この作品はいかがでしたか?
52
この作品はいかがでしたか?
52
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
よし!今日の……バイト代!ぜーんぶ推しに継ぎ足そぉ♪
僕は、社会不適合者☆いわゆる社不☆片親で、学校を通えず、高校に進学出来なかった僕はひたすらバイトをして、推しに貢いでいる。推しには好きな人がいる。それは、同性のクラスメイトだ。その子にプレゼントするために毎日、雑談配信をしている。可愛いその子にプレゼントを渡したくてという配信でその推しと出会った。
『あ!初見さん!いらっしゃいませ!早速ですが!私のことを簡単に説明します!聞いてくれますか?』
彼女の名前はみつき。あー、本当に同じ人間とは思えない。彼女はガラスぺンで次の小説のメモ書きをしつつ雑談していた。コツコツ、サッ、と音が鳴る。聞き心地のいい声と書いている物音に一度、配信を見ただけでファンになってしまった。
『今日から押させてくださいっ!』
そうコメントを打った。すると、みつき。は
『へ?あー、押させることは出来ないけど、推してくれるのは嬉しいです!毎日、深夜零時に雑談配信しているので!楽しみにしていてくださいね!』
深夜零時の雑談はちょうど眠たくなり、バイトも終わる時間だったので浮上することは容易だった。
数ヶ月経って、いつもの配信中にトラブルがあった。
『あ、ミュートにします!すみませんっ』
『⋯んー!ん?あ!どうしたん?』
そう。放送事故だ。
『いま、配信中なんだけど⋯』
コメントは絶え間なく稼働していく。どんどん、視聴者は困惑していく。もしかしたら⋯彼氏かもしれない⋯。
『もう♡僕は、成人なんだよぉ?お酒飲んでいーの!』
え?成人⋯?学生って⋯。
『けーちゃん?いつまた会える??早う会いてぇよ~!いつ?明日??今日??』
へ?けーちゃん??
『って!?まじ?ごーめん(笑)けーちゃんの声乗っとる?』
『あー!良かったぁ~うん。うん。あ!おけ!じゃ、またね~!』
お友達かな…?
「あ、終わった…??」
『ごめんね!配信落ちるね!また明日、説明するね!彼氏でもなんでもないから!男大っ嫌いだから!!』
そういい、配信を終える寸前。僕は
『僕はみつき。さんのことを待ち続けます。』
と、コメントを打った。それを見つけたからか
『ふふっ…ありがとう。またね。』
こうして、早くに彼女は炎上した。いや、彼女は自ら新しい試みをしてくれたから直ぐに鎮火された。
「っ?うそ…」
朝起きたらTwitterから。みっちゃん。からフォローされました。という通知が届いた。そしてDMでは
〈あの時、こうくん!さんが配信に来てくれてよかったです。勝手ながら、フォロバさせていただきました。みつき。という垢で雑談配信している人です。本当にありがとうございました。〉
と、手紙が来ていた。僕がみつき。にとっての初めてのフォロワーとなった。
次の雑談配信では、フォロバすることについてと昨日の放送事故についての話だった。だが、鵜呑みにしないでとアンチの方にまで言っていた。その言葉は
『けーちゃんは私の好きな人です。未成年と、濁しておりましたが今年成人しました。年齢を偽っていた訳ではなく。配信中ではみつき。として接したかったからです!これは、戯言なんですけど。年齢が低い子って惚れちゃいますよね?それと同じだと思ってください。そして、これからはみっちゃん。という垢でフォロバしていきます!今の私のフォロー欄には大好きな絵師の方が載ってあります!ぜひ!こうくん!さんをフォローしてみてください!!では、今日の雑談配信のテーマですが…「私の推し事」についてです!』
そして、BGMが流れる。
僕のもにゃーんを密かに推してくださっていた。今は、配信こそはしていないが絵師界隈を少しカジっていたことはある。だから、雑談界隈は初めてだった。
「正式に推して貰えた…これから、更新頑張ろっと!」
そう、久しぶりに自分のアカウントにログインした。流れてきたのはたくさんのフォロー通知。今日はココアでも飲みながら僕も作業しましょうかね。僕はいつか、みつき。とコラボ、延いては依頼などで繋がっていきたいと思う。
妄想、依存によって推しを傷つけてる?
ルールやマナーは守れてる?
一人の人間として接してる?
迷惑をかけるなとは言わない。
それは私が決めることでは無い。
憶測を信じ、目の前にある真実を疑うこと。
素直に信じてあげられればいいのに。
信じたくても信じきれなくて…
裏切られた気分になる。
それはこれまでの軌跡だから。
それこそが愛なんだ。
だから、僕は届けるし届かなくても書き続ける。
彼女のブログにはそう書いてあった。
僕は、反省した。
「あー、推すなら推しから推されるようにならんとなぁ…」
そう心に誓った。