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第二章 新米看護師 翔太
翔太💙「……短くない?」
鏡の前で固まる翔太。
白いナース服のスカートは、
膝上どころか、かなり短い。
頼りない布地が、
少し動くだけでひらりと揺れる。
翔太は必死で裾を引っ張る。
当然、伸びるわけもない。
ラウ🤍「新人はそれ」
背後から、涼しい声。
翔太💙「なんで!?」
ロッカールームの蛍光灯が
白く冷たい光を落としている。
ラウールは慣れた手つきで
自分の制服を整えていた。
白いパンツタイプのナース服。
動きやすそうで、
どう見てもこちらの方が合理的だ。
翔太💙「意味わかんないんですけど!」
ラウ🤍「きまりなの」
ラウールは鏡越しに翔太を見る。
ラウ🤍「ふふっ似合ってる♡」
翔太💙「先輩はなんでパンツなんですか!」
ラウ🤍「二年目から」
翔太💙「えぇぇ!?」
ロッカールームに
翔太の声が大きく響いた。
ラウールは肩をすくめる。
ラウ🤍「理事長が決めたんだって」
理由は、単純だ。
――新人は元気が一番。
そんな、よく分からない理屈らしい。
翔太はもう一度鏡を見る。
日本屈指の大学病院。
その新人看護師の制服が
なぜミニスカなのかは
誰にも説明できない。
ましてや――
翔太💙「僕男の子なのに……」
ラウ🤍「まあでも」
ラウールは小さく笑った。
ラウ🤍「似合ってるよ」
翔太💙「慰めになってないです!」
ラウールは鏡の前で固まったままの翔太を見て、
小さく肩をすくめた。
ラウ🤍 「何度見たってスカート丈は変わらないわよ」
翔太💙「うぅ……」
ラウ🤍 「早く着いてきて。病院を案内するから」
ラウールはそう言うと、
さっさとロッカールームの扉を開けた。
翔太はもう一度だけ鏡を見る。
やっぱり短い。
諦めたようにため息をつくと、
慌ててラウールの後を追った。
数分後。
二人は病院の廊下を歩いていた。
足元には深い紫色のカーペット。
柔らかく沈むその感触は
まるでホテルの廊下のようだ。
天井は高く、
照明は落ち着いた色。
病院特有の慌ただしさとは
どこか違う空気が流れている。
翔太はきょろきょろと辺りを見回す。
翔太💙「ほんとに病院なんですね…ここ」
ラウ🤍「理事長の趣味」
翔太💙「すごい紫ですね」
ラウ🤍「癒し効果があるらしいよ」
本当かどうかは
誰も確かめたことがない。
そのとき。
廊下の奥から、明るい声が飛んできた。
康二🧡「おーいラウ!」
手を振りながら近づいてくる男。
ラウールが軽く手を上げる。
ラウ🤍「康二」
翔太は慌てて頭を下げた。
翔太💙「おはようございます」
男は翔太を見るなり、ぱっと笑った。
康二🧡「お、新人?」
翔太💙「はい!」
ラウ🤍「レントゲン技師の康二くん」
康二は翔太を上から下まで眺める。
そして一言。
康二🧡「ミニスカや。康二くんって呼んでな」
翔太💙「見ないでください!」
康二は楽しそうに笑う。
康二🧡「このルールだけは残してほしいわ」
翔太💙「ちっとも面白くないです!」
そのとき。
背後から低い声がした。
照💛「騒がしい」
振り向くと、
背の高い男が立っていた。
がっしりした体格。
腕を組んでいる。
ラウ🤍「理学療法士の照くん」
翔太は慌てて頭を下げた。
翔太💙「新人看護師の渡辺です!」
照は静かに頷く。
照💛「新人か」
そして
翔太の足元を見る。
照💛「……短いな」
翔太💙「やめてください!」
康二が笑う。
康二🧡「今日は病院ざわついてるで」
翔太💙「え?」
康二🧡「総回診のやつ」
照💛「教授候補が新人取り合った」
翔太💙「……えぇぇ!?」
康二🧡「もう有名や」
翔太💙「やめてください!」
ラウは小さく笑う。
ラウ🤍「もう広まってるんだ」
そのとき。
廊下の向こうから
白衣が近づいてきた。
静かな足音。
空気が、少しだけ変わる。
目黒だった。
蓮🖤「渡辺」
翔太💙「は、はい!」
蓮🖤「外科に来い」
翔太💙「え?」
すぐ後ろから声が重なる。
亮平💚「だめです」
阿部だった。
亮平💚「彼は内科です」
廊下が一瞬静まり返る。
翔太💙「えぇぇ!?」
康二🧡「始まった」
照💛「取り合いだな」
翔太💙「やめてください!」
亮平💚「まずは内科で様子を見てだな……」
蓮🖤「構いませんよ」
静かな声。
蓮🖤「どうせ君の方から
外科に来たいとお願いしに来ますから」
腰を掴まれ引き寄せられると、
目黒の胸に頬が重なる。
翔太💙「ちょっと///やめて下さい」
その様子を
廊下の物陰から
一人の男が眺めていた。
理事長。
深澤。
辰哉💜「面白くなってきたねぇ」
くすりと笑う。
辰哉💜「恋の巨塔だね〜」
紫のカーペットの上で
新しい物語が
静かに動き始めていた。
コメント
6件

深澤理事長の趣味!いいな💜

最高なんですが🤣🤣🤣🤣💙💙💙💙可愛い。内科と外科も合ってる。みんなイメージつく🤣🤣🤣