 飲み始めてから少し経った頃、若井が口を開く。
「最近、俺の隣人の人がやばくてさぁ、」
涼ちゃんもこの言葉に少し興味が湧いたようで耳を傾ける。
「なんか、いつも頼んでないのに差し入れ持ってきたり、外出るたびいたり、この前なんかお裾分けってクッキーだって、」
「えー?でもいいじゃん!食費浮くね!」
「いや、そういうことじゃなくて、…」
だって、___。と、言いかけた口を慌てて閉じて若井は一気にグラスを煽った。
「てか若井、そろそろ飲み過ぎじゃない?」
涼ちゃんが半笑いで眉をひそめる。
「え〜?そう?」
「もうベロンベロンじゃん。笑
隣人のこともさぁ〜若井の勘違いだって!気にしすぎ!」
気にしすぎ。だけでは済まされないことが起きているのに
若井はアンコールの力で思考がぼやけていく
「あ〜、まぁ、そうかぁ …. 」
「そうそう!優しい隣人じゃん〜。
ほら、ちょっと世話焼きのおばちゃん系とか?笑笑」
「おばちゃんじゃねぇけどな笑笑」
「え、まさか美人?じゃあいいじゃん!笑」
「いやいや、バリバリの男だっつーの」
若井は曖昧に笑って、空になったグラスをかちゃん、とテーブルに置いた。
「もう、大丈夫?若井」
「え〜?げんきだよぉ、..」
さっきの話の後も、若井はまた少しグラスを空にしたらしい。
「一人で歩けないくらい酔ってるじゃん〜
だからもうやめとけって言ったのにぃ、」
若井を抱えながら歩く涼ちゃんの声には呆れと心配がないまぜになった色が滲んでいた。
「家こっちだっけ〜?」
と問う涼ちゃんの返事に答える人はいなかった。
「若井部屋どこぉー?」
「んぅー、ここぉ…?」
若井が住んでいるアパートまで来た時、すでに若井は舌が回らず、言葉がぐちゃぐちゃに溶ける。
「もう、完全に潰れてるじゃん、ー」
「あれ、若井さん随分と遅い帰りですね」
若井の部屋の前で二人が立っていた時、急に爽やかな声がかかる。
「あ、僕隣に住んでる大森です」
可愛らしい笑顔を浮かべながら、そう言って頭を下げる。
「あぁ、こんばんは!若井の友達の藤澤です」
この人が噂の隣人なのかな。と涼ちゃんの中で考えが巡る。
涼ちゃんの目にはやばい人などには到底見えなかった。
「それにしても、相当酔ってますね、笑」
「そうなんですよねぇ、どうしようかなと、 」
涼ちゃんがそう口にしたと同時に大森さんが口を開いた。
「よければ、僕が介抱しましょうか?
藤澤さんも相当酔ってますよね、」
「え、いや申し訳ないですよ、」
と涼ちゃんは言ったが、大森さんが面倒を見てくれるならそんなに好都合なことはなかった。
そのまま流れで若井を預けることにして、涼ちゃんはお礼を言って若井の元を後にした。
大森さんは慣れた手つきで若井をベッドの上へと連れて行った。
グラスに入った水を一口含むと、若井の口へと運んだ。
若井の口には少し水が滴る。
それを拭き取り、流れるように頭へと移動させて、撫でる。
「こんなんなっちゃって、
弱ってるヒロトもかわいいね」
「けど、僕以外とこんなになるまで飲んだなんて、許せないなぁー、….」
そんな言葉は暗闇へと沈むように消えていった。
にわめ!!
がんばりましたぞいいい
テストがあるんだけど勉強したくないからしたくない(?)
学校ほんといやだぁ
コメント
2件
あまちゃんの文マジで💕💕💕 テスト嫌よねぇ、頑張れ〜!