テラーノベル
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アスタロトの声が続く。
『赤い小娘、ズィナミとやらが言う通りなのだレイブよ、その竜が本来持っていた生命力、魔力は外部から侵食した物と混ざり合ってしまっている…… 更にペトラとギレスラが吸い上げた事で生命の絶対量が減ってしまっているのだ…… 最早、回復は望めないだろう』
「え、神様でも、無理なの?」
アスタロトは珍しく苦虫を噛み潰した様な表情だ、おそらく依り代の期待に答えられないのが口惜しいのかもしれない。
『うーむ…… 無属性の生命力を他者に与えるスキルか…… 知りうる限りたった一人しかそんな真似は出来なかった…… 善悪のエスディージーズだけ…… あぁ、後はラマシュトゥの技もそれに近かったがなぁ~、あの二人だけのユニークスキルだったからなぁ~』
「ら、ラマシュトゥっ! あっ! あの技かっ!」
『む?』
不思議そうにこちらを見ているアスタロトと、まだ尻や背中が石化していないか自分のチェックに夢中なズィナミを放置してレイブは心中で叫びを上げる。
――――ラマスっ! すぐ来て欲しいんだけど! ラマスっ! ラマスぅっ!
………………ドドドドドドッドッドッドッド! ズザァッー!
「お待たせダーリン! 呼んだでしょ? 何か用♪ グルグルぅ」
東門の前辺りで待機していたのか、巨大なトナカイのエバンガの背中に乗ったラマスが笑顔で話し掛けて来た、後ろにはカタボラのチビ竜も便乗している。
因みに停止した場所はレイブ達の真横、魔力災害並みにヤバイとアスタロトが告げて、ズィナミがビビリ捲った場所のずっと先であったが、そろってグルっているラマスたちもノーダメ、ノンストレスに見える。
エバンガが地面近くまで下げた頭を使って、滑り台を降る要領で着地したラマスはピョンピョンと飛び跳ねながらレイブに向かって手を振っている。
上げられた掌にはピンクのオーラが常よりも激しく光り輝いており、今の彼女のテンションと比例しているようだった。
日頃のトレーニングのお蔭か、飛び跳ねながらも結構な速度で近付いてくる姿を見ながらアスタロトがレイブに対して呟く。
『なあ、呼んだでしょ、って何だ? レイブ、お前呼んだのか?』
レイブは普通の表情で答える。
「え、ああ、うん呼んだ、って言っても声に出すんじゃなくて心の中でなんだけど…… 最近なんだけど、ラマスには心の中で思った事が伝わるみたいでさ、離れている時とか便利なんだよね」
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