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**第5話: 新しい名前、新しい挑戦**
智也と啓太は、武器屋の店主にようやくお金を返すことができた。店主は再び受け取ることを躊躇していたが、二人の強い意志に押されて最終的に納得した。
「それでも、これからの君たちの旅が順調であることを祈っているよ。何か困ったことがあれば、いつでも立ち寄ってくれ。」店主は二人に親切な言葉をかけた。
「ありがとうございます。本当にお世話になりました!」智也と啓太は深く頭を下げ、店を後にした。
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町を出た二人は、次なる目的地であるフィアーネの中央都市へと向かった。この世界の情報を集め、さらに強くなるためには、より大きな都市での経験が必要だと感じていた。
道中、二人は異世界での自分たちの名前について考え始めた。
「ねぇ、啓太。ちょっと気づいたんだけど、俺たちの名前ってこの世界じゃ変じゃないか?」智也が言った。
「確かに。日本の名前のままだと、周りの人たちと違いすぎて浮いてるかも…」啓太も同意した。
「このままじゃギルドとかでも目立ちすぎるかもしれないし、新しい名前を考えた方がいいかもな。」
二人はしばらく考えた末、新しい名前を決めることにした。智也は「トーマス(Thomas)」、啓太は「ケイン(Cain)」と名乗ることにした。
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フィアーネの中央都市に到着すると、その規模と活気に二人は驚かされた。通りには様々な種族の人々が行き交い、賑やかな商店や市場が並んでいた。ここでなら、より多くの情報を手に入れることができると感じた。
「まずは、ギルドに新しい名前で登録し直そうか。」トーマス(智也)が提案した。
二人はギルドに向かい、受付で手続きを行った。フィアーネのギルドは前に訪れた町のギルドよりも遥かに大きく、設備も整っていた。
「こちらが新しいギルドカードです。トーマスさん、ケインさん、今後ともよろしくお願いします。」受付の女性が微笑みながら言った。
「よろしくお願いします!」二人は新しいギルドカードを受け取り、気持ちを新たにした。
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「さて、新しい名前も登録したし、次はクエストだな。」ケイン(啓太)が言うと、トーマスも頷いた。
「少しずつ経験を積んできたし、今回はもう少し難しいクエストを選んでみようか。」
二人はギルドの掲示板を見て、少し難易度の高いクエストを探した。最終的に「近隣の山岳地帯に出没する狼の群れを討伐する」というクエストを選んだ。これは前回のZ級クエストよりも難易度が上がるが、今の二人なら挑戦できるはずだ。
「狼か…少し手強そうだけど、前世のテニスの経験を活かせば大丈夫だろう。」トーマスが言った。
「うん、まずは装備を確認して準備万端で臨もう。」ケインも意気込んだ。
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二人は必要な準備を整え、山岳地帯へと向かった。クエストの内容からして、今回は前回のように簡単にはいかないだろう。だが、それだけにやりがいを感じていた。
「よし、ここからが本番だ。慎重にいこう。」トーマスが言うと、ケインも深く頷いた。
山岳地帯に足を踏み入れた二人は、険しい地形に苦戦しながらも進んでいった。やがて、狼の群れがいるとされる場所に到着した。遠くから聞こえる獣のうなり声が、彼らを待ち受ける戦いの厳しさを物語っていた。
「いよいよだな、トーマス。」ケインが剣を握りしめて言った。
「うん。俺たちの力を試すときだ。」トーマスも同じく剣を抜き、戦闘態勢を整えた。
二人は前世のテニスで培ったスピードと反射神経を活かし、この新たな試練に立ち向かう決意を胸に抱いていた。彼らの異世界での冒険は、これからもますます激しいものになっていくだろう。