「う…ぁ、は、ね、ぇ、ひ、ばり、!」
「どした、せらお?」
こつ、こつ。続けていれば、少しずつせらおの様子が変わり始める。余裕のない細い声が俺の名前を呼んだ。熟れた唇がはくりと開く。ぴく、ぴく、と指先、腹、内腿が震えて、足がシーツの上でもがく。
もう少し。乾いた下唇をぺろりと舐める。今頃せらおの身体には、奥だけを捏ねられて積もった快楽がぐるぐる渦巻いているはずだ。伸び上がり、瞼にキスを落とす。もう少しで、もっと気持ちよくさせてやれる。
「ひ、おく、ぁ、やら、ね、とまっ、ぇ、お、ねが…!」
「大丈夫だって!!」
ひくんと跳ねて浮いたせらおの腰を、解いた左手で固定した。それからもう一度、一番奥のせらおの好きな場所を、こつん、と優しく嬲る。
続けて二度、三度。速度を早めもせず、遅めもせず、ただひたすら同じ加減で、ずっと。いやいやとせらおの首が左右に振られる。口の端から溢れた涎を勿体ないと思った。瞳の焦点が遠くなる。こつん、こつん。優しく打つ。びくびくと内腿が震える。ぼろぼろと嬌声が漏れる。手がシーツを滑って、掴んで、爪を立てて、引っ掻いた。
「ぁ、ぁあ、ぁ」
「へんになって?」
「あ、ぅ、ッ、…ぁ〜〜〜、ッ♡」
きゅう、とせらおの腹の中が甘くうねった。ぴく、ぴく、腹筋が震えて、視界の端で爪先が丸くなる。シーツを掴んだ指先は不自然な形で突っ張った。あ、あ、漏れる声は毒より甘い。
「…は、」
「ぁ、ぁ〜、あ…♡」
「…かわい」
甘イキ。上がる口角を止められなかった。かわいい、せらお、かわいい。きれい。だいすき。俺はせらおの脇腹をつうとなぞると、応えるように健気にひくりと跳ねた腰を今度は両手で掴む。きゅうきゅうと柔らかく収縮する腸壁を割り開き、蠕動が収まるのを待たずに再び最奥へ甘い抽挿を送った。
「ひ、ぁ、う…♡」
こつん、こつん。最奥に優しくぶつかるたび、ぷちゅ、とキスみたいな音がした。じわじわ高めるように、変わらないリズムで奥を叩けば、加速度的にとろとろに溶けていく瞳が俺を映す。はらりとあふれた涙は宝石にすら見えた。かわいい、かわいい。止まんない。止まれない。こつんこつんと数度奥を詰っただけで、せらおの腹はまた甘く俺を締め付けた。二度目の甘イキ。せらおの背中が丸まる。ひくん、ひくん、持ち主の制御をなくした恥骨が跳ねる。
「あ、ぁ〜、〜〜〜っ♡」
「…せらお」
「ひ、ばぃ、〜〜〜ぁ♡」
「せらお、きもち?」
「ん、ん、き、もち…っ♡」
こくこくと何度も頷いて、再度結腸へぶつけられた熱にまた身体をびくつかせる。トびかけると素直になるんだな、せらおは。口の中で呟いて、俺はかくかく動くせらおの腰をベッドへ沈ませた。半ば力任せに押さえつけて、それでもなお気持ちよさそうにびくびく跳ねる腹の奥を、自身の熱で甘く割り裂く。
「ぁ〜、あー、…ぅぅ〜♡」
こつん、こつん、しつこくしつこく、奥だけをいじめる。きゅんきゅんと蠢く腸壁は不規則で、足先は丸まってはピンと張ってを繰り返し、シーツを掴む指はひどく痙攣して。強い快楽に悶える姿が背筋をぞわぞわと泡立たせる。せらおのこと、とろとろにしたいって思ってただけのはずなのに。今はもう、めちゃくちゃにしたいなんて思っている。頭が熱い、せらおにあてられて、バカになったみたいだ。
「せらお…っ」
「ぃ、ばっ」
唇から突き出て震える舌に、舌を絡ませて飲み込んだ。吸い上げれば腕の下でせらおの身体が大きく震えて、また軽い絶頂を迎えたことを知る。宥めるように肩から腹まで撫でおろしたけれど、逆効果だとでも言うように腸内が締め付けられた。持っていかれそうなその動きに耐えて、それからキスをしたまままた腰を送る。
「ん、ぅ、んん…っ」
「んぅ、…せらお」
「はー、は、ぁ〜…♡」
至近距離で紅の瞳を見つめる。涙の膜が張った薄紅の奥に、ふつふつと欲が沸いていた。理性のほとんどを飛ばした顔。俺だけを見ている。その事実に、ぞくぞくと泡立つ全身を止められない。
「…はは、せらおっ、…ッ、だい、すき…!」
「…ンあッ♡」
ずちゅん、音を立てて奥に剛直を突き立てた。そのままずりずりと腰を引いて、今度はしこりの上を雁首でこりこりと往復する。びくん、びくん。せらおの腰が反る。勃ち上がったままのせらおのものは俺の腹筋にこすれ、ぬるぬると滑った。
「あ、ぁぁあ、ぁ〜…♡」
すっかり出来上がったせらおの口からは、もう意味のない言葉しか転がり落ちてこない。ごりごりと強めに前立腺を抉れば、震える声がまた高くなる。鼓膜から侵されそうだ、と沸騰した脳みそで思った。唇から伝った唾液も、はらはらと溢れる涙も舐めればひどく甘い。ごちん、腸の行き止まりにぶち当たって、上がった「あ゛♡」の音に聞き入りながらそこでぐるりと腰を回す。
「〜〜〜っ♡あ゛、ぁ…♡」
「…ぅ、」
ぎゅうぎゅうと内壁が絡みついてくる。腸の中に心臓でもあるんだろうか、なんてバカなことを思うほど腸壁はきつく脈打っていた。見開いたせらおの目は涙を散らして虚ろに俺を見る。イってる。イキっぱなしだ。さっきの甘イキよりもずっと深くて、しんどいやつ
弧を描くせらおの細腰が、空中でかくかく踊る。はぁ、はあ。湿った息を唇からこぼして、セックスを覚えたての犬みたいだな、と自嘲した。そんな思考もすぐに飛ぶ。興奮している。彼のぜんぶに。びくびく跳ねてシーツに投げ出されたその手首を握って、縫い付けて、耳元に唇を寄せる。
「せら、お、せらお」
「ぁ、ぁ〜〜〜♡ひ、っ」
「な、…は、ッせらお、きい、て」
「ひぅ…♡」
聞こえているかもわからない、どろどろのせらおに語りかける。左手で腰を掴み、興奮のあまり震える親指で腹の下の方を押した。前立腺の真上。中に挿れたままの先端もちょうどしこりの位置で固定して、ぐ、と押し上げる。がくん、顎が上を向く。
「あぅ…ッッ♡」
「こっ、ちで、イくのと、」
びく、びく、内腿が震えて、せらおのかかとがシーツを蹴る。俺は親指を離し、今度は少しへそに近い位置に置いた。痛いほど張り詰めている中のものも、うねる腸に耐えつつ奥まで貫く。ごちゅ、突き当たりに先端をあてると腰は暴れるみたいに浮いた。その腹の上、結腸の真上を、ぐり、と親指で抉る。
ああ、今、せらおのこんなとこまで挿入ってる。
「ッ、こっちでイくの、どっちがいい?」
「〜〜〜あ♡」
ひくんひくん、俺の親指の下で薄い腹が痙攣した。とびきり甘い大きな声がひとつ、その真っ赤な唇から飛び出してくる。ぐりぐりと親指でいたずらにその場所を刺激すると、内壁がますます俺を締め付けた。
「ぁ〜〜〜っ、ぅ♡」
「…はッ、奥が好きなの」
じゃ、今日はいちばん奥でイこうな。とうにトんでしまったせらおの耳へ囁いた語尾は、自分でも驚くほど震えていた。かわいい、かわいい、かわいい。我慢がきかない、おさえもきかない。ひどく興奮している、もう、わけがわからないくらいに、俺の指の動きひとつにすらイくほど感じてくれるそのからだを、めちゃめちゃに、ぐちゃぐちゃにしてしまいたい。カッと上った全身の熱が、すべてせらおに向かっていく。
「セラ、せらお、っ」
「ァ、あ゛〜〜〜ッ♡」
手首を掴んでいた手で肩をおさえ、もう片手で腰骨を握り、俺は一度引いた自身を、一気にせらおの奥へ突き立てた。ごちゅん、鈍い音がして、「お゛っ♡」とせらおから聞いたことのない悲鳴が漏れた。構わず腰を引き、前立腺をごりごり抉り、もう一度最奥へ熱を叩きつける。ごちゅん、ごちゅん、散々いじめ抜かれたそこはすっかり敏感になって、俺の先端を懸命に吸う。
「ぁア、ぁー、あぁあッ、あ゛っ♡」
「は、せらお、せらおッ」
「ア゛、ぅあ゛、ぁ〜〜〜ッッ♡」
抜きがけに前立腺を通ると腰が反り、そこをごりゅ、と押し込めばびくんと全身が跳ねた。再び媚肉を割り割き奥を突くと、ぶちゅんと結腸が悲鳴を上げ、せらおの身体が逃げを打つ。逃げないで、せらお。俺は反射的に両手でせらおの肩を掴み、強く抱き込んだ。抱き締めたまま、逃げ場をなくした最奥へがつがつと劣情を叩き込む。ぎゅう、と内壁が収縮する。せらお、またイってる。かわいい。
「あー、ぁぁあ゛、オ゛ッ、〜〜〜ッッッ♡」
「せら、は、…イ、きそッ」
「ぃまっ、イッ…ッ♡ぁ、ぁ〜〜〜♡」
限界が近い。目の前がチカチカ明滅する。もうちょっと、もう少し、かくかく震えるせらおの腰の奥へ自身をねじ込み、結腸を捏ね回す。ぐう、反ったせらおの背が戻らない。枯れ始めた嬌声が耳から俺を侵す。ひくひく痙攣の収まらない腸壁に包まれて、どんどん追い詰められていく。せらお、もしかしてずっとイってる?抱き締めていた腕を解放すれば、俺の下のせらおは、力の入らなくなった手で必死にシーツを掻いて、悶えていた。
「ひ、ば…ッ、ぁあ゛ッ♡」
「…こっち」
「ぁ、ッ、〜〜〜、ァ♡」
俺はせらおの腕を取り、自身の首へ回させた。近づいた距離、涙腺の決壊した瞳と目を合わせる。とろとろに蕩けたその瞳は確かに俺が見たかったもので、ああ、多幸感でこころが満たされていく。好きだ、あいしてる。呟いて、感じすぎてびくびく震えっぱなしの舌ごと唇を飲み込んだ。口蓋をくりくり舌先で擦る。俺のうなじを掻く爪。熱い舌をじゅるりと吸い上げ、がくがくと止まらないその腰を抱えると、また肉壁を貫いた。
「ん、ぅ、ぅぅ〜〜〜ッ♡」
「む、ふ…せ、らお」
ぶちゅり、ぷちゅ、ごちゅん。スパートをかけるように、何度も何度もご所望の奥を抉る。かくん、かくん、跳ね回る細い身体を強く抱き締めた。舌が痺れる。俺の唇に飲み込まれる悲鳴も呼吸もどんどん切羽詰まって、大きな絶頂が目前に迫る。
「んぅ♡ん、ぐぅ、♡」
「ん、ふ…♡」
「ふッ、ん、ン〜〜〜ッ♡」
きゅうきゅう締め付ける内壁の、震えが次第に激しくなっていく。もう少し。せらおの背筋を撫で、尾てい骨を擽り、前に回した手のひらでぐっと泉の腹を圧迫した。手のひらの下で気持ちいい、とひくひく蠢く腹が熱くて、柔らかくて、ひどく愛おしい。びくん、びくん、圧迫を強めるたび身体が跳ねる。絡ませた舌を強く吸い、今にも爆発しそうな自身をぎりぎりまで抜いた。右手の指でせらおの瞼を辿り、そうっと開いたその瞳と、すぐ近くできちんと目を合わせて。
「っ、〜〜〜ッッッ♡♡」
「…はッ、く…!」
ごちゅり。前立腺を抉り、締まる襞を割いて、最奥へ激しいキスを送った。がくん。途端、せらおの全身が大きく仰け反る。頭のてっぺんから爪先まで、すべてが硬直した。どぎつい絶頂、深く、重く。
強すぎる快楽がせらおの中で尾を引いていく。ぎゅうぎゅうと今日いちばんに内壁が蠕動して、俺はスキン越し、腸の中で最も心臓に近いところに精を放った。きもちいい、きもちいい。そのままぬるぬると精液を塗りたくるように、腰を動かす。
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好きすぎて爆死