何日も空きました
まじですんませんでした
今回は連載から離れてパッと思いついた物語です.
今日も朝から叩かれた,
頬を何度か手のひらで叩かれた,
痛いなど何も感じない,
ただひとつ感じるのは.
早く死にたい,
「なんでッ!言われたこともできないのよ!」
両親は街で公務員をしている,
それなりにいい暮らしもさせてもらっているはずなのだ,
学校へ通わせて貰えない僕がやることはただひとつ,両親の邪魔にならないことだ,
父は仕事にしか興味が無い人間だった,
母はなんでも完璧主義だった,
そんなふたりが酒で酔いワンナイトで僕が生まれたのだ,
そんなこんなで父は僕には興味が無い,
母はなんでも完璧を求めていた,
仕事服のワイシャツにシミが残っていた.
アイロンが下手だった
皿を洗っていなかった
ご飯を炊いていなかった
もうすぐ成人で15を迎えるとしても
教育が厳しすぎるのは自分でも理解していた
「母さん,夕食できたよ」
「遅いわよ,なんでいつもそんなに行動が遅いの?」
「….ごめんなさい。」
そこからの記憶が無い。
思い出せるのは母さんがワインを飲み出して酔った時だった,
マナーが悪いと母に怒られた時に母はワイングラスを割った,
そのワインを飲んでしまったのだと思う
両親は息をしていなかった
僕の手は真っ赤に染まり両親の頭からは深紅の液体が床に染み付いていた
僕はそこから逃げ出した
にねんご.
町の端にある傭兵傭所という所で雇い人として働いていた。
悲しいことに深紅を見ると未だに吐き気がする
任務中はごく普通に顔バレ防止のために深くフードを被っているが紅を見たくないために普段からフードを被ることが当たり前になっていた
「ゾムーク,任務だよ」
「はい。マスター。」
ここの傭兵傭所では依頼主が傭兵に挨拶をしっかりとする。理由は分からないが
「君が.ゾムーク。くんだよね?」
「…はい。くんづけは要らないので。
ゾムークと呼んでください。」
「ん。いきなりだけど任務の話や
長期任務になる分報酬は多い,」
「長期任務でも色々な種類がある
秘密任務の情報操作やお前らに雇われても相手の軍に行くこともある。大体僕は何でも屋としてやっているからなんでも出来るが、」
「じゃあ単刀直入に言うよ。ぼくらの軍W軍に来て欲しい。任期は1年弱でお願いしたい」
「….承知致します。…マスター。」
そこで僕はW軍へと任務で行くことになった
「そう言えば僕の名前は鬱。
同期には大先生だの鬱先生って呼ばれとるわ」
「…大先生って呼ぶ。」
「ん、君はなんで傭兵になったの?」
あまり聞かれたくない質問がきた。
ハッとした,
なんでも話せそうな雰囲気を出しているがこれでも任務なのだ。
急に強風が吹きふわり.とフードが取れる
鬱と名乗る人の瞳は群青で落ち着ける色だった
「綺麗な瞳してるんやな。」
先に口を開いたのは鬱…大先生だった
「僕の先祖は昔から森に住んでるんだ
だから森の情が移ったって言ってた」
「そうかそうか、めっちゃいい色してるで
W軍にも君より少し色の濃い緑色の瞳がいるんや。あっちに行ったら紹介するな?」
「おん.ありがとう!」
久しぶりに本心で話せた気がした
「…てことで傭兵傭所から雇った
ゾムークだ。」
金髪のめっちゃ偉そうな人から説明された
意外と幹部という偉くて強い人たちが集まった
会で説明をされたが大先生以外に目を見て話せそうな人はいなさそうだ。
特に目の色と外見はあまり関係はないから。
そして幹部全員からの自己紹介が終わった時
「ゾムーク.軍内紹介するで!」
「コネシマ!俺も行くからな!!
ゾムーク!俺と練習試合しようぜ!」
「シッマもシャオちゃんもそんなグイグイ行かないの!ゾムーク行こうか」
「…、うん.大先生」
一日が終わるのは早かった
総統のグルッペンから総統室への呼び出しが来たため大先生と向かった
「ゾムーク。鬱来たか」
「….んでグルちゃんどうしたの?」
「…あまり鬱には関係は無いのだがなゾムークは鬱とじゃないと来てくれないからな
ゾムーク.目を見せてくれないか?」
「….は?」
「1度でいい。先程鬱から聞いたゾムークの家族は森の一族では無いか。と」
「…わかりました,」
ぱさ、とフードを取り大先生と目を合わせる
にっこりと大先生が微笑んでくれたため
総統の方を向いた。
「ッはッ…」
深紅の瞳。いちばん嫌いな色だった
「はッ…はッ…ゲホッゲホ…」
「ゾムーク!!どしたんゾムーク」
記憶が重なり大先生の顔が霞む
手に着いた紅の血や目の前に倒れた両親の景が見えてきてしまう
「….ごめ…んなさい」
そうして意識を手放した
「…ッゾムーク!!」
違う..俺の名前はそんな名前じゃない
「ゾムーク!早く起きろ!」
その名前でもう呼ぶな..!!!
「ゾムーク.はよ起き?」
大切な人の声だった。
「…だいせんせ。苦しいよ」
群青の深い深い海の色に吸い込まれるような眼力で見られて起きたのだろうか,
「グルちゃんがびっくりしてた。
過去に何があったのか教えてくれへんか?
そうすれば.僕らも対処するから」
そうして.僕は話した
大先生は泣いていた
大先生は小さい頃はある国の皇太子だったらしい,養子だったのだがそこをグルッぺンに助けてもらったのだという。
「あははッ…大先生そんな泣かないでや」
いつの間にか着いていた大先生やコネシマさんの母国の訛りも今となっては幸せだと思える
「ゾムーク!!起きたんか!」
「ゾムーク!!」
「コネシマさん.シャオロンさん。
すいません.迷惑かけました」
「なあ大先生に普通に話してるなら俺らにも普通に話してや!」
「俺らだって今だけでも仲間なんやからな?
コネシマに相談は難しいかもやけどシャオロン様ならなんでも相談に乗ってやるから!」
「…じゃあ聞かせてください,
完璧ってなんですか。?」
一瞬静寂に満ちた
「…ッ!ごめんなさい変なこと聞きましたよね」
「俺は完璧なんてないと思うで?
さっきのゾムークの話聞いちゃったんやけどゾムークの母親は完璧主義だったんやろ?母親は完璧だったんか?」
「そうやね。良い職業に就いても足はめっちゃ早かったか?ここの国の言語だけじゃなくてドイツ語やフランス語も話せたか?」
「ううん…1カ国しか話せなかった」
「それなら.完璧ちゃうわ。
完璧なんかよりもゾムークみたいな疑問を素直に言える方がめっちゃいい事だと思うで」
この言葉を一生忘れるわけが無い
「シッマ。シャオロン
今回は俺の相棒やわ!!」
それから何ヶ月が経った
特に紅の瞳のグルッぺんさんとトントンさんは話す時に少しギクシャクするが最近は普通に話せるようになった
「お!ゾムークなら俺ももっと戦わなきゃな!」
「シャオロンには無理やろ。」
「あぁ”?お前より殺すからな。」
未だに本当の名前は言っていない
「ゾムーク」
「大先生!どうしたん?」
「今日は一緒に戦えへんけど後ろから援護はするお互い頑張ろな」
「おん!任せてえや!」
にっこりと笑って先に1人で敵陣に突っ込んだ
そろそろ任期終了まで3ヶ月を切った
この軍に慣れたし心を開けたきたと自分でも思う
いつ名前を伝えようか
そう無駄なことを考えていたからなのか
「ゾムーク!!!避けろ!」
大きな声で叫んだコネシマさんの警告に気づかなかった
相手の低い姿勢から来ていた長く太い剣が横腹に突き刺さる
シッマとシャオロンが急いで駆けつけて一通りの敵を殺してくれた
「ゾムーク無事か!」
「死んでないよな!平気だよな!」
「…大丈夫。少し引くわ」
「とりあえずしんぺい神に連絡する
ゾムークはしんぺい神のところに行けや!」
ここまで心配してくれるとは思ってもいなかった
目を見せないとほとんどの表情が見えないためにほかの軍に任務で行った時もあまりいい雰囲気は無かった
「あーあ…。
たったの3年前までは早く死にたいって思ってたのに。もう死にたくなくなっちゃったやん」
涙で視界がかすれる
「大先生。僕の名前聞いてくれや」
「僕のホントの名前ゾムつうねん
覚えててくれるか?」
「おう.しっかり覚えたで?」
そんな優しい声が聞こえた
気を失っていたのか目が覚めると腹の傷は血の塊で大体が固まっていた
少し遠くの方では大きな声で叫んで探す
シッマとシャオロンの姿があった
「すまん,2人とも」
おいしょ、と声をあげて立ち上がると
パリパリと血の塊。かさぶたのようなものが取れ
何度目かの出血が始まる
「あー….やっぱり動かなきゃ良かった
大先生。助けてや」
「もっと早く言ってやゾム。」
包帯を持って冷や汗をかいた大先生が目の前に立っていた
「こちらこそ意地悪してごめんな」
救急セットを持ちこちらに来ると手早い作業で腹の傷を隠していく
ゾム。君はもうW軍の一員や
いい所で貧血だ
体重を大先生にかけて眠りに落ちた
エンドはみなさんで考えてください
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