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〜千姫の夢の中(夏油傑離直前)〜
傑「やぁ、、、千姫。」
千姫「傑。
誰にも会いたくなかったっていう顔だね。」
傑「あぁ。そうだね。
、、、、ねぇ、千姫は何を信じて呪術師をしているの?」
千姫「、、、、私がついた嘘。」
傑「嘘、かい?」
千姫「そう。私は毎朝同じ嘘をつくの。
“私が居ることで助かる人が沢山いる”っていう嘘。
私が、前を向いて生きるための嘘。
私の居場所はここで、私が生まれてきた意味は人を助けるため、そう思い込むための。」
傑「、、、私、は、
私はもう騙せないところまで来てしまった。」
千姫「傑もついてたんだ、嘘。」
傑「沢山ついたさ。
でも、でもダメだったんだ。
ちっぽけな夢だと言われるかもしれない。
でもね、今の私が生きている世界の方がよっぽどちっぽけだったんだ。
それに気付いてしまった。」
千姫「息苦しい世界だね。」
傑「あぁ。息もできない程度に。」
千姫「傑。」
傑「なんだい?」
千姫「目を、目を瞑ればいいの。」
傑「目を瞑る?」
千姫「そう。
目を瞑って遠くに、遠くに逃げるの。
そうして目を開ければ、もう日が昇っている。
そうしたら、少しは楽になる。」
傑「そう、だね。
さぁ、もう帰ろう。手を繋ごうか。」
千姫「うん!」
千姫「夢、か、、、、
高専の制服を着る傑をあと1日でみなくなった。
教祖の服。
よりによって五条袈裟なんて、バカげてる。
傑は傑でしょ。
悟になんてならなくていい。
手を握ったのもこの日が最後。
傑との思い出はこの日で止まっていた。
ずっと子供のままじゃいられない。
私に従え、なんて物騒。
「生き方は決めた。
私の本音は猿を殺すことだ。
もう、猿はいらない。
私が千姫に干渉することも、
千姫が私に干渉することも、もう無い。」
なんて言って、傑は私の前から姿を消して。
残穢を残して、帷を上げて。
見上げた空は、明るいですか?
なんてね。
あぁ、今日は12月24日か。
まったく。
クリスマスが台無しだ。」
プルルルル、プルルルル。
千姫「はーい。
悟、どうしたの?
はぁ!?何で!?
私は呪術師よ!呪詛師を逃すほど甘くない!
悟個人の理由って、、、、
はぁ!?説得ぅ!?
そんなこと出来るわけないでしょ、、、、!
分かった、わよ。
うん。じゃあ、高専に夜10時。」
〜高専夜10時〜
千姫「悟、、、、。
傑の説得は?
そう。後からくるの。
じゃあグラス3つでいいね。
乾杯。」
悟「〜〜〜〜。」
千姫「〜〜〜〜〜〜?」
悟「〜〜〜。」
千姫「〜〜〜〜!」
悟「〜〜〜w」
千姫「〜〜。」
悟「〜〜〜!」
千姫「あ、もう少しで日が昇るね。」
悟「、、、、確かに。
傑、遅いな。
つか眠い💤。」
千姫「寝ないでね。
じゃあ、そろそろ。
献杯。」
悟「う〜ん。
献ぱ、、、、は?
え??なんで?
知ってたの?」
千姫「うん。
傑、何て?」
悟「非呪術師(猿)は嫌い。
でも高専の連中まで憎んでたわけじゃない。
ただこの世界では、千姫の隣以外で心の底から笑えなかった。って。」
千姫「そう。
私、呪術師やめる。」
悟「でも千姫は」
千姫「私もこの世界では心の底から笑えない。
傑の隣以外では。
それに、もう、嘘をつくのは疲れたの。
これが私の本音。ごめんね。」
悟「もう此処には来ないつもり?」
千姫「うん。」
悟「硝子が怒るよ。」
千姫「ごめんって言っておいて。
じゃあ、さようなら。」
悟「行っちゃったね。」
硝子「あぁ。千姫はそれを本音に選んだんだろ。」
悟「寂しくなるね。」
硝子「あぁ。」
千姫「傑。
夜が明けたよ。もうすぐ日が昇る。
目を、開けて。」
ーendー