テラーノベル
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……そんなこんなで城の空き部屋にやってきた
ドラーク「ここはあの鏡がいないからマシだと思うぞ」
クォーター「ぷっ……魔王様、ローザネラにベタ惚れっすね~」
ドラーク「戯れ言を吐くな」
(一方私はそんな会話は聞こえていなかった)
わ、わぁ~…
ザ、異世界なお城だぁ~……
で、でも……こんなとこほんとに私が?
クォーター「ローザネラ、魔王様、ここの空き部屋、さっき移動までの間に掃除入れてたんすよ?」
「え、それだと早すぎませんか……?」
クォーター「簡単な話っす、元からお前をこの部屋に入れる気満々だったの、ソレの言い訳にちょうどお前があの鏡を復活させたから都合が良かったって訳」
え、何ソレ魔王なのに人間に優しくしてどうすんの……?
「え、ありがとうございます……」
ドラーク「クォーター、黙れ」
クォーター「っていうか、スピード重視したいからって……ウチのフィアテルをこき使わないでくださいよ」
ドラーク「風の魔法の使い手が都合が良かったからだ」
……??
「えと……フィアテルさん……?……様……?とは……?」
クォーター「俺の妹で風魔法の使い手、四天王の1人」
「四天王……他の3人は……」
クォーター「えーと、俺と、妹のクアルト、兄のクヴァルト」
「そ、そうなんですね……」
ドラーク「僕はクヴァルトが嫌いだ……」
クォーター「俺も兄貴は苦手っす」
クヴァルト「呼んだかい?」
ドラーク「!?」
クォーター「うおっ!?」
「ぴゃっ!?」
変な声でた……
恥ずかしい……
ってか誰……
クヴァルト「クヴァルトお兄さんだよ~」
歌のお兄さんだよ~のノリ……!?
クヴァルト「わぁ~!!可愛い女の子が居るーっ!!…えー?何この子人間だよね、あ、もしかして言ってた聖女!?…僕の番にしていいの~!?」
ドラーク「聖女……番にしていいわけがあるか……!!」
じ、情報量が終わってる……
情報量が……多すぎ
クヴァルト「あ、ねえねえ君の名前は~?」
「え、えと……ローザネラ……です」
クォーター「魔王様が名付けたんす」
(その瞬間、ヘラヘラとしていたクヴァルトが真顔になって魔王から距離を取る)
クヴァルト「え、趣味悪~……僕だったらそんなのにはしなーい」
また趣味悪って……ほんとにどういう意味なのよ!?
「意味が分からないです……」
クヴァルト「え~っ!?……ローザネラの意味はね~、黒薔薇っ……もご!」
猫下僕
47
璃空
3,202
1,109
#NL
(クォーターに口を塞がれる)
クォーター「要らないことは話さなくていいっすよ」
黒薔薇……?
ドラーク「……今回だけはお前に感謝している、クォーター」
クォーター「やだな魔王様、いつもでしょう?」
ドラーク「冗談だろう?」
黒薔薇……黒薔薇の何が趣味が悪いの?
綺麗だし……
「あの……黒薔薇がなぜ趣味が悪いんですか?」
(バッとクヴァルトが手を振り払う)
クヴァルト「それはね!花言葉が……うぐっ!?」
(今度はドラークに魔法で口を封じられている)
花言葉……?
クォーター「ほんっとに兄貴は……気に入った女の子の質問には何でも答えちゃうんだからっ!!」
ドラーク「騒々しい」
黒薔薇の花言葉……
「永遠の愛」……「決して滅びることのない愛」……
「あなたはあくまで私の物」……
え?
えっえっえ?
知ってはいけないことを知った気がする
クォーター「……ローザネラ、その顔は分かっちゃった見たいですね~……」
いやいやいや!?
……やばすぎ
だから皆引いてたんだ……
「黒薔薇の花言葉の意味がこもってるんですか…?」
ドラーク「僕の物になったからな」
そっちの意味か……
だとしてもどうなのさ……
クヴァルト「魔王が嫌になったら僕んとこきてもいーよ~?」
クォーター「まじやめてくださいって兄貴!」
「どちらにせよ嫌ですけど……」
どうしたらいいのこの空気
私の本当の名前……って
たしか……
あれ……私の名前ってなんだっけ
分からないや
(その瞬間、廊下を誰かが走ってくる足音がし、1人の兵士が入ってくる)
伝令兵「伝令!魔王様!……勇者が聖女を救出しにきた模様です!」
え
勇者が……?
ドラーク「ちっ……面倒だな、今来られるのか」
クォーター「俺行きますか?」
ドラーク「……クヴァルト、お前が行け」
クヴァルト「いいけど……勇者ちゃんはどうなっちゃってもいいのかな?」
ドラーク「決して遊ぶな、殺すな、捕まえてこちらに連れてこい」
クヴァルト「善処はするよ、なるべくね」
なんか目の前で凄く不穏な会話をされた気がする
それにしても勇者……
私の本来の名前を知っているかもしれない
でも……会いたくはないかも
言ってた話では「私」に酷い扱いをしていたみたいだし
クォーター「あいつに任せちゃって良かったんすか?」
ドラーク「あいつは快楽主義で言うことはなかなか聞かない一面もあるが……このような真剣な主命は絶対だからな」
クォーター「俺もそうっすよ?」
ドラーク「だから冗談を言うな」
あ、勇者の名前って……なんだろう
それを知らないとダメな気がする……
勇者の名前……ほんっとうに何も思い出せないや
自分が死んだ理由さえも
コメント
1件
黒薔薇の花言葉、衝撃的でした…!「あなたはあくまで私の物」って名前の中にそんな意味が込められてたんですね。魔王様の執着と優しさのギャップがたまらないし、クヴァルトお兄さんのキャラも強烈で笑ってしまいました。勇者登場で次どうなるのか気になりすぎます。記憶喪失も含めて、伏線の張り方が丁寧で読みごたえがありました!