コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
注意点
・死ネタ
・青桃要素しかない
・性癖詰め込みました
「あの子が散るまで」
あの子は、いつも白い部屋に
閉じ込められていた。
何も無い目をしたあの桃色髪の子供。
初めて会った時は、
怒り、悲しみ、憎悪、邪念。
どんな言葉も合わない、
深く傷ついた目をしていた。
身体もボロボロで、どうしようもない状態。
あの子が生きている限り、
僕はあの子を治療した。
うざったらしい検査も、
桃「い”、…ッ」
青「すぐ終わるで、…大丈夫…」
薬の副作用も
桃「…お”ぇ、…げほっ、、ごほっ、…」
青「……辛いな、…」
リハビリも
桃「はぁ、…はぁ、…ッ」
ガタンッ
青「焦らんくてええよ、ゆっくりな。」
治らない自傷癖も
ガリ、ガリ…
桃「ごめんなさい、…ごめんなさい、…ッ」
青「ないこ、謝らんでええの、
大丈夫、…」
泣いて、苦しんで、
必死にもがいたあの子に
待っていた結末は、
青「…余命…1ヶ月…」
早すぎる 死 だった。
最近、やっと生きようと思ってくれた。
やっと、少し笑うようになった。
これから、これからなのに。
神は、まだ小さい命に、
こんな仕打ちをするのか。
ガラッ
桃「!…せんせ、どしたの?」
光が見えてきたような子供の声。
これから先、もっと光を浴びて欲しかった。
青「…なんでもない、
今日はどの本読んで欲しいんや、?」
この子が生きたいと願うなら、
その思いを支えよう。
それしか、できないから。
ピッ…ピッ…
桃「…ね、…せんせ…」
青「…どした、?」
桃「…おれ、さ、…きいたよ、…」
桃「…一ヶ月、…なん、でしょ…」
桃「…おれ、が…いきられる、の…」
青「……、…」
桃「、…かんごし、さんが…
ろう、かで…はなしてて、さ…」
細く笑う。
桃「…せん、せ…手、だして…?」
青「…はい、どーぞ。」
スッ…ギュッ
桃「…えへへ、…これ、ってさ…
だいすきなひと、…と、
やるん、でしょ…、?」
青「…そう、やな。」
桃「おれも、さ…がっこう、とか…
おまつりとか…いきたかったなぁ…」
桃「…しにたく、…ないよぉ…ッ」
青「……、ッ…」
ピーーーーーーーー……
青「…ごめんな、…ッ」
揺らぐことのない機械音。
息を引き取って、
もうこの世に戻ることはないという
悲しい音。
「死にたくない」と、
気持ちをはっきり伝えられた翌朝に、
天へ旅立った。
神とか、仏とか、
そんなものないだけか、
いたずら好きなだけか。
あの子は、誰よりも幸せになれた。
誰よりも、幸せになっていい存在だった。
これから作っていくという時に、
こんな仕打ちをする。
クソ喰らえ。
こんな世に生まれたあの子に、
どうか最後は笑って見送りたかった。…
けど、な。
そんなに、鋼メンタルじゃなかったな。
真っ白な部屋の中で、
あの子は何を思って暮らしたのだろう。
だんだん冷たくなる手を握りながら、
静かに泣いた。
誰にも見られることはない、
白い、孤独の部屋で。