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第一章・修行編⑦:「各地で蠢く強者たち」
鳥取が兵庫との修行に全力を注いでいた頃——
広島と岡山が遠くからその様子を見つめていた。
「……なるほどな。」
広島は腕を組み、険しい表情で呟く。
「大阪だけやなく、兵庫とも修行しとるとは……。」
「本気で強くなろうとしとるみたいやなぁ。」
岡山が興味深げに笑う。
「フン、成長しとるのは認めるが……。ワシに挑むなら、まだまだ甘いのう。」
広島は冷たく言い放つ。
「まあまあ、ええやんけ。あの鳥取がここまで頑張っとるんやぞ? それに……」
岡山がニヤリと笑い、遠くを見た。
「どうやら、気にしとるのはワシらだけやないみたいやで。」
その視線の先——
名古屋
煌びやかな高層ビルの立ち並ぶ街の一角。
愛知は窓から景色を見下ろしながら、静かに紅茶を口に運んでいた。
「へぇ……鳥取が頑張ってるんだって?」
テーブルに座る彼は、新聞をめくりながら興味深げに呟く。
「愛知さん、どうなさいますか?」
側に控えていた岐阜が尋ねる。
「どうもしないさ。」
愛知はクスッと笑う。
「ただ……ちょっと面白くなってきたなって思っただけさ。」
カップをソーサーに置く音が響く。
「広島も、岡山も……鳥取のことを気にしてる。なら、俺が無視する理由もないよね?」
窓の外、遠くの空を見つめながら、愛知は静かに呟いた。
「ま、せいぜい頑張ってもらおうかな。」
その目は冷静でありながら、どこか楽しそうに光っていた——。
〈続く〉