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映画『感情がない君へ』——
板垣李光人と天羽爽亜のW主演。
長い撮影期間。
感情を削るような役と向き合い続けてきた爽亜にとって、その日は特別な終わりだった。
「——カット!OKです!」
監督の声と同時に、拍手が広がる。
「お疲れ様でした!」
花束を受け取って、少しだけ笑う。
板垣李光人が隣で、
「ほんとに、お疲れ」
と静かに言う。
「ありがとう」
そう返した瞬間、全部が終わった実感が一気に押し寄せる。
涙が出そうになるのを、ぎりぎりで堪える。
一度外に出て、空気を吸う。
夕方の冷たい風。
「終わったんだ…」
小さく呟いた、その時。
「お疲れ様でーす!」
聞き慣れた声。
振り返ると——
そこにいたのは、SixTONESのメンバー。
ジェシー、樹、北斗、慎太郎、大我、優吾
一瞬、思考が止まる。
「え…?」
さらにその隣で、全員がどこか得意げな顔をしている。
ジェシーが笑いながら、
「サプライズ成功〜!」
樹が肩をすくめて、
「クランクアップって聞いたから」
北斗は落ち着いた声で、
「ちゃんと終わり見届けようと思って」
慎太郎は完全に嬉しそうに、
「来ちゃった!」
そして——
高地が、いつもの優しい笑顔で一歩前に出る。
「お疲れ様、爽亜」
その声を聞いた瞬間、
張ってたものが一気に崩れた。
「…なにそれ」
笑おうとしてるのに、声が震える。
「聞いてないんだけど」
「だからサプライズだって」と樹。
爽亜は顔を隠して、
「…無理、今」
完全に涙声。
慎太郎が少し慌てて、
「え、泣くやつ?」
ジェシーが笑いながら、
「そりゃ泣くでしょ、こんだけ頑張ってたら」
北斗が静かに言う。
「よくやったじゃん」
その横で、
高地が少しだけ近づいて、優しく言う。
「ちゃんと終わらせたね」
その一言が、一番深く刺さる。
ぽろっと涙が落ちる。
「…終わった」
やっと絞り出した言葉。
大我が静かに頷く。
「終わったね」
少しだけ間があって、
樹がいつもの調子で言う。
「で?」
「え?」
「ここから、戻ってくんでしょ?」
その言葉に、迷いはなかった。
爽亜はしっかり顔を上げる。
「うん」
「戻る」
はっきり言い切る。
ジェシーが大きく手を広げる。
「おかえり〜!」
慎太郎もすぐ乗る。
「やっと7人揃うじゃん!」
北斗が少しだけ笑って、
「やっぱこの形だよね」
大我が静かに、
「待ってたから」
そして最後に——
高地が優しく言う。
「おかえり、爽亜」
その一言で、全部が繋がる。
爽亜は涙を拭きながら笑う。
「…ただいま」
その瞬間、
7人のSixTONESが、やっと揃った。