モブ春描写結構ある
レイプ
少々🔞
春千夜が可哀想
人は辛くなりすぎると限界を超えて泣き始める。そんな場面を何度か見てきた。俺は正直言うとその姿を見て「絶対に俺はこんな無様な姿を見せたくねぇ」と思った。なんならこんな事にならないと誓った。特に今は。
俺は日本最大の犯罪組織『梵天』のNo.2という重大な称号を持っている。日本最大なだけあって仕事量もそれなりに多く、内容もそこそこキツい。賭博、詐欺、売春、殺人などとどんな犯罪にも手を染めてきた。最初は辛い?いや、全くそんな事はない。最初から俺は犯罪を何とも思わずに犯してきた。辛いなんてそんな弱音は吐かねぇ。当たり前だろ?No.2がそんな事言っていたら他の奴らに示しがつかねぇ。
今日も今日とて仕事がたんまりと俺を待ち受けていた。商談に裏切り者のスクラップ、オマケに部下達が失敗した事を取り返すあれやこれ。それを今日一日でやるとなると常人では到底無理だろ。しかし、俺はやらないとならない、そんな立ち位置にいるのだ。無理にでもやるのが俺の仕事。マイキーの為、梵天の歯車が加速するなら何だってしてやる。
「はあ……っうし、行くか。 」
俺は愛刀を手に持って地下に向かった。何をしに行くのか。それは梵天の誰もが即答するほど知れた場所。薄汚れており、異臭もする。
「言うから!!ちゃんと”言い”ま”す!!だから”命だけは!! 」
そう、此処は事情聴取する場所。拷問部屋となんら変わらない。おー、騒いでる騒いでると思っていたが、どうやら先客がいたらしい。紫髪の男二人が裏切り者の男を痛めつけていた。爪を剥がしたり、得意分野の骨を折っていたり。
「俺、お前の担当じゃねぇから何言うかなんざ知ったこっちゃねぇよっと!」
「ア”あぁあ”ァアぁぁぁ”!!?!」
「あ、三途じゃん。」
弟の方が俺に気づき俺に手を軽く振ってくる。如何やらコイツらが此処にいる理由はストレスの溜め過ぎのせいらしい。丁度良く地下に行ったら丁度良く裏切り者が縛られていたからストレス解消のために痛めつけてたのだとか。コイツも運が悪いよな、こんなサイコパス兄弟に見つかるだなんて。
「感謝しろよ?コイツもう情報吐くぐらいには痛めつけちゃったから。仕事が減って良かったじゃん!」
「はいはい、どーも。てか、テメェら仕事は如何したんだよ。」
「あー、そう。その事を三途に話そうと思って。」
コイツらが仕事のことで話すなんて珍しい。俺は流石に珍し過ぎて目を丸くして首を傾げた。竜胆は急にスマホを取り出しカレンダーを見せてきた。なんだ?と思いまじまじと画面を見てしまう。
「俺らさ、2ヶ月くらい休み無かったんだよねー。だから流石に休みが欲しくってー!」
「最低でも2日ちょーだいよ、No.2様!」
なるほど、コイツらは休みを取るために俺に相談してきたのか。こんな組織に入ったのだから休みなど到底貰えないのは身構えてて欲しいものだが…そんな事を言っていると一生休みをとらせられない。仕方ないなと俺はため息を吐き、渋々承諾した。
「マジで!?やったー!!兄貴、休みとれたぜ!!」
「さっすが三途。お前に相談して良かったぜー。」
「あー因みにお前ら、仕事どのくらい残ってんだ。」
「俺らのデスクに残ってるやつ。」
見に行きたくねー、と頭を抱えていると、灰谷達はスキップしながらその場を去った。まあ、アイツらにとっては兄弟で久しぶりの休みだ。流石の俺でも止める気にはなれず、気持ちを切り替えて仕事に取り掛かった。
「おー、待たせたなぁ裏切り者。」
「言います!!言いますから!! 」
「そんなに言うなら早く吐けよ。」
すると、泣きながら欲しかった情報を全て言ってくれた。組織の場所は何処なのか、ボスの名前は、薬の在処は。いい歳した大人が顔を歪ませるほどに泣きながら情報を吐いてくる。あー、恥ずかしい。本当に同じ人間か?ストレスが溜まっていくのが自分でもわかった。
「全部吐きまし”た”‼︎これで全てです”ぅ‼︎だから、命は‼︎‼︎」
「おー、サンキューな。テメェのおかげで簡単に潰せそうだわ。 」
「では…‼︎」
「だが、テメェが梵天を裏切った事には変わんねぇんだよ。死ぬ運命は初めからお前にあったんだよ!」
「やだだぁ”あ”ぁ”ぁぁぁ‼︎‼︎」
俺は醜いコイツの体を愛刀で思い切りに斬りつけた。酷い断末魔と同時に大量の血が体から出てくる。俺はそれをただ見ているだけ。俺は汚れた手を真っ白なタオルで拭き、廊下で待っていた部下を呼び後始末を頼んだ。俺は今から先程死んだ奴が吐いた組織を潰しに行く仕事がある。少々怠い体に鞭を打ちながら俺は資料を見るために仕事室に向かった。仕事室には幹部達の専用パソコンと大量の仕事がある場所。
「そういえば、灰谷の分もやんねぇと…あとどんくらい残ってるんだ。」
俺は自分の机に向かう前に灰谷達の机に向かった。二人によると机の上にあるらしいが…俺はその量を見た瞬間思わずしゃがんでしまった。二人分ってのもあるが、流石に多すぎる。自分のも合わせると期限内に終わるかどうか。いや、そんな弱音を吐いてる暇なんてない。出来ないじゃなくてやるんだよ。俺は取り敢えず二人の分の内容を軽く確認して、自分の仕事に向かった。
「あ”ー、今回の奴くそめんどくさかったなー。」
俺は敵組織のアジトに直々に向かい、存在ごと消していた。んで、今それが丁度終わった所。この時点で俺は体に疲れが溜まっており、今にも目を瞑って寝てしまいたいほど。しかし、仕事はまだ残っている。倒れる予定などあってたまるものか。俺は直ぐに車に乗り、自分のアジトに戻った。
「おら、春千夜様が帰ったぞー‼︎」
「うっせぇな…静かにしろよ。」
「帰ったか、三途。」
アジトに入るとそこには隈の凄い九井と、資料を持って今から何か書こうとしている鶴蝶がいた。二人曰く、他の望月や武臣は出張なのだとか。俺は仕事報告の紙をまとめて我らの王、マイキーの所に向かった。俺が一番尊敬し、一生ついていくと決めた人物。それがマイキーだ。
首領がいる部屋の扉をノックして自分の名を名乗り返事を待つ。「入れ」と首領の声が部屋の奥から聞こえたため「失礼します」と言い、ドアノブを捻って扉を開けた。そこにはたい焼きをモグモグと食べている首領が椅子に座っていた。
「今回の仕事報告に参りました。 」
俺は仕事報告の紙を首領に渡して、その場で確認してもらう。無言が続く中俺はこの時間が幸せだ。首領がただ紙を見ているだけの顔を見るのが好き。そもそも首領といる時間が幸福だ。自分でも首領に依存している事は分かっている。しかし、それを知った事で何か変わるわけでも無い。一生ついていくと決めたのならば、それを最期までやり遂げる。それが俺、三途春千夜だ。
「…ん。」
「有難う御座います。」
首領は確認し終えたのか、報告書を俺に返してきた。俺は感謝を述べた後、あともう一つと言い、話し始める。
「灰谷達に2日の休暇を与えました。此方の勝手な判断で休みを与えてしまい、申し訳ありません。しかし、二人分の仕事は俺がしますのでご安心ください。」
「…お前一人で出来んのか?」
「はい、大丈夫です。」
「なら、良い。だけど、無理はすんな。」
「はい。
では、失礼しました。」
俺はそう言って首領の部屋から出た。無理はするな。すみません首領、その約束だけは出来ないかもしれません。俺は足早に仕事室に向かい、仕事を次々とこなしていった。
「明日から2日…気張っていかねぇとな。」
一日目
まずは商談。これは灰谷蘭の分だ。いつもその相手に接待しているのが蘭のため、相手も最初は少々困惑していた。どうやらそいつは良いご趣味をお持ちなのか、蘭の事を気に入っていたらしい。だから、俺が目の前に現れた瞬間「蘭君は?ねえ、蘭君は?」と詰められた。嘘の事情を話すと大きな溜息を吐いて渋々客室に案内された。梵天様が直々に来てるだけでも感謝してほしいものだ。
次にスクラップ案件。これは自分の仕事。合法じゃない薬を一粒飲み、ラリった頭のまま刀を振る。返り血など気にせずに斬りつけた。前までは返り血は汚すぎて無理だったが、今はどうでも良い。ただただ楽しくて、ストレスも少しだけだが消化されていく。終わった頃には地獄絵図。後処理を部下に任せて俺は手配していた車に乗った。今頃死体は袋に入れられて魚の餌行きだろう。
次には女の接待。これは灰谷竜胆の分。あいつらは顔が良いのと女好みの顔をしているらしい。そのため女関係は灰谷のどちらかが任されることが多い。女の奴らには「灰谷は風邪を引いて貴方方に移したくないからって理由来ません」と言ったら、女どもは嬉しそうに「それじゃあ、仕方ないわね。」と言っていた。まあ嘘なんだけどな。俺は女の接待はあまり得意では無い方だ。距離は近いし、いきなり彼女でも無いくせに俺を奪い合いするし、何より女どもの香水が入り混じって気持ち悪くなる。しかし、失敗はしない。俺は嘘の笑顔を振り撒いて相手をしていた。
最後は俺合わせて三人分の資料整理。睡眠を充分取れていない目で紙やパソコンの文字を見ると二重に見えてくるため普通にキツかった。次の会議に使う紙をただただホッチキスで止めたり、次の敵組織の情報をパソコンに打ち込んだり。とにかく文字と睨めっこしていた。終わった頃には深夜のニ時過ぎ。流石に目を休ませたくて寝ようとしたものの、いきなりスマホから電話のコール音が鳴った。
「んだよ。」
『さ、三途さん‼︎裏切り者がっ…や、やめろ‼︎やだっっ…がはっっ‼︎』
部下の苦しむ声が聞こえた後、銃声と生々しい液体音が聞こえ、電話は切れてしまった。まずいと考え、俺は舌打ちをしながら現場に向かった。あの部下は死体処理班のため位置は大体検討がつく。俺は重たい体を無理矢理動かして走った。
「おいっ‼︎テメェか、裏切り者は…‼︎」
「まずい、三途春千夜が来たぞ‼︎」
俺がお前らのこと逃すはずがねぇだろ。お前らが梵天を裏切った時点であの世逝きだと思えカス。俺は逃げて行く哀れな奴らを一人ずつ銃で倒していった。運悪く一発で死ねない奴が最期に命乞いをしてきた。意味がないってわかんねぇのかな。まあ、馬鹿だから仕方のないことか。来世はもっと頭が良くなってると良いな。そう思いながら俺は最後の一発を打った。
鉛のように重たい体を二本の足で精一杯運ぶ。アジトに戻るほどの体力もないため、路地裏の薄汚い場所に倒れた。明日も仕事、明後日も仕事。しかし、失敗は許されない。俺は最後の力でスマホにアラームを設定した。
二日目
「もう朝か……まだ30分しか寝てねぇよ。」
俺は体を起こし、大きな欠伸をした。寝た場所が悪かったのか、それとも疲労のせいなのか、体の色んな所が痛かった。ポキっと首を鳴らして早速仕事場所に向かった。
最初は薬関係の仕事。勿論俺が担当だ。最近どのような薬が出回っているのか、新作の薬は何かなどを飲み物を飲みながら会話していた。まあ、接待となんら変わらないな。相手も案外話を分かってくれる者だったので話しやすかった。俺は薬を貰ってその場を後にする。
次は望月と合同任務。と言っても、望月が潜入して俺が外からサポートするって感じ。望月の合図と同時に俺はハッキングを事前にしておいて、停電を起こす。その間に俺はある場所のドアの鍵をサプレッサーで撃ち、鍵を壊した。それと同時に望月がいる会場の電気が付く。意外と早いなと思いながらも、俺は望月に合図を送った。それに気づいた望月は声は全く聞こえないものの行動に移す。何処かに行った望月を確認し、俺は先程壊したドアに向かった。今回の目当ては此処。俺らが必要としている情報が隠されているのだ。俺は慣れた手つきで欲しいものを取り、足早に出ていった。これで任務完了。俺は望月を待つなどせずに置いて帰った。
最後は商談。しかし、俺はあまり行く気が出なかった。何故だろう。それは昨日と同じ商談相手だからだ。そんなんで?と思うかもしれないが、相手は蘭の事を気に入っているのだ。その筈なのに、またもや商談を持ち掛けてくる。長年の勘というものなのか、嫌な予感がした。しかし、行かないと怒られるのは目に見えている。なら、見えていない事を恐るよりも目に見えている事を恐れていた方が良いだろう。俺は嫌々商談に向かった。
「来てくれてどうも有難う。
やはり今日も蘭君はいないか。」
「ええ。
ご要望に応えられず誠に申し訳ございません。」
「良いんだ、良いんだ。
今日は三途君に用があって時間を取らせたんだ。」
ほら、もう怪しい。昨日まで俺が来て嫌そうにしていた人物がここまで俺を求めてくると流石に警戒してしまう。俺は注意深く今から座るソファ、提供される飲み物、見張りの奴らなどを見ていた。
「今回はどのようなご用件で。」
「いやー、一日だけ貸して欲しいんですよね。」
「一日?…何をですか?」
「君さ。」
「…は?」
此奴は何を言っているのだ。等々頭がイカれたのか?俺はポカンと口を開けて唖然としていた。その表情を見て、相手はクスクスと笑う。俺は溜息を吐き喉を鳴らす。
「えっと…それはどういう事でしょうか。」
「言葉の通りさ。
一日だけ君を貸して欲しい。」
「意味がわかりません。
もう少し分かりやすく。」
「分かりやすくねぇ…そうだな。
君を側に置いてみたい…って言えば良いのかな?」
此奴が言うには文字通り俺を一日だけ貸して欲しいらしい。本当に意味がわからない。
「報酬はちゃんと用意してある。
とりあえず今この場には1000万用意してあるよ。」
「…は?」
「そして私達組織全員の個人情報を細かく書かれてある資料もオマケ程度に付けてある。」
男はアタッシュケースと沢山の紙を机に置き、金がちゃんとあるのを確認させてくる。確かに全て本物の万札で、1000万はありそうな量であった。100万だったら断っていたが、流石の俺でもその10倍ともなると悩みどころだ。俺は頭を抱えた。男はその姿を見て、もう一つ提案をしてきた。
「ならば私の管轄の◯◯をあげよう。君もそこは知っているだろう?」
俺は更に悩んだ。そこの管轄は有名で大きな場所。それを俺は知っているし、その事も男は知っているのだろう。これは大きく梵天の歯車が回るチャンスだと感じた。梵天の為ならなんだってする。マイキーが反社のトップの階段を上るのならその一段となってやる。俺は決意をし、唾を飲み込んだ。
「…わかりました。承諾致しましょう。」
俺は承諾した。前払いとして金も受け取り、部下に任せる。
「それは有難う。
あ、それと一応だが…君の事は信用しているのだが、この世界だ、合意の紙は必要だろう。」
そう言い契約書の紙を出してきた。俺は一文字も見逃さずに文を読む。契約書の一文にはこう書かれていた。
「三途春千夜は一日のみ△△の物となる。」
ご丁寧に名前まで書かれている。まるで灰谷蘭ではなく元々俺が狙いだったかのように。俺はサインペンで名前を書き、持っていた印鑑にインクを付けてハンコを押した。それを男に渡し、確認させる。確認し終えたのか後ろにずっと立っていた部下にその紙を渡して保管するように頼んでいた。悪用したら即スクラップだからな?
「この馬鹿げた契約に応じてくれて有難う。さて、早速だがこれを付けてくれないか?」
「…は?」
渡されたのは綺麗なリボンが付いている首輪だった。しっかりとした鎖が繋いでおり、それを辿ると男の手にたどり着く。つまり俺はこの男のペットになるということか。断りたい所だが、これは約束だ。仕方のないこと。マイキー、許してください。俺は首輪を受け取り、自分で首輪を器用に付けた。
「おぉ、やはりピンクの首輪を選んで良かった。似合っているよ。」
「…有難うございます。」
気持ちの篭っていない感謝を述べるたが、相手はそれでも笑顔だった。気持ちが悪い。すると男は「暑いだろ?楽な格好になりな。」と遠回しにスーツを脱げと言ってきた。俺はとりあえず堅苦しいスーツを脱ぎ、綺麗に畳んでその場に置いた。男は手招きしてこっちに来いと言ってくる。俺は言われた通り男に近寄ると、いきなり手首を引っ張られて唇を重ねられた。
「ん”、ん〜ッッ‼︎」
「こら、暴れないの。
お前は私の犬なんだから、犬らしくワンって鳴きなさい。」
嗚呼、俺は選択をミスったのかもしれない。それからというものの俺にとって地獄の時間が経った。ご飯はペット用の皿でフォークや箸などを使わずに食べろと言われ、日本語は使わず「ワン」しか話してはならない。一番最悪だったのが、男の性処理をされたこと。男の白濁した精液を飲まされたり、尻の穴に男の勃起した竿を挿れられたりと気持ちの悪いことをされた。多分だが主な目的はこれなのだろう。鼻息が荒く、汗も汚くて吐き気がした。しかし、吐いたら男は容赦なく俺の体を殴ってくる。挙げ句の果てには刃物で切りつける始末。しかし、その時間もあと2時間で終わろうとしていた。
「君を借りる時間も後少しか…。
寂しくなるねぇ。」
「……。」
男は俺との行為に少し疲れたのか水を飲んで休憩していた。俺はただただ早く終わって欲しいと願いながら無の感情で時間が経つのを待っていた。
「せっかくだし最後はもう少し楽しくしたいよね。」
男はそう言って棚の中を探り始めた。何か探しているのかと思っていたが、今は何が来ても何も思わない。俺は遠くを見つめていた。男はやっと見つけたのかそれを取り出す。俺はそれを見て無の感情がいきなり恐怖の感情に変わった。俺は男が持っている物を知っている。最近、違法ドラックとして噂がたっている注射器の中に入っている桃色の液体。その効果は性欲を増進させる薬。ただの媚薬のようなものかと思うが、これは一味違かった。それは…
「逃げないでよ三途春千夜君♡
怖くないヨォ?」
「や、やめっ…流石に…」
「おい、犬が日本語喋んなよ‼︎ 」
男は俺の口を片手で封じて、もう片方の手で両手首を掴んで逃げられなくしてきた。俺は出来る限りの抵抗をするがそれは無意味と化す。注射器が首元に近づいてくる。
チクッ
注射針が肌に刺さり、中身の液体が血液に入ってきているのが感じる。俺は震えていた。その効果を知っているから。
「はっ…は、…あ…」
「お、効いてきた?」
「や、やだ…ごめんなさ、ゆるしてっ…‼︎」
もしこんな効果がある薬が出回っていたらお前は信じるか。
「マイキー…タケ兄…せん、じゅっ…‼︎」
『過去の幻覚が見える薬』
今の俺の脳内には快感と同時にトラウマレベルの辛い過去、思い出したくもない記憶が目の前に見えており、頭が混乱していた。マイキー、武臣、千壽が立っており、俺を責めてくる。たまに現実では言っていない事も言ってきて、まるで本当に言われたのではないかと錯覚も起こしてくる。その状態で俺は犯される。飛んだ拷問だ。媚薬の効果のせいで快感が押し寄せてくるのに、脳内には皆んなの言葉が鮮明に響いてくる。泣きたくないのに、辛いせいで涙が止まらない。嗚呼、俺はこんなにも無様な姿を見せてしまっているのか。弱い自分が自分でも嫌いだ。こんな姿を見せて御免なさい、御免なさい…。
約束の時間になった。男は時間になったのに気づき、約束通りやめてくれた。しかし、俺の体内には嫌な毒がまだ残っている。「治るまで続ける?」と聞かれたが、精一杯首を振って拒否を表明する。俺は直ぐに地面にあったスーツを裸で羽織って、外に出た。運が良いのかここからアジトは然程遠くなく、走り続ける。走ってる時でも脳内に声が聞こえてくる。媚薬の効果も治ってないため、腹もウズウズしてくる。一刻も早く帰って、この汚い体を洗い流したい。そうしないと皆んなに気持ち悪がられる。ほら、俺の体を見て引いてる。やめてよ、そんな事言わないでよ。御免なさい、泣かないから。ねぇ、誰か…
「助けて……」
一方その頃
蘭視点
二日の休暇が終わり、俺らは嫌々ではあるがアジトに向かった。でも充実した休みだった。長く寝れたし、竜胆と久しぶりに遊べたし、流石に三途には感謝しないとな。次は三途も誘ってご飯を食べに行くかと呑気にそんな事を考え、アジトに入った。
「久しぶりー」
「おひさ〜」
「お、灰谷か
良い休日を過ごせたか?」
「そりゃもう、良い2日でしたよ。」
上機嫌に仕事をしている鶴蝶に言った。九井は愛しの過去の人物を呟きながらパソコンと睨めっこ中。俺らはどうやら眼中にないらしい。モッチーは資料を見ていた。明司はー…一服してんのかな、見た所いない。んで、三途。俺らは三途に用事があんだよ。しかし、その本人が何処にも見当たらない。何処だ?と思いながら鶴蝶に聞いてみる。
「三途か?
そういえば一日中見てないな。九井、三途の事知らないか?」
「いぬぴ…いぬぴ…いぬ、ピ…」
あらら、これは酷い状態。しかし三途の所在を誰も知らないとなるとどうするか。竜胆と一緒に俺らは外に出た。すると、前から見覚えのある鴇色の髪の持ち主が走ってきた。三途じゃん、と思い声を掛けようとすると止まる気配などなく、肩を少しぶつけてきて走り去っていった。
「…春千夜‼︎」
少しではあるが、俺は三途の顔を見た。その顔はいつもの三途からは想像できない程恐怖に支配された表情で、見ているこっちが辛くなるほど。俺は咄嗟に名前を呼び、追いかけた。竜胆も事のヤバさにワンテンポ遅く気づき追いかける。弱っていたのか直ぐに手首を捕まえることが出来た。
「は、離せっ…‼︎」
「ちょ、落ち着けよ…ってなんだよこの痕…。」
そこには見たくもない光景が広がっていた。三途の服装は裸にスーツ一枚羽織ってるのみ。そこから見える白い肌は所々に赤いキスマークのようなものと反対色である青緑の痣。そして、よく見ると可愛らしくも気持ちの悪い首輪と手首に縛られたような痕。股からは白濁したものが垂れており、あまり考えたくない行為が想像させられた。
三途は必死に抵抗して逃げようとする。しかし、その力はあまりにも弱々しかった。
「こんな、汚い姿見させてっ…ごめんな、さぃ、ごめんなさい…!」
「落ち着いて春千夜‼︎
とりあえず俺らの事わかる⁉︎」
「俺が竜胆で、コイツが蘭!」
どうやら三途は良くない幻覚を見ているらしい。俺らの事を認識できないらしく、混乱していた。何の幻覚に悩まされているのかはわからない。だが、御免なさいと謝罪の言葉を誰かに述べていた。取り敢えず俺はこの場を落ち着かせるために三途の首の後ろを叩き気絶をさせた。
「……竜胆、落ち着けよ。」
「…兄貴もな。」
俺らは三途をこんな目に合わせた人物を許せなかった。俺らがいない間にこんな酷い有様にさせて謝罪もなしかよ。俺は三途を運ぶためにお姫様抱っこと、今この場に合わないような名前の抱き方をした。その軽さにも少々驚いた。元々細いのは知っていたがこんなにもか?竜胆は三途の肌を出来るだけ隠すために自分のスーツを脱ぎ、そっと被せた。一番近いベッドがある場所は仮眠室。しかし、そこに行くためには皆がいる場所を通らないといけない。ならばどうするか。俺と竜胆の答えは言わずとも一致していた。
「おい、運転手。 」
「は、はひッッ」
「後ろは向くな。
六本木の◯◯に直ぐ向え。」
「わ、わかりました…。」
俺は直ぐに車を手配して、俺らの家に向かった。部下が此方を向きそうになったから銃を向けて脅す。見たら殺す。俺らは移動中、三途の体を再度見た。何故こんな事になったのか、誰がこんな事をしたのかと悩みを抱える。
着くと同時に俺らは車から下車し、三途を起こさない程度に走りながら運んだ。扉を開け、中に入ったら一先ず安心する。竜胆は俺らのベッドを少し整える。苦しそうな首輪を外し、清潔でフワフワなタオルを持ってきて、優しく体に付いてる誰のかわからない体液を拭いた。取り敢えず、何か着させないとなと思い、同じ身長である竜胆の服を箪笥から引っ張り出し、そっと着させる。同じ身長なはずなのに、何故か袖の布が余るのは何故だろうか?あと、肩も出かけている。思った以上に痩せすぎてる。一通りやる事はやった為、俺らは一先ず部屋から出ていった。リビングで俺らは話す。
「兄貴、相手の奴、どんな拷問させる?」
「焦るなよ竜胆。
取り敢えず、簡単に殺しはしねぇ。
死ぬよりも辛い地獄に合わせてやるよ。」
俺らはまだ相手の顔も知らない奴を酷く憎んでいた。拷問の仕方は大方決まった。なら次は相手を調べないと。取り敢えず、幹部全員のスケジュールを管理している九井に電話を掛けた。暫くコール音を鳴らすとやっと出てきてくれた。
『んだよ、今忙し…』
「三途の予定。」
『は?』
「だから、昨日の三途の予定教えてくんない?」
『昨日〜?はあ………』
電話の奥からは、調べてくれているのかキーボードのカタカタ音が微かに聞こえた。カチッと時折マウスのクリック音も聞こえる。
『えーっと……薬関係の仕事と、望月と合同任務…あとはお前の仕事の代わりだな。あー、あれか、お前の事は気に入ってる男の商談だとよ。』
「ふ〜ん……あのくそジジイね。」
『てか、三途の収入がこの時異常に大きいな。1000万って…そういえばこの時、三途の部下から此処にいる全員の個人情報をいきなり貰ったな。』
「へぇ…ありがと、ココちゃん」
『……何があったかはあまり察したくないが、大きな問題は起こすなよ?』
「は〜い。」
信用出来ないような軽い返事をして、電話を切った。あのくそジジイ、三途にまで手を出したのかよ。前々から気持ち悪いとは思ってはいたけど此処までとはねー。
「竜胆、俺はジジイを捕獲して地下送りにしてくる。竜胆は三途を見張ってて。もし三途が起きて逃げたりでもしたら大変だから。」
「えー、俺も行って懲らしめたかったけど…まあ、確かに心配だしね。いいよ、行ってらっしゃい。」
「行ってきます♡」
竜胆は俺に手を振って見つめてきた。ずっと一緒にいた兄弟だからわかる。竜胆からは「俺の分までやってきて」という意思が伝わった。勿論、やってくるよ。だって、俺らの「大好きな人」がやられたんだもん♡
竜胆視点
兄貴には伝わっているだろう。ニコニコしてたし。さて、俺はどうしようか。取り敢えず、三途に3日程の休暇を貰おうかと九井にメールを送る。「何故?」と聞かれたが、本当の事を言ったら三途の為にならない。「三途、最近休んでないでしょ?だから3日だけ休ませたげて」とそれなりの理由を少しつけて送った。ちなみに嘘はついていないはず。俺の記憶が正しければ、三途は俺らよりも休んでいない。理由はNo.2だからというのもあるし、ただ単に三途のプライドがあるのだろう。滅多に休みを取らないで有名だ。
「三途も馬鹿だよなぁ…。」
そう呟きながら携帯を閉じる。すると寝室の方からドンッと大きな音がした。俺は直ぐに寝室に向かい、扉を開ける。そこには頭を抱えて混乱していた三途がいた。
「ゔ、ぅ…あ”… 」
「三途、大丈夫?」
「り、ん……頭に、誰かい”る”ぅ…」
まだ薬が少し抜けていないようだが、俺の姿は捉えていてくれていた。それだけでも少々ホッとする。俺は三途を安心させる為に三途を抱き寄せて頭をそっと撫でてやった。三途も少しでも落ち着きたいのか、此方に身を委ねてくる。あまりこの場には相応しくない感情だろうが、可愛いと思ってしまう自分が密かにいた。だって「大好きな人」だから、それはもう嬉しい。
「大丈夫だよ。俺はここに居るから。」
「ふ…ヴ、っ…」
目頭に涙を溜めて、苦しむ姿は見てるだけで此方も辛くなる。あー、マジで相手の奴直ぐにでもぶっ殺したい。少なくても千回は殺す。三途は小刻みに震えており、手も少々冷たい。俺は近くにある毛布をかけてやった。
「寒くない?」
コクコクと小さく何度も頷く。三途は弱々しかったが、必死に俺の服を掴んでいた。そういえばと思い、俺は三途にある提案をする。
「風呂沸かしたけど、入る?」
「…はい、る…」
ギュッと服を掴む力を強めてきた。どうやら本当に入りたいらしい。大凡、理由は想像がつく。俺も同じ理由で直ぐに入らせたいし。俺は三途を抱き抱えて風呂場に向かった。服を脱がせてやろうと思ったが、三途はそれをお断りしてきて、自分で服を脱いだ。やはり何度見ても三途の今の肌は相手に殺意が湧く。俺はその感情を抑えながら、一緒に風呂に入った。と言っても俺はただの補助という立場なので服は着ている。三途は大丈夫と言っていたが、フラフラだし、まだ混乱状態ではあるからどう見ても大丈夫ではない。
「とりあえず、髪とか体洗お。」
「ン…」
三途の視界には幻覚が見えるのか、たまに首を振ったり、何かに触ろうと手を伸ばす仕草をする。俺は心配しながらも三途の髪を丁寧に洗った。シャワーで洗い流すと髪は艶々になり、洗った本人である俺も満足する。あとは体。
「体は自分で…やる。」
「三途は今は何もしないで。
まだ幻覚見えるんでしょ?
落ち着くまで俺に任せてよ。」
俺はそう言ってボディソープを手に出し、三途の体を洗い始める。腰、足、腕、首、胸…体の隅々まで綺麗に洗う。
「ふ、…ん…」
「大丈夫?」
「だいじょ、ぶ…」
何故か三途は先ほどの真っ青な顔とは変わり、耳まで赤らめながら声を我慢していた。…あー、なるほどね。俺は察して、三途の竿を掴み、上下に動かす。三途はそれに反応して肩をビクッと跳ねさせた。
「辛いでしょ?
一回イきな。」
「あ”、ぅ……ンん~ッッ…!」
三途は簡単に達してしまうが、出し切っているのかほぼ精液は出てこなかった。搾り取られたか。
「三途、中のやつ出すから股開いて?」
「え、や、やだ…そこは良い、よ…」
「良いから。
掻き出さないとお腹痛くなるよ?」
「別にそんくら、、」
「俺が嫌だから。
三途の中にしらねぇジジイの精液が残るとか想像したくねぇ。」
俺は少し怒りを言葉に混ぜながら言った。三途はその圧に負けたのか黙ってしまった。流石にこれは断られてもやるつもりだった事だ。俺は指を一本、三途の後孔に入れ、中にある白濁したものを掻き出した。薬はほぼ抜けていたが、三途は感じるらしい。こんなエロい顔を他人に見せたなんて、俺も兄貴も絶対に許さない。コプッと中から沢山の精液が出てくる。あー、今直ぐにでも上書きしてやりたい。三途は俺達の物だって皆んなに言いふらして、三途に一ミリたりとも触らせないようにしたい。いっそのこと監禁っていう手もある。まあ、それは最終手段だ。
「これで全部かな…。」
「おわ、たッ…?」
「ん、終わったよ。」
俺はせめてもの上書きのつもりで唇に軽くキスをした。それに対して顔を赤らめて、ポカポカと軽く殴ってくる。マジで可愛いし、こんな態度をとっているから幻覚はほぼ見えてないのだと察知した。風呂から出て、先程着ていた服を再度着させる。
「三途痩せた?」
「ん…2日間まともな食事してねぇから…。」
俺は自分の行動に後悔した。俺らの仕事を代わりにやってくれたのは三途だ。元々仕事の多い三途にもっと負担させてしまったのを忘れていた。承諾したのは三途だから仕方ない?んなわけないだろ。ならせめて、鶴蝶にも頼んだり、2日の休暇を1日だけにしたりと手段はあったはず。なのにあの時の俺らは自分の休みにしか視野がなかった。「ごめん」と三途に言うと、「謝んな、自分を責めんな」と少し上司らしく頭を撫でて言ってきた。
「ご飯食べるか?
俺の手料理になるけど。」
「食べたい。
腹減った。」
俺はキッチンに向かい、料理をし始める。三途は俺の横に立ってきて手伝いをしようとしてきたが、俺は断った。しょんぼりとしていた為、俺は「三途は今はちゃんと休んで。手伝おうとしてくれてありがと。」と訂正した。三途は納得したのか、渋々リビングのソファに座って待っている。俺は得意とは言えない料理を本を見ながら作っていた。
作り終えて、三途の座っているソファの前にある机にコトッと皿を置く。今回作ったのはオムライスだ。上手いとは言えない形だが…まあ、食べれるだろう。三途は目の前に出てきた料理を躊躇わずに口に運んだ。俺は謎の緊張をしながら三途の反応を待つ。モグモグと咀嚼して、ゴクッと飲む音が聞こえる。
「ど、どう?」
「うん、美味しい。」
少し微笑みながら言ってくれた。俺は嬉しさのあまり思わずガッツポーズをとってしまう。三途はスプーンを止めずに美味しそうに俺の作った料理を食べてくれていた。決めた。俺、これから料理上達するわ。そう決意していると玄関の方から扉の音が聞こえて「ただいまー」と知っている声がする。
「兄貴!
もう帰ったんだね。」
「もっちろん。
んで、三途は大丈夫そ?」
「今は大丈夫だよ。
な、三途。」
「嗚呼、もう大丈夫だ。
わりぃ、心配かけて。」
「こんぐらい平気だよ。
愛しの三途の為だもん!」
「は?」
うわ。兄貴、さりげなく告白したぞ。流石に唐突すぎて三途も情けない声を出していた。まだ俺告白してないのに。抜け駆けはずりぃ。
「俺ら、三途だから優しくしてんだよ。
気づかないの?」
「そーそー。
三途の事は梵天が結成された時から好きだったんだよー?」
三途は先程とは違う混乱をしていた。与えられる数々の情報量に耐えきれず、顔を背けてしまう。そこも可愛い。俺らは三途に近づき、此方に顔を向かせた。その顔は真っ赤な林檎のようで、愛らしい顔をしており、今にも食べてしまいそうなほど。兄貴も同じことを考えているのだろう。あまり表に感情を出さない兄貴ですら笑顔が少し歪んでいた。
「ねぇ、三途。」
「告白の返事は?」
無理矢理告白の返事を言わせる。え、とか、あ、とかしか言わない三途は見ていて飽きない。もう一度兄貴が「返事は?」と圧をかけると、口元に手を当ててこう言ってきた。
「宜しく…お願いします…?」
俺らは一斉に三途に抱きつく。それはもう幸せに満ちていくのが体感できるほどに嬉しかった。三途の体からは俺らと同じシャンプーの匂いがして、もう俺らの恋人だと証明されてるのではないかと思ってしまう。
「じゃあ、とりあえずセックスするか。」
「え、は?」
「だって、今直ぐにでも上書きしたいし。」
「いや、ちょっ…まっ」
「大丈夫、優しくすっからさ♡」
この後はお前らの想像に任せるわ。でもこれだけは言っておく。ちゃんと三途は幸せにすんぜ。
end
コメント
4件
そのおっさん誰に手出してるのか分かる?(*^^*)(殺意🔪
そのオッサンちょい処してきます😌😌🔪
ノアさんのことが好きだ。((