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カタオモイ

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カタオモイ

1 - 第1話

♥

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2025年11月26日

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必ずキャプションをお読みの上、

お進み下さいませ。



⚠️黄が結婚しています⚠️

元々はバームクーヘンエンドになる

予定だったものです。


物語に登場する名前の方とは

全く関係ございません。


拡散、晒し等はご遠慮下さいませ。








┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈┈


kn視点



今思えば、これは友人に抱くものでは無かったのかもしれない。


友人の延長線上、親友だと六人全員が笑いあったあの日からはもう随分と時が経ち、あの日の記憶も薄れてきてしまった。


自分には無いものを持つ彼らが羨ましくて、それと同時に誰よりも彼らと近い距離にいれる喜びを抱えては撮影をこなしていく日々。

みんなとゲームをして、撮影をして。動画の高評価の数に一喜一憂したり、旅行に行ったり。

楽しくて楽しくて仕方がなかったんだ。


それと同時に、仲間で友人の彼にゆっくりと惹かれていったのは嘘じゃないんだよ。本当なの。俺はお前のことが今でもずっと  。





kn「きりやん、マスクがなんかズレてるかも。」

kr「え、マジ?・・マジじゃん、きんときナイス、教えてくれてありがと。」

nk「うん。よし、じゃあ撮影初めよっか。」



自身しか気づかないであろう少しのズレ、こんなの気にしてるのは俺だけかもな〜なんて思ったのも束の間。水色の彼の合図で撮影が始まる。


俺は実写の撮影が一番と言っていいほど好きだった。



実写の撮影、それは少しスキンシップをしても怪訝な目を向けられない唯一の時間。強く胸ぐらを掴んだとしても冗談だと笑い流せる素晴らしい時間。

これは動画にするための撮れ高だから、だから今だけは彼に積極的に触れれる。


けれど、どうだろう。何故か今日は少しだけ彼が遠いような気がして胸騒ぎがした、まるでお気に入りのマグカップに亀裂が入るような。そんな最悪な気分。




俺はワイテルズの黄色担当であるきりやんに恋をしていた。


伝えるつもりは一切無いけれど、隣には誰も座らせるつもりは無かった。

幸せにするのは俺だと信じて止まなかった。

男同士だし、親友がいきなり恋愛対象に見ているだなんて聞かされても彼を困らせるだけだと理解していたから。だからこの想いに蓋をして、近くで見守ることを選んだんだ。


だけど現実はそうも上手くいかない。




nk「お疲れ〜、この後飯行く?」

br「僕最近めっちゃ美味しいお店見つけたんだよね、そこどう?」

kn「いいんじゃないっすか?wwww」

sh「おーーいw今日の動画で久しぶりに出てきたからって使うなよwww」


kr「・・あー、俺みんなには言っときたいことあるんだけど。暇なら今いい?」


なんか、辞めて欲しい。今日のきりやんはテンションが高くてどこか緊張している、公表はしていないが俺らの休止は決まっている。それなのに、休止よりも恐ろしい何かが這い寄って来ている気がした。


nk「ん?いいよいいよ、その話終わったらブルークが言ってる店行こう。」

br「おけー、任せて。」


kr「あのー、言ってなかったんだけど。いや、シャークんには言ったっけ?ほら、俺の彼女。」


「「え?」」


・・ああ、こんなところでも他の人より一歩遅いのか。彼女がいたなんて知らなかった、知りたくも無かったけど。

失恋確定、今日のカラオケは失恋ソングメドレーかな。これ以上遠いところに行かないで、きりやん。休止して農家になったとしてどんなに遠く離れても俺はお前を好きでいるのに、それ以上遠くの手が届かない場所にまで行かないでくれ。

シャークんが自分より早く知っているのも悔しくて、嬉しそうに微笑みながら話す黄色の目が見れなくて少しだけ俯く。下を向いたら大粒の涙が零れてきそうで、慌てて欠伸をするフリをして袖で涙を拭って。


sh「ああそういやなんか言ってたね。」


sm「なんでシャークん知ってんの?初耳なんだけど俺ら。」

sh「いやなんか電話してるとこ前見た。」


シャークんがそう言うならそれが真実なのだ、彼は嘘をつくのがちょっぴり下手だから、これは本当。



kr「・・で、その彼女と今度結婚することになったんだよね。」




まあ、もう話は見えていた。ああ悲しい、苦しい。胸の奥がキリキリと痛んで悲鳴をあげている。


俺の方がその子より一緒にいる時間は長いじゃん、その子とお前が出会うずっと前から俺はお前のことが好きなのに!


言葉にして伝える勇気も覚悟も無かった俺の戯言を大切に、無理やり過去の思い出にして胸の奥に仕舞い込む。

きりやんが幸せなら、それでいいんだよ。

笑ってくれたら俺も嬉しいから。

だから祝わなきゃね、ちゃんと祝福の言葉を伝えなきゃ。



nk「え、全然まだ飲み込めてはいないけどおめでと、やん。彼女いたの全然気付かなかった。」


おめでとう、お幸せにねって伝えなきゃ。


br「えー!!やんさんおめでとお〜、じゃあ今日の飯はやんさんの奢りか〜」


kr「なあんでだよ!!ww」


おめでとう、おめでとう。きりやんはその子のどんなとこが好きなの?今度惚気話でも聞かせてよ、酒呑みながらさ。





kn「・・えー、全然気付かなかったわ俺もwきりやん、結婚式いつ?」





kr「いや結婚式は多分挙げない、かな?色々まだ話してはいるけど今のとこは無い予定。」


sm「ほーん、おめでとうきりやん。お幸せに。」




おめでとうも言えない、祝えない。苦しくて泣き叫びたくてしょうがない、今もおめでとうなんて口に出せなかった。一人だけ彼を素直に祝って送り出してあげられない自分に嫌気がさす。なんで、なんで。なんで俺は何も言わなかったんだろう、言わないと離れてくなんて容易に想像できたのに。胸が痛い。


安心したように息をつき、新郎の君が俺ら五人に笑いかける。



kr「うわ〜・・緊張したわなんか。もし結婚式挙げるときがあったら呼ぶから、そん時はよろしくお前ら。ブルークかシャークんにピアノ弾いて欲しいわ、あときんときが歌うのも。」


nk「じゃあ俺腹踊り担当かあ、スマイルはブレイクダンス担当だよね?」


sm「な訳あるか。」


赤と緑は任せてくれとでも言うような顔で、でも少しだけ渋るようなフリをして出演料高いよ〜?なんて揶揄っている。

水と紫もふざけてはいるけれど、やっぱりその目線には祝福の気持ちが込められている。



青色はどうだろう。潤んだ目に上手く笑えていない平凡な顔面、平凡な顔。





kn「俺、なんか・・嬉しすぎて泣けてちゃった。顔洗ってきていい?w」



kr「なんできんときが泣いてんの!wはいはい行ってらっしゃい、ありがとうね。」


何故か咄嗟の嘘だけは上手くて嫌になる、嬉しすぎてなんて思ってもいないよ本当は。

そのありがとうは受け取れない、ごめんきりやん。俺、まだお前のことがすきだから。






顔を洗うために向かった洗面台で酷い顔を見つめる。


kn「もー、ほんっと・・・俺って愚か。」


br「きんさんは愚かじゃないでしょ」


kn「っえ」


br「僕ならあそこで笑えないもん。きんさんはよく頑張ったよ、ほら僕しか気付いてないからさ、思いっきり泣いていいんだよ。」


突然鏡越しに見えた茶髪にふわりと抱き締められ、背中を子供をあやす様に叩かれる。

なんで赤の君がここにいるのかなんて考えるほど脳のキャパは残っていなかった。


もう、限界だった。


kn「ぶるっく、俺さあ・・・!」


kn「おれ、きりやんが好き」


br「うん、僕気づいてたよ、だから心配で着いてきたの。きんさんは偉いね、すっごい偉いよ。」


kn「幸せになって、ほしい。なってほしい、けど……っ俺が一番近くでいたかった!!きりやんの一番は、俺が良かった!!」


br「うん、今はゆっくり泣こう。全部僕に吐き出していいよ、誰も見てない。ちゃんと聞いてるからゆっくりね。」


kn「っひ、きりやんのバカ、俺ら六人が一番だってこの前まで言ってたのに!!バカみたいじゃん俺が!」


kn「・・・っもう、止まれよ!こんな涙いらない、いらないのに!もう意味ないのに!!苦しい!ツラいよこんなんさあ、何年好きだとおもってんの。もう全部パーじゃん、俺のこれはもう意味ないじゃん。どうしてくれんの、どうしたらいいのこれっ!」


br「きんさ〜ん。ゆっくり息吐こうか、沢山息吸っちゃっていっぱいになっちゃったね。苦しいのは外に吐き出さなきゃ。じゃなきゃ、きんさんがずっと苦しいまんまでしょ?・・はい、吐いて〜。吸って〜?」


背中を摩る手が暖かくて、冷えきった心を少しずつ暖めてくれる。


kn「っぶるっく、俺も幸せになりたかった。なにか言ってたら、告白してれば、変わってたかな。勇気出してさ、きりやんが好きって言ってればきりやんの隣にいたのは、俺だったとおもう?」


br「・・・うーーーん、どうだろう?」


kn「そこはそうだよって言えよ、バカ。」


br「言ったらそんなワケないって怒るくせに?」


kn「うん、怒る。」


br「ええ〜wきんさんのケチ。」


kn「うん、・・wブルークごめんありがとう。だいぶ落ち着いた。ね、そういやオススメの店連れてってくれんでしょ?早く戻ろ、泣いたらお腹空いてきちゃった。」


br「落ち着いたなら良かった、ふふww元気出たみたいで安心安心。早く行こ、皆も心配してるしお店閉まっちゃう!!!」


nk「おーーい、きんときブルーク?みんなもう準備してるって!!早く!!!」


水の彼の声を聞き、目の前の彼と目を合わせて笑う。タイミングピッタリ、先程より数グラム軽くなった心を抱えて部屋に足を進めた。



自分はつくづく友人に恵まれたと思う、こんなに目と鼻が赤いのに見て見ぬフリをしてくれる奴らと寄り添ってくれたアイツ。それからニヤニヤと俺の赤くなった顔を弄る最愛の新郎。手放しに祝うことが出来なかったけど、きっと彼の結婚式が終わる頃には綺麗な思い出になってるから。





だからまだこの未練を隣にいさせて。

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