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【 oty × krs 】
⚠
・≠本誌軸
・TOKOTOKO(西沢さんP)様の『Booo!』パロ
・付き合ってるし同棲もしている
・同性婚○の世界線
・エセ関西弁
・他のCP要素無し
・名前伏せ無し
・誤字脱字見逃してください
「…乙夜、今日何日。」
烏は近くにあるカレンダーに目を向けているはずなのに乙夜に問う。
「え?…んー、15。」
スマホで日付を確認し烏に言った。
「ふーん…。」
自分から聞いたにも関わらず、烏は素っ気ない態度で返事をする。
8月15日。
それは烏の誕生日であった。
今までは忘れとらんかったんに、と烏は心の中で呟く。
「…何、機嫌悪い?」
漸く乙夜はスマホから目を離し、烏に目を向ける。
「いつもと何も変わってへん。」
自分から“今日は誕生日”なんて言うのは気恥ずかしく、烏は逆に乙夜から目を逸らす。
「ならいーや。」
再度視線をスマホに向けてしまう乙夜。
烏はモヤッとするも、自分のプライドが勝ってしまい、何も言えなかった。
こんな気持ちは忘れようと烏は立ち上がり、冷蔵庫を開ける。
「…は?」
烏は絶句した。
自分の褒美として買っていた限定ケーキが無くなっていたのだ。
食べたのは確実に乙夜であろうが、烏は何も言わない。
そういう性格なことを理解しているからである。
だが、それでも少し落ち込んでしまう。
食べられてしまったものは戻ってこないため、烏は仕方なくケーキ屋で一緒に買ったゼリーを取り出す。
机にゼリーを置き、スプーンを取ってから椅子に座った。
蓋を開け、1口、また1口と食べ進める。
すると、
「え、美味しそー。1口頂戴。」
と、乙夜が話しかけてきた。
烏は怪訝な顔をするも、
「…ほんまに1口だけやからな。」
スプーンで掬い、乙夜の口に近づけた。
乙夜はあー、と口を開け口に入れる。
「ん、おいひ。」
飲み込んだ後、乙夜は再度口を開けた。
「1口だけやって言ったやろ。」
「烏のケチ〜〜。」
乙夜は可愛らしく頬を膨らませる。
だが、烏の腕は粟立った。
「約束は約束!!」
ふん、と鼻を鳴らし烏は乙夜を突っぱねる。
「いいじゃん。ちょっと頂戴。」
「何回言わすねん。無理やって。」
乙夜は諦めず言ってきたが、烏が断固拒否しているため諦めた。
ある日。
乙夜と烏は出掛けていた。
何を買おうかと悩んでいる時、乙夜が
「烏、見てみて。」
と、烏の袖を引っ張る。
乙夜の視線の先には赤子をベビーカーに乗せ、幸せそうに見つめる夫婦の姿が。
「結婚……。」
小さな声で呟け乙夜。
「…何、したいん?」
烏は顔を覗き込むようにしながら乙夜に聞く。
「当たり前でしょ。家とか買ってみたいし。それに…」
乙夜の口は止まることなく、ずっと動き続けた。
だが、烏にとって馬の耳に念仏。
好きなことだけをして生きることは悪いことでは無い。
それでも、20歳を越えたのだから、少し真面目に生きて欲しいと烏は思っていたのだ。
「…そぉか。」
烏はそう言うと、乙夜から視線を外した。
そんな日から数ヶ月。
いつもと変わらず2人は過ごしていた。
美味しそうに食べ物を頬張っている烏の元へ、乙夜が近付く。
「烏、それちょーだい。」
乙夜は懲りず、今日もまた烏に強請る。
「ぜーったい嫌や。」
乙夜に目もくれず、烏はただ食べ続けた。
「…じゃあさ、」
と、何かを切り出す乙夜。
烏は首を傾げ、乙夜の方を見る。
「烏、を…ちょっとだけ、俺にくれる?」
緊張した面持ちで乙夜は烏に聞く。
烏は目を見開いて乙夜を見つめる。
「…嘘。ちょっとじゃなくて、全部。」
そう言いながら乙夜はどこからか黒色のリングケースを取り出した。
烏の頭は段々と冷静になり始める。
これはプロポーズだ、と言い聞かせるように。
上手く言葉にできない烏。
返事を振り絞って烏は言う。
「_____やからな!」
スクロールお疲れ様でした。