エリスと付き合い始めて半年以上経った。それなのに、たまに家に来ては飲んだり、高校生がするようなデートをしたり、誕生日にはプレゼントをあげたり…そんなものばかり。
そういう雰囲気になっても、鈍感なあいつは気付かずに寝る。一緒に寝たことはよくあっても、セックスしたことは一度もなかった。ましてやキスだってしたことがない。何度もしようと言ったが、その度に赤面されながらあしらわれた。
ここまで焦らされるともはや怒りが勝つ。今日こそはヤらせてくれない理由を聞き出したい。
エリスの両手を押さえつけ、壁とオレの間に閉じ込めると、こいつはぽかんとオレを見上げる。
「ヒスイ?」
困惑が混ざった声で話しかけてくるところもそそる。一回キスしてやろうと顔を近づけると、恥ずかしそうに顔を逸らされた。ムカつく。
「なあ教えてくれよ。」
「…何を?」
「なんでセックスどころかキスすらさせてくれねえの。」
エリスの顔が更に赤くなる。それは…と口ごもって、なかなか先に進まない。答えろよ、と語調を強めると、エリスは少しの沈黙の後ようやく答えた。
「だって…キスしたら子供できるだろ…」
は?と声が出た。
ガキかよ。なんなんだ。お前はもう大学生だろうが。
「でもでも、頬になら出来るぞ!そっちにキスしようか?」
アホくさ。もしかしてこいつやましい事何も知らずに生きてきたんじゃねえの?じゃあセックスすら知らねえのか。
「ヒスイ…?顔が怖いぞ…」
オレはコイツを担いで寝室に連行した。不安そうにオレの名前を何度も呼ぶエリスの声が鬱陶しい。さっさと喘ぎ声に変わらねえか、なんて考えながら、エリスをベッドの上に下ろす。
子犬みたいに震えるエリスは最早可愛かった。これから色々教えてやらねえとな。と考えているその時のオレは玄関が開いた音に気づかなかった。
「おいやめろ!ヒスイ!何してんだ!」
服を脱がそうとすると必死に抵抗してきた。イライラして手つきが多少乱暴になってきたころ、エリスがはっと目を見開いた。視線はオレの後ろを見ていた。
「兄貴…」
何が起こったんだ?
今度はオレが床に倒れている。顔が酷く痛むし耳鳴りもする。視界がぐわんぐわん揺れる。どうにか目を動かして辺りを見ると、エリスの兄が怒り狂ったようにオレを見下ろしていた。その後ろでエリスが怯えている。遠くの床に折れた歯が一本落ちているの見えた。マジかよ。
起き上がろうとしても体に力が入らない。そうこうしているうちに大男はエリスを連れてオレの家を出て行った。
ようやく起き上がれた頃に洗面所に行って鏡を見ると、頬が腫れていた。前歯も一本欠けていた。殴られたんだ。
どうしようもない怒りと恐怖があった。
翌日、エリスからメールがあった。
[別れよう]
コメント
6件
ああああああああああああ!?!?!? ヒスイくんむりやりしようとして兄貴殴られたのにむりやりしようとしたのに罪悪感持ってないのすき あそれとヒスイくんの折れた歯を私は持ち帰って家宝にします。一生大切にするからね! ほっぺにちゅー!!!!!エリスくん純粋すぎる大好きやばいよああ うっ…ヒスイくん乱暴にエリスの服脱がしてるのやだ好き… 地獄への直行便用意されてるらしいのでちょっと行ってきます!!!
へへへへへへへへへへへへへへへへへ エリスくんぴゅあぴゅあでかわあああ!!!!!! プルートの兄貴ぃぃ!!!!!!弟の危険を察知したのかな?? ヒスイくん私と結婚を前提に付き合おう このまま兄貴来なくても良かったかm(