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創作BL
思いつきだけなので短文
夏祭りの人の波に揉まれ、離れそうになった手を強く握りしめ引き寄せる。デートのお誘いがあった日
「人が多いから手を繋いでてもバレないよ」
と普段無口な彼が耳元で放った言葉を思い出し何度も心の中で反芻する。彼は人前だと声をかけられない限り基本的には喋らなくて、感情の起伏も読みにくい人、そんな人だと付き合う前まで思っていた。実際他の人と比べれば無口な方ではあるが「感情の起伏が読みづらい」なんてことはなかった。よく見れば口角を上げ目を細めて笑っていたり、目を伏せてへこんだり、不機嫌な時はほんの少し口を尖らせ細めた目で鋭い視線を送っていたりする。
旗棒を持ち上げる白く細い綺麗な指。初めて見た時、旗先を追う真剣な眼差しと重々しい旗に対しては細すぎると思えるその指に魅了された。そんな指が自身の指を絡めとり、人混みの中でいわゆる恋人繋ぎをしている、その事実だけで顔が熱くなった。