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鳥取が兵庫との修行に打ち込んでいる頃、各地の強者たちがそれぞれの思惑を巡らせていた——。
「ま、ワシらが気にせんでも、そのうち決着はつくやろ。」
岡山がのんびりと肩をすくめる。
「フン……そうかもしれんがな。」
広島は鋭い目で遠くを見つめていた。
鳥取が成長しているのは確かだ。しかし、それがどこまで通用するのか。
広島自身が試してみなければ、わからない。
「ま、強くなるならそれでええよ。ただし——」
広島は不敵に笑う。
「ワシに挑むなら、ただの成長じゃ話にならんけぇの。」
「……で、どうするんです?」
側に控えていた部下が再び尋ねる。
愛知は少し考えた後、静かに笑った。
「今は静観だよ。でも、ただ待つのはつまらないなぁ。」
「何か動きますか?」
「まぁね。」
愛知は新聞を閉じ、立ち上がる。
「僕もそろそろ、”退屈しのぎ” が欲しくなってきたからね。」
「ぐっ……はぁ、はぁ……!」
鳥取は砂まみれになりながらも、必死に立ち上がった。
「おっ、まだ立つか。ええ根性しとるやん。」
大阪が腕を組み、ニヤリと笑う。
「だが、まだまだやな。」
兵庫は冷静に鳥取を見据える。
「お前が広島に勝ちたいなら、もっと”考えて”動け。」
「……考えて?」
鳥取は息を整えながら兵庫を見つめた。
「せや。パワーとスピードだけやない。”勝つための戦い方” を覚えろ。」
兵庫の言葉に、鳥取はギリッと歯を食いしばる。
ただがむしゃらに戦うだけじゃダメだ——。
(俺は……どうすれば……)
鳥取の脳裏に、今まで戦ってきた大阪との修行がよぎる。
そして、新たな一手を考え始めた——。
〈続く〉