異星mnとrb
とある鑑定屋に何故か入ったmnがあまりにも美しい人を見て、勧誘する話
とある鑑定屋にて毎日来ては「異星に行こう!」と諦めず何度も言う少年mnを、のらりくらりとかわしながら内心彼をそんなに悪いようには思っていない店主rbがいた。
そうして月日がたった時、急に彼が来なくなる。寒い日だってプルプルと震えながらも毎日来る彼のために、毎度用意していたココアも今日だけは一つ残った。それだけじゃない、彼が使っている手袋も、ニットキャップも、マフラーさえも、言うなれば俺が少しづつ心を許していった証だった。気持ち悪い、なんとも言い様のない不安感に襲われながらも接客をしたrbだったが、一週間もたつとそういうものなんだと少しは割りきれるようにはなった。だがそれでも毎日来ていた分、一週間来ないだけでもお腹にポッカリと穴が空いたような、視界から少しづつ色が消えていくような、よく分からない何かがrbを襲う。この”何か”が消えない。こんなことなら彼と関わるべきじゃなかった、彼の笑顔を素敵だなんて思うべきではなかった。また、月日がたった。長年生きてきて今まで知らなかった。俺はこんなにも一人の男に執着してしまうのだと。これが恋なのだと、彼に分からされた気分だった。嗚呼、彼に会いたい。今どこにいるの、何をしているの、 生きているの。こんな状態で接客なんて出来たもんじゃなかった。毎日店の外周を歩き回った。きっと道を忘れて迷子にでもなっているんだ、ほら、そこの路地裏とか、あそこの公園とか、ーーーー
あちこち探し歩いた。やっぱりいないものはいない。情けないな、きっとこの地球上誰よりも 多く生きているはずなのに、虚しいな、こんなにも生きているのに人一人見つけられない。今時公園のベンチに座る成人男性なんて育児中のパパさんか疲れきったサラリーマンくらいだろう。もう、あの店は見たくない。見たら思い出してしまうから、もう、寝ていたい。頭を動かすと考えるのは彼のことだけだから。公園の中の半円のような遊具の中に入り今日を終わらせようとした。その瞬間何かが見えた。蜂蜜のような甘い黄色に爽やかな青色の髪。脳が理解を拒む。眠気なんて吹き飛んだ。今、確実に、目の前に、探し求めた彼がいる。綺麗な体はボロボロで、あのときより大分細くなったように感じる。凄い、あんなにも探していたのに、実際に見ると少し憎たらしく感じる。こいつが自分をこんな風にしたのだ、しかも店からほど遠くない場所である。もっと早く見つけれたはずだ。でもこの言い様のない、現せない、なんと言えばいいか分からないこの”何か”が消えた。取り敢えず彼を店まで運ぼう。多分なにも食べてないのだろう、色々考えながらさっきまで見たくもなかった店へと入る。もう暗いので一旦ベッドに寝かせる。もう失いたくはない、今日は眠 れない日になるだろう。
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!