「はぁ…」
まだ気温が低いのでため息が白く見える。
少し薄暗い空を見上げ、深呼吸をする。
吸うと冷えた風が体内に入ってきて、少し冷たいがどこか気持ちがいい。だがリラックスは出来なかった。深呼吸しても鼓動落ち着かなく、遅くならない心拍に余計不安を煽られ、苦しかった。
「ふぅ……でも今まで勉強してきた事は無駄じゃない!…きっと大丈夫…!」
親から貰った御守り。袋には大きく『合格祈願』と書かれている。
大丈夫。みんな応援してくれている。支えてくれている。
この御守りに勇気づけてもらい、いつでも視界に入るようにと、鞄にぶら下げる。
勉強してきた事を思い出しながら、試験会場まで歩いて向かっていた。
ある程度歩き、さっきとは違う景色が見えてきた。腕時計を確認し、まだ時間があると安心する。
「また不安になってきた……」
こうゆう時は御守りから勇気を貰う。
………………?!
「え?!え、ない?!」
鞄にぶら下がっていたはずの御守りが
なくなっている。
「うそ…え、うそ…!御守りなくなるとか縁起悪くない?!しかも受験当日に合格祈願の無くすとか縁起悪すぎじゃない?!」
………これ御守り探さなきゃ。
多分無くしたまんま受験受けたら落ちる。
そんな気がしてしまい、来た道をもう1回行くことになった。
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