テラーノベル
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ああ、可愛い。艶やかな髪、白い頬、幼さの残る瞳。そのすべてが私から理性的な思考を奪っていく。考えることも許されないように、すべてが彼女の笑顔に転がされるように、虜になってしまった私は、ただ、感じることしかできなかった。浮遊感に連れ去られ、落ちる。「どさ」目の前が真っ暗になった。彼女はどこへ行ったのか…..。目ヤニに封をされた瞼を手でこじ開けながらうるさく鳴った時計を叩き潰すように腕を振り下ろす。外した。何かの角が肘を打つ。立ち上がる、振り下ろす、外さない。彼女はどこへ行ったのか。ベットから転げ落ちたことがどうでもよくなるほど聡明な私は夢を見ていたことには気づいていたさ、ああ!!本当に。冷え切ったツナトーストは所々にまだ氷が残っていて、「おいおい、あわてるなよ。俺は逃げ出したりしないんだ、ゆっくりチンしてから食えよ」。ツナトーストを泳がせるような手ぶりでそう喋らせる。黙れ。私のほうが強いのだ。「ガブリ」。喉に押し込む。ざまあみろ、冷えててもうまい、私が作ったのだからな。着替える。すっかり大きくなったサボテンに水をあげる。靴を履く。ペダルをこぐ。山を越える。校門の前で少し立ち止まってから駐輪場に行き。鍵をかける。周りを見てもかけているのは私だけだった。優越感があった、私だけが助かるのだ、私以外がすべて自転車を盗まれている光景を想像する。ほくそ笑む。教室のカギを取りに行くとき、廊下で何人かの女子とすれ違うたびに少しおかしな反応をされた。あるものは隣同士で顔を見合わせ、ぎょっとされ、笑いをこらえられた。きっと私がほくそ笑んでいるからだ。まだ私だけ自転車を盗まれない妄想をしている。私はおかしいだろうか?そういうと友人はいつも決まって「お前は自尊心がなさすぎる」「やるときはやるやつだ」「そういうところだぞ」。うんざりした。「まあ今日は入学初日だぜ?お前も新しく友達作れよな」面倒だとは思わない。何とかなるのだ、少なくともなってきた。そうだ、12の夏もそうだった、
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