「ホンッッットにありえない!!!」
そう叫ぶようになるのはもうすぐの事だ。
朝練が終わり、制服に着替えていると1人の友人から『転校生が来る』という噂を聞いた。
そういえば昨日、長谷部先生が言っていたなぁ、と思い出す。長谷部先生とは私の部活の顧問の先生の事だ。確か『明日、2-3に転校生が来る』、『この学校にはいないタイプだ』と言っていた。私は来月にある大会の事で頭がいっぱいだったため、転校生の話はあまり耳にしていなかった。それに、男だったらしいし。
私は制服に着替え終わり、ネクタイを結びながら隣にいた男子生徒、私の幼馴染の《石川 皇雅》に話しかけた。あまりにも教室がうるさすぎたんだ。
「それにしても、教室、なんか騒がしくない?」
と、皇雅に問いかけた。皇雅は
「そー?別に普通じゃね?ってかさ、あーやーちゃーん。生徒会のスローガン何にするか考えた…?俺まだなんだよー!!ちょっと見してー。」
と、私の質問に答えながらも話を逸らしてくる。皇雅は話す時に会話の話題があっちこっちから出てくる。だから大変だ。
「はいはい、ガンバッテー」
と棒読みで、適当に返事をするわたし。前の席の女の子と話していると先生がガラッと扉を開け、教室に入ってきた。先生の後ろには背の高い男子がいる。じーっと見つめると、私とその男子はパチッと目が合った。そして、その男の子は私と目が合うと、ぱあっと顔を明るくさせ、こちらに寄ってきた。
「あ や!!」
こんな風に私の名前を呼ぶもんだからもちろん大パニック。頭の中がハテナでいっぱいでとても今の状況を理解しきれなかった。
「え、あ………は、…?」
状況も理解できないし、何故私の目の前にいるこの男子はこうニコニコしているのか、意味がわからなかった。
「な、な、何!!??誰!?!え、!?!なに!!?」
“何!?”という言葉を連発すると同時に先生が
「お、お前ら知り合いかー?」
と、ニコニコしながらそう言う。どこをどう見たら知り合いと思えるのかまったく意味が分からなかったが、それはもう無視した。即答で
「こ、こんな人知らない!!」
と、答えるが転校生の子は__
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