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日本に1人,私の呪いがかからない人がいると言う。でも日本人とは限らない。真面目な人とも限らない。そんな細い糸に頼るような私ではなかった。


中学生生活2日目の朝が来た。

「お嬢様。おはようございます。」

「おはようロウデフ。」

いつも通りすぐさま部屋を出る。そして健康面に気を遣った朝ごはんを食べ。まだ着慣れない制服を着て学校へのトラウマとカバンを背負いながら登校した。

「おはよう!恭子ちゃん!」

「おはよう。」

そう言って駆け足で靴箱まで急ぐ。少し頭が痛くなったか、めまいがしたのだろう。追っては来ない。教室に入り席に座る。すると遅れて入ってきた香がまた話しかけてきた。

「もーう!なんで先行っちゃうの!もしかして私のこと嫌い?」

「そんなことない。自分が嫌いなだけ。」

「どっ、、エホッエホッ、、」

「私に馴れ馴れしくしないで。」

鋭く、冷たい言葉でそれでいて,暑くて脆い言葉を投げた。

「やっぱり私のこと嫌いなんじゃん!」

それでも,香は笑って私を見てくれた。そんな優しい香にぶつけた言葉を今になって後悔した。でも謝れない。また傷つけることになるから。悲しくてしんどいと感じたのはいつぶりだろうか。そんな私を香は笑って前に進ませてくれる気がした。いつからだろうか,希望を持ってもすぐに捨てるようになってしまったのは。

「そう言うのやめてって言ってるでしょ!」

久しぶりに大きな声を出した。荒くて惨めな声だった。香は案の定怯えているでもこれで良いのだ。いや、これが良いのだ。私のためにも、香のためにも。

「まぁまぁ落ち着いて山梨さん。香も人との距離感を考えようって。」

そう言って場を宥めたのは道(みちる)だった。でもそれは私を見てじゃない。考えるに2人の付き合いは長いのだろう。大声を上げたかいあってみんなは私を冷ややかな目で見てくれる。

「はーい、授業始まるよー。」

先生が教室に入ってきて,チャイムがなった。

「今日はまず委員を決めますよー。」

係の配分はこのようになっていた。配布係3、掲示1、掃除4、これが係。委員会は、学級委員長1、図書2、美化2、体育2、選挙管理1、新聞2、放送2、となっていた。1番良いのは掲示係だ、目立たず仕事も少ない。そして何より1人だ。その次は選挙管理だと思う。クラスとの関わりがないって言うのは嬉しい。

「ではまず学級委員長から。」

「俺行きます!」

なんとなくそんな予感はしていた。あんなにすぐクラスを宥めれるのだから適任なのだろう。

「じゃあ学級委員長は北海君で良いかな?」

そして着々と決まって行った。でも掲示係で香と被ってしまった。

「あっ、、、、」

香はすぐ手を下ろそうとする。さっきのこともあるしここは私が手を引いた方がいいだろう。

「先生、私やっぱり図書委員やりたいです。」

「あら,じゃあ香さんよろしくね。」

香がやけにこっちを見てくるが知らないふりをした。咄嗟に図書委員と言ってしまったがどうしようかと考えていたが図書と黒板に書かれてしまった。そして相手は秋田君(あきた)だった。


死にたい子は死ねない子

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