青空が広がる学校の屋上で、僕の目の前には笑顔の君が居た。
笑ってるけど苦しそう。泣きそうな笑顔。僕は何度、君の苦しそうな笑顔を見てきただろうか。
見ていたら僕も苦しくなってくる。どうしたら君を救えるの?どうしたらそんな笑顔を見ずに済むの?
僕が引き止めたって、君はどうせ振り払って同じことをするだろう。どうして?どうして…そんな笑顔を僕に向けるの?誤魔化し切れてない笑顔を見てると痛々しい。そんな事を考えてると君が口を開く。
「優くん、君にとって一番の救いってなんだと思う?」
救い…僕にとっての救い…は…
「ボクは死ぬこと。それ以外おもいうかばなくなっちゃった」
何回考えただろうか、この質問の答えを。何度考えても君の笑顔が一番の救いだとしか思えない。表情が豊かで僕に沢山話しかけてくれて。そんな君の今の笑顔を見てると本当に胸が痛む
考え事をしていたらいつの間にか君はフェンスの上に登って、僕を見下ろした。風で君の綺麗な白い髪の毛とスカートが揺れる。
僕は今から君がしようとしていることが一瞬で分かった。何度も同じ光景を見たから。
僕の背よりも少し高いくらいのフェンスだったから僕は背伸びをして、細くて白い君の手を掴んだ
「まだ…引き止めてくれるんだね…」
当たり前だ。大切な人には死んで欲しくなんかない。
また君が口を開く
「でもね、引き止めないことの方が優しい時もあるんだよ。優くん。」
そう言って君は無理に僕の手を振り払って、後ろに倒れた。君は真っ逆さまに落ちて行った。スカートが舞って、どんどん4階から3階と落ちていく僕はそんな君を見ているしか出来なかった。
ゴシャッ
地面に人体がぶつかる鈍い音がして。僕はハッとした。
急いで君の所に走った。階段を降りて、桜の木が生えてる裏門の方に行くと、君が倒れてた。
君の頭から流れた血が白い髪を、着ていた水色のカーディガンを真っ赤に染めていた。
僕はまた絶望した。何回やり直しても君が死んでいく。同じところからしかやり直せない。
「ああ…また…『リセット』だ…」
僕がそう言った瞬間目の前が暗転した。
僕が目を開けるとまた学校の屋上。そして
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