⚠注意⚠
 ・cpは🌟より橙赤(💤×❣️🌸)です。
・この小説はnmmnであり、ご本人様とは関係ありません。
・怪盗パロ
橙さん→怪盗 / 赤さん→警察
※実際の警察とは異なる内容を含みます。
・R-18の内容を含みます。
 
 こちらのリクエスト作品です、お寄せいただきありがとうございました!
※リクエスト作品は原則、コメントいただいた順に制作しています。(書きやすさなどにより前後する可能性あり)
 5行下から本編です。
 
 
 
 
 コツン、コツンと自分の足音だけが響く、午前0時。営業時間外の美術館の見回り中。
 著名な画家の描いた数億円もの価値があると噂の作品も所蔵している、日本でも有数の美術館。
 そんなところの警備を任されるくらいには自分が成長できたことを実感する。
 
 
 自分で照らしている懐中電灯の光以外には何も照らすものがなく、それだけを頼りに通路を進む。
 
 ……そう、自分以外には誰もいないはずなのに。
 後ろで、ガサガサと何かの動く音が鳴った。
 
 「んわ……、!?」
 思わず肩が飛び跳ねた。
 振り返ろうとすると、前方から何者かに抱き寄せられる。
 
 「誰っ…!?」
 「びっくりした?」
 突如目の前に姿を現した、片目を隠す仮面に、白いマントを身につけた男。
 現実世界で見かけたことはなくとも、一目で分かった。これは……。
 
 「怪盗……?」
 「せーかい。」
 
 暗いのと仮面を付けているのとで顔はよく見えなかった。
 
 その怪盗は僕を抱き寄せたまま、その力を緩めない。
 
 「おい、離せ……!」
 「こんなに可愛いのに、遅い時間に一人でいるのが悪いんだよ」
 「はぁ…?」
 
 なぜか口説いてくる怪盗さん。最近の怪盗界隈では主流のやり方なのか…?
 
 何度も「ねぇねぇ」と話しかけてきて、煩わしい。今すぐ自分の持ってる手錠で捕まえてやりたい。
 でも、まだ実害と呼べるようなことをされていないから、こいつを咎めることができない。
 
 
 結局、僕の見回りが終わるまでこいつは付きまとってきた。
 
 「また、会いに来るね」
 「は!?もう会わな……ちょっ、」
 
 こちらの答えを聞くよりも前に窓から身を乗り出して、あっという間に宙を昇っていった。
 
 ……本当に怪盗って、空飛べるんだ。
 
 後ろ姿が見えなくなったあとも、しばらく呆然と窓の外の夜空を眺めていた。
 
 
 
 
 それからも僕が夜勤のときは、必ずやって来るようになった。展示品を盗んでいく訳でもなく、こちらに手を出してくる訳でもない。
 
 別れ際には、毎回「今日もお疲れ様」と言って僕を労わってくれる。
 挙句の果てには僕に「ちむ」なんてあだ名を勝手につけては呼び始めた。
 
 「……変な奴」
 
 
 
 
 
 いつも通り、職場で仕事をこなしていたときのこと。一通の電話がかかってきた。
 
 「銀行強盗……!?」
 近くの銀行で、強盗が起きたらしい。比較的治安の良いこの地域では珍しいことだった。
 
 通報を受けてすぐさまパトカーを走らせて現場へと向かう。
 その道中で、犯人らしき黒い服を全身に纏った集団を見つけた。
 
 「あれ……!」
 犯人の姿は捉えたが、そいつらは目を疑う行動に出た。
 
 おそらく大金の入ったでかい鞄を持って、ヘリに乗り込み始めた。
 
 その逃げ方は誰もが予想していなくて、車内がざわつく。
 「どうすれば……、俺ら、車なのに……」
 
 
 その場にいた全員が頭を悩ませる。
 今からこちらもヘリを手配していては、その間に逃げられてしまう。
 
 そのとき、空から白い布のようなものが降りてきた。
 
 その正体はすぐに分かった。
 
 「くにお……!?」
 
 突然空から人間が舞い降りてきて、僕以外の仲間はみんな冷静さを欠いていた。
 
 僕は急いで車から降りて、くにおに近づく。
 
 「何してんの……!?」
 「いいから、ちむ、背中乗って」
 「え?」
 「あいつら、捕まえに行くでしょ?」
 
 
 くにおが今現れた理由を、やっと理解した。
 
 逃げた犯人を追いかけようとする僕らに、協力してくれるらしい。
 
 こいつと2人で任務を果たすなんて不安でしかないけれど、緊急事態なのでそんなことも言っていられない。
 
 
 「おじゃまします…、」
 おずおずとくにおの背中に乗る。 普段、国民を守る身である自分が、誰かにおんぶされる体勢になるのは不思議な感覚だった。
 
 「じゃあ、行くよ」
 ちゃんと掴まっててね、と何度も確認してから、マントを空に翻す。
 
 ほんのわずかな間に急上昇して、街が小さくなっていった。
 
 
 
 
 
 
 
 本来は警備のない日に、わざわざ「今日替わってほしい」なんて同僚に頼んでまで、日程を入れ替えてもらった。
 すぐに、昨日のお礼を言いたかったから。
 
 
 「助けてくれて、ありがとう…!」
 
 くにおがすぐに来てくれたおかげで、なんとか犯人を逮捕することができた。 いくら感謝してもしきれない。
 
 「どういたしまして」
 
 こちらを見据える、優しい瞳。仮面越しでもその表情はよく分かった。
 
 「ほんとにありがとう、くにおがいなかったら……多分間に合わなかった」
 
 それと都合よく頼ってごめんね、と謝りながら俯く。
くにおはそんな僕の顔に手を添えて、前を向かせた。
 
 「むしろ頼ってくれて嬉しい、ちむのためならいつでも助けに行くよ」
 
 その言葉ひとつひとつを脳内で噛み砕きながら、心が絆されてく感覚を抱く。
 
 前から思ってたけど、こいつ声かっこいいよな…。声優さんにいそうな、低く落ち着いた、癒される声。
 
 
 「ねぇ、俺……がんばったでしょ?」
 ご褒美ほしいな、とさっきまでの態度とは打って変わって、甘い声でささやかれる。
 
 「……いくら欲しいんだよ」
 結局、怪盗だからお金はほしいのか。
 
 財布に今現金入ってたかなぁ、と考えていたところでくにおが発したことは。
 
 「よしよししてほしいな」
 「……?」
 だから、思ったよりもずっと子どもみたいな返事に、腰を抜かしてしまった。
 
 
 
 
 
 あんな暗い空間でお礼をするのも変だから、くにおを自分の家に連れてきた。
 本人の希望で膝枕しながら、頭をそっと撫でる。
 「ちむに膝枕してもらえるなんて、幸せだなぁ、俺……」
 「おおげさすぎ」
 
 犬みたいに甘えてくるくにおに、くすっと笑みがこぼれた。
 
 
 怪盗なんて自分の利益のために、高価なものを他人から奪い去るだけの最低な存在だと思っていた。
 
 ……だけど、こいつは。
 怪盗なのに盗みをするどころか、盗みをした人間を罰する手助けまでしてくれた。
 
 
 「あの、……」
 「ん?」
 
 くにおが、最低な奴だなんてはずがない。
 そんなの、長い期間ではないけど今まで関わってきた中で何度も思い知った。
 
 
 「……すき」
 「……え、」
 
 僕の膝に乗せていた頭を起こして、正面に向き直るくにお。
 
 「ほ、ほんとに!?」
 
 目をキラキラ輝かせて、僕の手を取る。
 いつもかっこつけてるけど、どっちかって言うとやっぱり犬だよな……。
 
 「俺も、愛してるよ」
 
 
 
 
 
 
 「…ぁ、んっ……♡」
 「かわい…♡」
 
 深夜もとっくに過ぎて、明け方に近い時間帯。
 明日の仕事のことも考えず、ただ思いのままに体を重ねる。
 
 
 警戒してたはずのくにおと付き合うまでの関係に至るなんて、前の自分なら想像もつかない。
 
 「ねぇ、ほんとにいいの?俺、怪盗だけど……」
 「…くにお、は」
 
 どんなに冷たくその手を振り払ってもそばにいてくれるところ、困ってるときすぐに手を差し伸べてくれるところ、まっすぐに愛を伝えてくれるところ。
 
 いくつ思い浮かべても途切れない、くにおの好きなところ。
 
 「やさしいから、すき」
 
 掠れた声で言うと、同様にくにおもぽそりと呟く。
 
 「……それはどうかな」
 
 そのとき、びくっと全身が震えた。
 「……っあ゛!?♡」
 
 目が眩むほど強い刺激を与えられて、頭がおかしくなる。
 耐えても耐えても降り注がれる気持ちよさ。
 
 「ん、〜ぅ゛ッッ♡」
 「…俺、優しいか分かんないよ」
 「……それでもいいよ」
 
 この人を好きになったのは、優しいところだけじゃない。
 
 これから先、酷い扱いをされたとしても、きっとこの気持ちは廃れない。
 
 そう思わされるくらいには、僕の心はとっくにジャックされていた。
 
 「ていうか、それ……外してよ」
 「ん?」
 「仮面……」
 「あぁ、これか」
 無意識にそれを付していたのか、ようやく気づいた様子だった。
 
 「いいよ、ちむにだけ特別ね」
 
 ちむが取ってよ、と促されて仮面に手を伸ばす。
 
 初めて、くにおの全顔を目にした。
 
 
 「俺の顔も、好き?」
 「うん……てか、全顔のほうがかっこいい、これから仮面外したら?」
 「仮面まで取っちゃったら俺の怪盗要素なくなっちゃうじゃん」
 
 ……自分でも自覚あったんだ。僕と同じこと考えてて、笑いそうになってしまった。
 
 「でも、素顔はちむにだけ見せたいから」
 「っ……、♡」
 
 “可愛い”とか、”ちむだけ”とか。
 
 そんな魅惑の言葉に振り回される今後の自分の身を案じる。
 
 
 「ちむも警察なら拘束とか好きなの?俺には手錠とか掛けてもいいよ」
 「べつにすきじゃないし、……手錠かけるのはやだ」
 「掛けられる側がいいってこと?」
 「………うん」
 「そうだよね、……って、え……!?ほんとに?」
 「ぅ……やっぱなんでもなぃ、……」
 「そっか、じゃあ…今度掛けてあげるね♡」
 
 数秒前の自分はとんでもないことを口走ってしまったのかもしれない。
 
 「やっぱやさしくない!!」となけなしの体力を振り絞って反抗すると、「でも優しくなくても好きなんだもんね?」と言いくるめられてしまった。
 
 「ぁ゛、やさしくしてってば……っ♡」
 「それは、また今度ね♡」
 
 そう言ったのに後日、本当に拘束プレイに付き合わされたのは、また別のお話。
 
 
 
 
 
 
コメント
5件
えあの、好きです(急 🧡さんの絡んでくる感じ(?)と❤️さんのちゃんと状況を考えて捕まえないの可愛すぎますし(?) お礼として撫でてっていう🧡さんもほんとに可愛いし、ちゃっかり家に連れ込む❤️さんもほんとに好きです なによりrうますぎませんかね 切り方も天才ですし🧡さんの❤️さんの前だけ仮面を外すのも特別感あってすきすぎます、 供給ありがとうございました、!!
あ'''''''ッッッッ(??) え???良すんぎ( 『同じリクもらってて、似た作品になってしまったらすみません』???? 僕の作品よりすげぇじゃねぇぇかッッッッ!🫶🏻︎💕︎︎( 毎度書き方とかなにもかも好こすぎます🫶🏻︎💕︎︎(