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「BLゲームの隠し攻略キャラに転生したら、全然隠れられなかった件について。」
注意事項
BL
主人公受け
おにショタ要素
誤字脱字
文章力がない
第1話「彼女に振られたと思ったら、死んで転生していた件について。」
『ごめん、別れて』
仕事からの帰り道、突然送られてきたメッセージを見て酷く落ち込んだ。
今しがた別れを告げられた彼女とは、交際を始めてから5年が経っていた。中学の卒業式、俺から告白をしたときの情景や彼女の顔は今でも鮮明に思い出せる。前はよく遊園地などでデートをしたものだが、社会人になってからというもの仕事が忙しくなり、段々と会える時間は減っていた。
「…そりゃ、そうか。」
呟いて、ふと空を見上げると星がきらきらと輝いていた。
流れ星が1つ、2つ、3つ。そうか、今日は流星群が見られるとニュースで言っていた気がする。
それにしても、星がやけに大きく感じるのは気のせいだろうか。ああ、若干目が潤んでしまっているせいかもしれない…
でも…いや、違うこれは、星が!!
目が覚めた瞬間、まだ開ききっていないまぶたの隙間から眩しい光が入り込み、ズキズキとした痛みを感じた。
ここはどこだろう、病院だろうか。
まだ重い体を上半身だけ起こし、部屋全体を見回してみる。白を基調としたシンプルな部屋だが、花瓶や棚などの必要最低限に揃えられた家具からは、なんとも言い難い上品さを感じる。
病院というより、お屋敷の一室のようだ。
自分の置かれている状況が上手く理解できずにいると、扉のほうからノックが3回、規則正しく鳴らされる。
「失礼いたします。」
開かれた扉から姿を現したのは、ロング丈のメイド服を着た女性だった。
…メイド服?メイド服を制服として採用している病院なんて日本に存在するのか?
いやないだろ。
病院ではないとなると本当にお屋敷なのか?ならばこのメイド服の女性にも納得がいく。
…いや、だとするとなんで俺がお屋敷のベッドで寝ているんだ。意味がわからない。
自分の置かれている状況が、メイド服の女性の登場によってさらに分からなくなっていく。1人悶々と悩んでいるといきなり悲鳴が聞こえ、驚き顔を上げる。
「坊っちゃんが、お目覚めになられた…!」
弾かれたようにどこかへ走り去って行ってしまったメイド服の女性…
今なんと言った?
「…坊ちゃん?」
思わず呟いた声に、違和感を感じた。
「あ。」
確認のために発した声は、やはり自分の声とは思えないほど高く、幼かった。
何が起こっているのか、完全に理解できなくなってしまった。
…そうだ、昨日は何をしていたのか思い出してみよう。なぜ気づかなかったのだろうか。
たしか昨日は、…..ああ、そうだ。
振られたんだ。
「…」
いや違う、今更何を考えてる、その後を思い出したいんだ。たしか空を見上げたら星が綺麗で、流星群が…
段々と思い出し始めたその瞬間、ナイフで刺されたのかと思うほど激しい頭痛に襲われた。
痛みが収まり、流星群を見たあとの記憶が断片的に思い出される。
「…俺は、死んだのか?」
なら、この体は?
転がり落ちるのではないかと思うほどの勢いでベッドから降り、部屋の隅にある布を被せられた全身鏡で、自分の姿を確認しようと腕を伸ばせば届く距離に立つ。
ゆっくりと布をどかすと、そこに現れた少年と目が合った。
髪はストレートのきれいな赤髪で、翡翠色の目をしている。肌は白く、線が細い、美少年というに相応しい見目をしている。
…おかしい、おかしいのだ。これは鏡ではなく窓だったのか?いや、そんなはずはない。
なら、この少年は…
手を、伸ばしてみる。その少年は自分と全く同じ動きをしていて、どれだけはやく腕を動かしてもそれが変わることはなかった。
夢か、思いきり頬をつねってみる。
「痛っ…」
…これは、もしかすると転生してしまったのではないだろうか。
そうでないと、この状況は説明できない。
完全ではないが段々とわかってきた。そういえば、あのメイド服の女性はどこへ行ったのだろうか。
一旦落ち着き、先程走り去っていってしまった女性のことを思い出す。すると、それを見計らったかのようにドタバタという足音が廊下から聞こえてくる。
バン!と大きな音を鳴らし扉が開かれると、そこから姿を現したのはメイド服の女性ではなく…
「アルフィー!目が覚めたのか?!」
next…