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囁かれる言葉と熱っぽい視線があたしを絡めとる。
どうしよう、動けない。
真剣な眼をした蓮司さんは恐ろしく綺麗だった。殴られた跡が痛々しくて目が離せない。
せめて何か言わないと。何か、一言でも。
「――あ、りがとうございます」
蓮司さんがはっと目を見開いた。長いまつげが瞬き、眼差しが熱を帯びる。
あ、やばい。あたし、間違えた。
あたしの頬を包む蓮司さんの指が、位置を確認するみたいに唇を掠めた。思わずピクリと跳ねた体に影が落ちる。
あたしは馬鹿みたいに、近づいてくる形の良い唇を見つめていた。
駄目だ、逃げなきゃ。
でも身体が動かない、時間もない。
どうしよう、誰か。
誰か。
ああ、何で外になんか行っちゃってるんだ、バカバカ、ホント――
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