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若井 side…
(はぁ…今日も学校かぁ…だる、)
俺は重たい瞼を擦りながら、いつもと変わらない通学路を歩いていた。
「ねぇ、君、これ落としたよ」
肩をツンツンと触られ、落ち着いていて、それに何処か懐かしい声が耳に入ってきた。
後ろを振り向くと、俺より少し背が小さく、肌が真っ白で、顔が驚く程に整っている人が立っていた。
(ぁ、それ…)
さっき落としたのだろう。
その人の手のひらには、俺の鞄に付けていたギターのキーホルダーがあった。
このキーホルダーは幼い頃、”大切な人”に貰った物だった。
大切な人の顔が思い出せない。
記憶の中のその人の顔にはいつも霧のような物がかかっている。
「はい、これ」
「あ、ありがとうございます」
キーホルダーを受け取ると、ある事に気付いた。
(同じ制服着てる…学校同じだったのか…でも見た事ない顔だなぁ…)
「あれ、同じ制服じゃん、これもなんかの縁だしさ、良かったら一緒に行かない?」
相手も気付いたらしく、そんな事をさりげなく言ってきた。
「まぁ、いいですけど…」
正直、初めて会う人と一緒に登校するのは嫌だったけど、さっき落し物を拾ってくれた恩人でもあるので、断るのは失礼だと思い、渋々OKした。
「……」
歩き出しても話を振ってくれる事はなく、結局、俺から話を振ることになった。
「…あの……」
「…ん?」
「さっきはキーホルダーありがとうございました…」
「どういたしまして~」
照れくさそうに笑う彼の笑顔が何故か愛おしくてたまらなかった。
「…そういえば名前言ってませんでしたよね、俺”若井滉斗”っていいます。貴方の名前は…」
俺が名前を言うと、その人は一瞬、驚いたような顔をしたが、すぐに穏やかな表情に戻した。
「僕は”大森元貴”これでも一応高2なんだよね、よろしく」
「え、?!うそっ?!馴れ馴れしくしてすみません、!」
深く頭を下げると、大森先輩…?は少し困ったような笑顔を浮かべた。
「いいよいいよ…じゃっ僕教室こっちだから」
いつの間にかもう学校に着いていたらしい。
「ありがとうございます!ではまた~!」
軽く会釈をすると、大森先輩は少し寂しそうな笑顔を見せて、俺の視界から消えていった。
「やっと昼の時間だぁ~」
授業で硬くなった身体を解すように背伸びをしていると、
「ぁ、いたいた」
聞き覚えのある声が教室のドアの方から聞こえてきた。
(この声って確か…)
声のした方向を見ると、案の定、大森先輩が俺の方へ歩み寄って来ていた。
勘違いかも知れないと思ったが、もしもの場合のために、俺は体を身構える。
「…っ……!」
目が合うと、大森先輩はニヤリと不敵な笑顔を浮かべた。
俺はすぐに目を逸らす。
「ねぇ…なんで目逸らすの」
机の上に目線を置いていると、大森先輩は俺の机の上に腕と顔を置いた。
目を合わせないような必死な俺を見て大森先輩は顔を覗き込んできた。
また目が合う。
「別に…」
逃げれないと感じながらも適当に言葉を投げた。
「ふーん…じゃあ、一緒にお昼食べよ」
「…え、?」
俺は大森先輩の言っている言葉の意味が分からなかった。
「え、?って一緒にお昼食べる為にここまで来てるんだよ?」
(は、?まだ会って間もないんだぞ…?しかも先輩だし…)
「…何……若井は嫌なの、?」
可愛らしく頬を膨らませ、少し拗ねたような顔をしてきた。
「いや、別にそんな事は_」
俺は慌てた様に言葉を投げかける。
「ならいいじゃん、」
続…
これくらいの長さで投稿していきます!!
付け加えた部分とかあるので是非これも読んでみてください!
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