くらべられっ子のお話

私は生まれつき左目が見えなかった

双子の大っ嫌いなにゃぽんにゃぽん（あいつ）も右目が見えなかった

お揃いなんてクソだ

私は頭が悪かった

あいつはいつも高得点だった

A「にゃぽんくんすごいね！」

B「でもさぁなんだっけ？双子の〜…日本ってやつは頭悪いよね〜w」

C「聞こえるから言っちゃダメだってw」

にゃぽん「…ははは……」

あいつが心配の目を送ってきたけどそんなん知るか

陰口には慣れてる

頭が悪いのを理由にいじめられた

ばちんっ

中国「にゃぽんはできてるアル。なんでお前はできないアル？」

「……ごめんなさい」

中国さんにも見捨てられた

高校に上がった

クラスに馴染めなくって

高校でもテストの点は平均以下だった

このままじゃまずいのは分かっている

寝る間も惜しんで勉強した

それなのに

先生「…日本、28点」

「……」

まだ、平均以下だった

どこかの誰かに「笑っている君が好き」と言われた記憶がある

声も、顔も覚えていないけれど

確か……顔の左っ側に……日の丸があったような気がする

けど、なんか……今より太陽っぽいみたいな……

……でも、その人が笑顔が好きというのなら

少し、笑ってみることにした

どんな事があっても笑っていれば大丈夫

きっといつか報われる

そう信じてきたのに

知らん人A「いつもニコニコ笑っててほんと気持ち悪いよね」

知らん人B「だよねー」

なんで？

なんでまた陰口を言われているの？

疲れた

笑う事も

息を吸う事も

生きる事も

死ぬ事も

何もかも面倒くさい

食べるのも

…動くのも

久しぶりに、屋上にでも行こう

私、頑張ったから

分かってくれない人達が悪いよね？

無駄に晴れている空

日差しが痛いくらい

…あーあ

俺も、気楽に生きたかったな。

ぐしゃっ