信じられない。
僕が友達にこんな感情を抱くなんて…
マッシュ・バーンデッド。筋肉とシュークリームをこよなく愛す僕の大切な友達。
友達…と言えるのだろうか?
普通友達に対してこうは思わないのではないか。
“僕だけのものでいて欲しい”
なんて
もちろん気持ち悪いということは重々承知の上だ。自分でもそう思う。なにせ男同士。しかも同室。今まで友達だと思っていたルームメイトが実は自分に好意を向けていたなんて聞いたら流石の山育ちでも不快に思うだろう。
だから、隠しておくんだ。この気持ちは。
伝えてはダメ。人に悟られてもだめ。僕がマッシュくんを好きなのはあくまでも“友達として”であって“恋愛感情”など全くない。周りにはそう思われないといかない。
そう思うと行動がぎこちなくなってしまう。今日だってそうだった。話しかけられると緊張してしまって言葉が詰まる。頭が真っ白になってしまう。
好きという恋愛感情は僕の中で無視できないくらいに膨らんでいるということが分かった。
次の日
「フィンくん」
「どっ、どうしたのっ?? 」
今日もびっくりしてしまう。変だったかな?嫌われちゃったかな?バレちゃったかな?
「ノート落ちてたよ」
マッシュくんの手の中からノートがひょこりと顔を出している。その表紙には「diary」の文字…
やばっっ、中見られてたらっっ…
「フィンくんは僕のこと好きなの?」
嗚呼…ダメだ。神様仏様兄様…先に逝く事をお許しください…
「僕も同じだよ」
え?
「え?」
どういうこと?
「マッシュくん、?僕の言う好きは君の言う好きとは違うんだよ?」
「え?そうなの?てっきりオツキアイしてコイビトになるやつかと思ってた…」
オツキアイ…おつきあい…お付き合い
コイビト…こいびと…恋人
嘘でしょ?
「なんかね、フィンくんを見てると心臓がはやく動くんだ。」
そう言うマッシュくんの頬は珍しく赤く染まっていた。
「…ほんとう、?」
「本当。僕はフィンくんが好きだよ」
夢の中みたいだ。きらきらと何かが光っていて桃色の霧のようなものが薄くかかっている。なんとなく淡い。という表現が合う、ふわふわした感覚
「付き合ってくれる?」
大好きな友達に告白される日が来るとは
「もちろんっ、」
「よろしくね。フィンくん」
これで気持ちを堂々と隠さず生活できる。大好きな恋人のおかげで。
コメント
1件
神様仏様のとこに兄様入ってるの、めっちゃ好きです!w