放課後になり、教室には私一人になった。
教室のドアが急に開いて誰かが入ってきた。
「まなー!」突然声をかけてきたのは幼なじみの伊吹(いぶき)だった。
いぶきは頭が少し悪いが、いつも真剣で明るい性格で、周りに沢山友達がいるような人だった。
「おーい聞いてる?」
「あ、ゴメンなんだっけ?」そういうと不思議そうに私の顔を見つめたあと、おでこに手を当ててきた。「いきなり何するのさ!」驚きと恥ずかしさで混乱していた。「いや、なんか顔赤くない?」なんか心配そうに見ている伊吹に私は
「大丈夫だから!早く帰ろ!」と、机の上のスクールバッグを乱暴取った。なんでか、視界がグラッと揺れた。(あれ?1回座った方がいいかな?)そう思ってたら急に目の前が暗くなった。
(倒れる。やばい。)すると、「まな!」っと、心配そうな声が聞こえて意識が途切れた。