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「”また”俺が守ッてやるよ」彼はそう言って転送を始めた。”また”という言葉が気になった。だがそれより何故か胸がドキドキしてしてしまい苦しかった。
「あ、あのさ」
「何」
「やっぱ何でもない」
転送中に聞くのもまずいなと思って、私は黙ってしまった。彼もそれ以上私に聞くことはなく、沈黙の時間が続いた。しかし、それはまもなくして終わり、静寂を割くかのように彼は口を開く。
「俺のそばから離れるなよ」
「う、うん」
転送が終わりミッションが始まッた。制限時間は20分、それまでに全ての星人を倒さなければならない。
私は何が何だか分からないままたっていた。あたりを見回してみると先程、部屋にいた人達がいた。みんな状況が分からず不満の声を漏らしていた。
すると、奇妙な影が写りだした。月明かりに照らされ、その影の存在が明らかとなる。身長2m程の猿のような身体、顔は潰れた丸のような輪郭をしておりとても不気味であった。すると急に”それ”が近づいてきた。
誰かの悲鳴によりようやく我に返り後ずさりをした。その星人が一気に駆け出しサラリーマンのような中年男性を倒し建物の影の中へ引きづりこんでいった。その中年男性の喚き声が聞こえなくなったのと同時にそれが無機物になったのだと知る。
星人が近ずいてきその場にいた人のほとんどを殺していった。
次は私の番だと言わんばかりに鬼のような形相で私に近づいてきた。星人がその大きな手で私の首を絞めた。このスーツを着ているおかげか痛みはあまり感じなかったが力が入らなかった。あそこの転がっている死体達のように私もなるのだと思うと急に巨大な恐怖が襲ってきた。恐怖から目を逸らすため目をつぶった。
すると私の名前を呼ぶような声が聞こえてきたのだ。涙目になりながらも力を振り絞り当たりを見回したが誰もいなかった。幻聴でも聞こえてきたのかと思いもう終わりだとおもったその時ギョーンという気の抜けるような音が鳴った。
その数秒後に星人の片腕が破裂した。そして私は片腕と一緒星人の腕から落ちた。するとバチバチという音を立てながらそこに居なかったはずの西くんがいたのだ。
「だから離れンなつッたよな?」
一瞬の間に何があったのか理解出来ずに私はゲホゲホとむせることしか出来なかった。
ぼやける視界のなか西くんがまた消えたのが分かった。そして先程と同じようなギョーンという音が聞こえその数秒後に星人が破裂した。
安堵した瞬間、いきなり聞き覚えのある2人の大声が聞こえた。
「 危ない!」
玄野さんと西くん、二人の声が響く。私に向かってもう1匹の星人が攻撃してきた。私は咄嗟に避ける素振りを見せた。だがこのスーツを着ていても素人な故、星人からは逃れきれなかった。今度こそ死ぬな。と思った瞬間、誰かに腕を引っ張られた。腕が引っ張られ体ごと後ろへいった。その勢いで私は飛んでいってしまった。飛ばされた方を見てみると、玄野さんがいた。
どうやら、私を助けに来てくれたみたいだ。そして玄野さんは私に一瞥をくれ、星人ほうに向き直りいとも簡単に星人を倒してしまったのだ。
「ごめん。投げ飛ばしちゃって。大丈夫だった?げがしてない?」
「は、はい!大丈夫です…ありがとうございます、、」
玄野さんって優しいんだな。自分のことで手一杯の私から見ると、とてもスマートでかっこいいだなんて思ってしまった。
そういえば、とハッとしふと辺りを見回してみると 西くんが私の背後にいた。
「うぉっ!!」
びっくりしてしまい、変な声が出てしまった。
「なンだその声」
と西くんが、にやにやしながら言い、玄野さんは笑っていた。
突然西くんが呆れたような顔をしだした。
「ッたく…、お前は、、離れんなって言ッたよな」
「あ、ごめん…」
「そういうとこ、前と変わんねーのな…だから、おまえは…」
この話を聞いていると長くなりそうなので途中で遮ってしまった。それにしても「前」という言葉が気になったけれど西くんは気にもとめてなかったようなので聞かないことにした。
「…でも玄野さんに助けてもらったから平気だよ」
それを聞くと西くんは露骨に嫌な顔をしため息をついた。
全ての星人を倒し、ミッションはクリアした。
危ない場面は……あったけれど。何とか無事終了した。メンバーごとの採点も終わった。
着替えを済ませ部屋を出ると、玄野さんが私に聞いてきた。
「今日どうだった?」
「正直…怖かっです、、でも…こんな事言うのはおかしいと思うんですけど正直、初めての感じがしなかったです…どこか懐かしいような…あッ!ごめんなさいッ!!ヘン…ですよね…」
ふと玄野さんの顔を見てみると目を見開いて驚いたような顔をしていた。でも少しすると元にもどりこう言った。
「そっかそっか。少しずつ慣れていこう。」
「あ、はい!」
「てか、玄野「サン」ってなんな堅苦しくね?笑」
「え!そうですかね笑」
「呼び捨てでも全然いーよ笑なんならタメ口で話そうよ」
「ためですか!玄野さんが良ければ全然いいんですけど…えぇ…でも呼び捨てはちょっと抵抗があるので…「くん」とかどうですか…?玄野くん!」
そう言ってみると、彼は驚いたような顔をし少し頬を赤らめた。
その時だった。
「馴れ馴れしく話すなよ」
「え?」
玄野さんの背後に西くんが立っている。どこか不満げな表情をしていた。
「いや、こんな可愛い子と話してるのにどこが気に入らねぇんだよ」
「馴れ馴れしく話してんのが気に入らねえんだよ」
「別に西に関係ないじゃン 」
そう玄野クンが言うと西くんは不満気な表情をしながらどこかへ行ってしまった。
何が何だか分からずポカーンとしていたがハっと思い出した
「そういえば!!玄野くん今日は守ってくれたり色々教えてくれてありがとう!」
「全然いいよ。またなにかあったら言ってね」
「うん!ありがとう!」
「せっかくだしメアド教えてよ」
「そうだね」
連絡先を交換した後私は玄野くんに駅まで送ってもらった。
家に帰り私はベットで大の字になって天井を見ながら今日の事について振り返っていた
さっきの出来事がすべて夢のようにまだ感じている。
あの黒い玉や星人という化け物は一体なんなんだ、などと考えているのに疲れてしまい考えるのをやめた。
気がつくと私は寝てしまっていて朝になっていた。急いで準備をし学校へ向かった
1人で席に座っている西くんに昨日のことについて話しかけてみた。
だが、昨日のことが嘘のように西くんはいつもと変わらない態度であった。不思議に思っていたが西くんの性格上、そういうものなのだと勝手に納得し、あまり気にしていなかった。
学校が終わり家に帰って横になっていると急にスマホの着信音がなり始めた。
みてみると玄野くんからの電話であった。
「もしもし…?今大丈夫だった…?きゅうにかけてごめん」
「もしもし、全然大丈夫だよ。どうしたの?」
「もし今、暇だったらさ…一緒にスーツ着て訓練したいと思っるんだけどどうかな…?しかも、実はまだ全然教えてないこととか多いいンだ」