⚠️蘭竜
⚠️死ネタ
⚠️私なりの彼らの性格の解釈です
⚠️天竺軸のツモリ
上記が大丈夫な方のみゴー‼️👇
その日はいつもの様に抗争をしていた。
抗争というほどの抗争でもない、俺と竜胆の2人対品川の族の喧嘩だった。
俺らが歩いていたら俺の部下が品川の族のやつとぶつかったとかなんとかで、俺らまで因縁を付けられる羽目になったのだった。
当然俺らが負けるわけが無い。
竜胆の関節技で関節の外れる音が公園に響く。
俺の警棒と敵の頭がぶつかる甲高い音が公園に響く。
竜胆「俺らの敵じゃねーわ、お前ら」
蘭「ハハ、かわいそ」
竜胆が相手を煽り、俺が同調する。
いつもの事だ。
竜胆「!」
竜胆の顔目掛けて敵の拳が繰り出される。
…ゴン、
竜胆「兄貴」
蘭「どこ見てんだよ」
相手はすぐに崩れ落ちた。竜胆の可愛い顔を殴っていいのは俺だけなのに、そういうことするからこうなるんだ、と思いながら倒れている頭の後頭部をぐりぐり踏みつけた。
蘭「…ばかだなあ、どいつもこいつも」
必死になって戦っている相手のモブの後頭部を殴っていく。
ちょっと楽しい、リズミカルに殴ってみる。
ゴン、…ゴンゴン、…
竜胆「なにやってんの兄ちゃ」
蘭「お?」
竜胆「…兄貴。まじめにやれ」
やたらと真剣な竜胆の顔に笑いが込上げる。さっき俺らの敵じゃねーとか言ってたのに、そんな相手にまじめにやる必要はあるのか?
天竺の特服が首元を擦る。
前はこんな窮屈じゃなかったのに、いつから…
9割がた倒した、地面を見れば人、人、人。
情けねえ。こんな敗者にはなりたくねー。
竜胆「ちょっと兄貴!汚いからそいつの血触んないで!」
蘭「えー」
鮮やかな色、我らが王が着ている特攻服の色に似ている。
別に嫌じゃない、イザナといるのは楽しい。横浜なんて人が多くて滅多に行かないし、その機会が出来るのは楽しくていい。
自分が1番ではないというのを刻み込まれるのが嫌で、誰かの配下にいるのだと自覚したくなくてこの服の色は反抗心を滲ませた色にしている。
黒は血も目立たない。
ボキッ、…バキッ
骨の折れる音、関節の外れる音。竜胆が一生懸命やってるんだろう。
竜胆「兄貴!いつまでも死体いじってないで、」
蘭「はーい♡」
手頃なやつから殴り倒していく。ゴンゴンと警棒を伝ってくるこの感覚が好きだ。
さすがに余裕だった、だから視界の端で黒色の特攻服が倒れたのを見ても最初は分からなかった。
竜胆「ぁ、」
呻く声が竜胆の声だと気づくまで数秒を要した。俺らがやられるわけないって、思っていた。その先入観が邪魔をしやがった。
竜胆「に、いちゃ、」
蘭「え」
敵の大将の右手になにか光るもの、倒れている竜胆。
その光るものがナイフだと気づいた瞬間、全身が怒りで沸騰した、気がした。
俺の竜胆を。
敵の頭「は、はは…やってやった」
竜胆が倒れている所を中心に血が広がっていく。
さっき見た赤い、鮮やかな血がじわじわ地面に染み込んでいた。
でもこの血は、あんなモブとはちがう。
俺の竜胆の、血。
敵の頭「どんなに強くたってなっ、所詮は人間なんだよ!」
頭に血が上る。
敵の頭「刺されりゃ、1発なんだよなあ!はははは!」
何がおかしい、何を笑ってやがる。
蘭「…俺の竜胆を」
ガギンッ、
敵の頭「あ゛、?」
倒れ込んだそいつをみても怒りは収まらない。竜胆の呼吸がかヒューかヒューと奇妙な音になっていくのを聞いた瞬間、何かが崩壊した。
…グシャッ…グチャ、…ゴンッ、……
蘭「死ねよ」
倒れているそいつの頭に向けて何度も拳を振り下ろす。かつての灰狂戦争の時のように。
確実に死ぬように、殺せるように。
蘭「死ねよ、」
グシャグシャになっている顔だったものはただ血なまぐさかった。汚らしかった。
竜胆「にい、ちゃ、…っ、げほっ」
綺麗な血が竜胆の口から吐き出される。薄い呼吸を繰り返す竜胆の閉じかけた瞼の中の瞳と目が合った。
そうだ、こんなやつに構ってる暇があったら…
俺は竜胆の方に駆け寄る。死にそうな人間に生きて欲しいと願ったのは初めてだった。
竜胆「にい、ちゃ、ん」
蘭「…なあに、竜胆?」
できる限り平静を装う。そうじゃないと泣いてしまいそうだった。感情的になるとろくな事がない。
竜胆「タト、ゥ…っげほっ、の、」
蘭「なんだよ、タトゥーの話?今するー?」
にこにこと笑った顔を作る、竜胆の方を向いた。
竜胆「げほっ、げほ…カヒュッ」
肺に血が入るゴロゴロとした音がした。想像を絶する痛みだと聞いたことがある。
レンズ越しの竜胆の綺麗な目は僅かに瞼が落ちている。表面に膜を張っていた。
蘭「いいよ、無理に話すなよ」
竜胆「俺、死ぬ、?」
子供の頃の竜胆のような純粋な曇りの無い眼で、縋るような声でつぶやくのが聞こえた。
蘭「俺より若いくせに」
竜胆「にい、っ…あ゛っ、」
蘭「俺より先に死なせると思ってんの」
怒り、憎悪、嘆き、悲しみ、絶望、色んな負の感情が入り交じって声色となってはっきり現れた。
竜胆「せめっ、て…げほっ、」
蘭「うん、せめて?」
背中に手を回して上半身を起こした。
俺は近眼だから顔は近い方がいい。
竜胆「すき、」
蘭「知ってる」
竜胆の発言に目を細めて笑う。即答すると竜胆は肩頬を上げて笑った。
唇が重なる。
幾度したか分からないキスはこれが最後になる。もう二度と唇あったけーとか、やわらけーとか言えなくなる。
死んじゃだめだ、竜胆。
俺の竜胆なんだから。
俺の許可無しに死ぬな。
バカ。
ああ、あんなやつの顔を潰してる暇があったら
竜胆ともっと話すんだった。
バカは俺だ。
ごめんな守れなくて。
いつも絡まる舌は竜胆からのことが多い。
もう竜胆は俺のキスに反応しなかった。
淀んだ目をみて悟った。
死んでも好きだよ、竜胆。
数日後。俺の体は半身だけじゃない、全身タトゥーまみれになった。
右半身に刻まれた竜胆の花は、きっと朽ちることなく生き続けるんだろう。
おわり‼️
コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!