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rbru|ドールバース
👻「ドール」プレイが昔遊んでいたおもちゃが生まれ変わった人間。元・人形
🐙「プレイ」人形を扱っていた人
そのおもちゃに対し執着心を持っているが 人間になった人形との記憶は無くしている
2人が結ばれるとドールの身体が崩壊する。 ただしプレイが過去の記憶を取り戻した場合のみ元に戻す事が可能
このお2人に似合うと感じたのでシリーズで書いていこうかなと思います。 素敵なバースなので調べてみてください✦.*
※初心者 ※ご本人様には関係ありません
その人形は棚の1番上に置かれていた。
柔らかな布でできた身体、 白と黒の糸で縫われた簡素な服。 少し擦り切れた耳と何度も撫でられた痕跡の残る頭。
星導晶は毎朝その人形に挨拶をする事から一日が始まる。
「おはよう、ぴょん」
人形は答えない。当然だ声を出す機能など備わっていない。
それでも必ずそう声をかけた。
家に居る時も、外へ出るときも、眠るときでさえぴょんは常に晶の視界にあった。
——まるで、失えば壊れてしまうかのよう
「昨日の夜はね星が綺麗だったの」
誰もいない部屋でぴょんに語りかける。その声は静かでどこか慎重だった。
「……君に見せられ無かったんだ」
そう言って人形を胸元へ引き寄せる少し強すぎるほどの力で。ぴょんの布の身体がぎしりと軋んだ。
「ごめん」
すぐに力を緩め小さく息を吐く。
壊してしまうことを心の底から恐れている顔だった。
晶は他の人形には触れなかった。
誰かが部屋に入るのも嫌がった。
「これは、僕のだから」
そう言い切る声には迷いがなかった。
執着
依存
嫉妬
その言葉を表したかのような行動だった。 常にぴょんと一緒じゃないと正常な呼吸が出来ない気がしたから。
夜になると必ず同じことをする。
ぴょんを丁寧に布で包み抱えたまま横になる。人形の冷たい感触が次第に体温を帯びていくのを感じながら。
「……君だけは置いていかない」
誰かに言うでもなく、囁く。
「僕以外触らせない」
人形の無表情な顔を見つめ彼は微笑む。
その笑みはどこか危うく散ってしまいそうな。
——もしこの人形が、声を持っていたなら
——もしこの人形が、心を持っていたなら
きっと一生を捧げる程心から愛すだろう。
けれどこの頃の彼は知らない、愛する事が壊す事と等しい世界が存在することを。
ぴょんは今日も静かに抱きしめられている。
“それが全ての始まり”
星導晶は宇宙が好きだった。
理由を聞くといつも曖昧に笑っていたが本当はそこにしか“救い”がなかったから。
重力も、言葉も、他人の視線もすべてが遠くなってただ存在することだけが許される。
「……綺麗だね」
その日もぴょんを腕に抱いて空を見ていた。
「僕さ、ここが一番落ち着くんだ」
星の光がぴょんのガラスの瞳に映るその反射を彼は愛おしそうに見つめた。
「……君にも見せたかった」
その言葉は何気なく吐いた言葉。
ただ、大切なものに大切な世界を重ねたかっただけ。
彼は一線を越えた、超えてしまった。人が踏み込んではいけない宇宙との境界、星と人を隔てる見えない壁。
ぴょんを抱いたまま光の中へ足を踏み入れる。
——その瞬間だった
視界が、反転した
音が歪み時間が引き延ばされる。
頭の奥に何かが“流れ込んでくる”感覚。
「……っ」
思考が剥がされていく。
名前
場所
過去
大切にしていたはずの記憶が星に触れた端から溶けていく。
——違う
溶けているのではない。
飲み込まれている。
「きれいだ…ね…ぴょ……」
呼ぼうとして、呼べなかった。
名前が出てこない。
腕の中の重さだけがやけに現実的でそれが何かすらもう分からなくなっていた。
星は、優しかった。
痛みはない
苦しみもない
ただ静かに奪っていく。
「……あ」
最後に残ったのは
“好きだった”という感覚だけ。
誰を、何を、どれほど——
何一つ思い出せないまま。
光が弾けた。
気着いた時には地面に突っ伏し倒れていた。腕の中は空っぽで何か違和感があるけど何も思い出せない。
ただ胸の奥に説明のつかない空洞だけが残っていた。
——その日から
星導晶は“星導ショウ”になった。
理由も分からないまま何かを失った感覚だけを抱えて。
——そして遠い場所で
人形だった“ぴょん”は人間として目を覚ます。記憶を残したまま。
星を仰ぎ囁く
「……星導」
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