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頼ること
あるところに、真面目な男の子がいた。
その子は頼られたかった。
年下だったからなんでもやってもらえて、
でも、その子はそれが迷惑そう。
だから、たくさん頼って欲しかった。
その子は言ったんだ。
「気にせず、なんでも頼ってください!」
最初は回りも遠慮気味だったが、
自分からなんでもやって、すぐに動く凄さのあまり、
”この子はできる子”だと、皆が思った。
勉強、掃除、運動、準備、なんでも。
その子は、それが嬉しかった。
小学校に来る前は、先生が全部用意して、
お兄さん達がなんでもやってくれて。
だから、自分も役にたちたかったんだ。
皆が、その子を頼る。
「これ、やってくれない?」
「宿題忘れた、写させてくれない?」
「掃除、今日疲れたからやって欲しい!」
もちろん、その子は了承した。全て。
だが、それは次第に変わっていく。
「やってくれない?」が、
「やってくれるよね?」
に変わっていく。
少し手が離せないときも、
「君ならやってくれるよね!」
出来ればやって欲しい、という
お願いが、
君ならできるよね?という
”絶対”に変わってゆく。
手が離せないとき、
少し断っただけで、
「でも、あの子はやってあげてたじゃん」
「頼って欲しいんでしょ?」
って、責められる。
”頼られること”は、次第に圧へと変わっていった。
俺が望んだのは、そういうことじゃない。
少しくらい、無理せずやらせて欲しかったんだ。
できる範囲だけでも、やらせて欲しかった。
頼ることも、それですらも
人を脅すための圧になってしまうんだったら、
俺は、頼られたくない。
こんな世界、二度とごめんだ。
じゃあね、世界。
じゃあね、みんな。
※連載小説ですので、
まだまだ続きます。