テラーノベル
アプリでサクサク楽しめる
自転車和尚
1,822
楪羽*yuzuriha*
6,332
2,045
5
こんにちは 又は こんばんは
主の『るみな』です
一つ言っておきたいことがございます
初めて書く小説です
なのでところどころ日本語や表現 , 文の構成などがおかしいかもしれません
それでも良ければ読んでくれると嬉しいです
ではどうぞ
【ナレーション】
誰もが「幸せ」という言葉を疑わないような、どこにでもある平凡な日常。
温かいスープの匂いと、家族の笑い声。
それが、5歳の私——柊 志音の世界のすべてでした。
後から思えば、あの頃の私は何一つ持っていませんでした。
銃の構え方も、風を操る力も、絶望を冷たく分析する頭脳さえも。
ただ、お父さんとお母さん、そして大好きな妹の隣で笑っているだけの、どこにでもいる泣き虫な女の子だったのです。
あの日、あの女……いいえ、あの「悪魔」がやってくるまでは。
【夕暮れ時の我が家】
「しおんおねえちゃん! たかいたかいして〜!」
満面の笑みで私の服の裾を引っ張るのは、3歳になる妹の芽依です。
舌足らずな声で私の後をひょこひょことついてくる、宝物のような私の妹。
「めいちゃん、志音お姉ちゃんに無理言っちゃダメでしょう? ほら、ご飯できたわよ」
キッチンから優しい笑顔で顔を出したのは、お母さんの葵。
エプロン姿でいつも温かいご飯を作ってくれて、泣いた時には優しく抱きしめてくれる、世界で一番大好きなお母さんです。
「ただいまー。おお、今日も美味そうな匂いがするな」
玄関のドアが開いて、仕事から帰ってきたのはお父さんの創一。
お父さんはいつも私と芽依を両腕で同時に抱き上げ、「今日も二人ともいい子にしてたか?」と頭を撫でてくれました。
父・創一。母・葵。妹・芽依。そして、私。
それが、柊家のすべてでした。
この小さくて温かい箱庭が、永遠に続くのだと……幼い私は本気で信じていたのです。
【深夜の異変】
事件は、その日の深夜に起きました。
「——う、あ……っ!?」
不意に聞こえた、お父さんの絞り出すような悲鳴。
続いて、重いものが床に倒れ込む嫌な音が響きました。
「お父さん……?」
目をこすりながら布団から起き上がった私は、暗い廊下へと足を踏み出しました。
隣の部屋では、芽依が不安そうに目を覚ましています。
リビングのドアが、少しだけ開いていました。
隙間から覗く部屋の中は、昼間の温かさが嘘のように凍りついていました。
「創一さん……! いやあぁぁぁぁっ!?」
お母さんの悲痛な絶望の叫び。
そこに倒れていたのは、胸から血を流してピクリとも動かないお父さんの姿でした。
「ふふ、なーに騒いでいるの? うるさいお口ね」
——鈴が鳴るような、透き通った甘い声。
部屋の中央には、月光を浴びて佇む一人の少女がいました。
夜の闇よりも深い漆黒のドレス。手に握られているのは、身の丈を超える巨大な黒い大鎌。
そして、闇の中で妖しく輝く……真紅の瞳。
「ひっ……助け、て……めい、しおん……逃げ……」
お母さんが必死に手を伸ばそうとした瞬間。
少女が嘲笑いながら大鎌をひと振りすると、お母さんの体は糸が切れた人形のように崩れ落ちました。
「お母さん……? お父さん……?」
理解が追いつかない。頭の中が真っ白になる。
足がガクガクと震えて、声すら出ない。
「あ……あうぅ……おはぁはん……」
後ろから追ってきた芽依が、私にしがみついて怯えて泣き出しました。
その声に反応して、黒いドレスの少女がゆっくりとこちらを振り返ります。
「あら? まだちっちゃいお人形が二匹、残っていたのね」
——神代 玻璃。
500年以上の時を生き、人間を壊れるおもちゃとしか思っていない吸血鬼。
少女はケラケラと嬉しそうに笑いながら、私と芽依に近づいてきました。
その圧倒的な死の気配に、5歳の私は指一本動かすことができません。
「お姉ちゃん、お助けしてあげるわね。一人だと寂しいでしょう?」
少女の手が、私の目の前で動き——
つッ、と。
私のかたわらにいた芽依の首筋から、血が吹き出しました。
「あ…………め、い……?」
温かかった芽依の体が、冷たく私の上に倒れかかってくる。
小さな手から、力が抜けていく。
お父さんも、お母さんも、芽依も。
みんな、みんな、死んでしまった。
「あはははは! 綺麗な顔! 絶望してる、たまらないわぁ!」
少女は手を叩いて大喜びしていました。
私は恐怖とショックのあまり、息すらできず、床に崩れ落ちました。
殺される。私も、ここで死ぬんだ。
死の恐怖に支配された私の目に、最後に焼き付いたのは——月光を反射して怪しく光る、少女の真紅の瞳。
その瞳の奥深く、底の方に……ほんの小さな、ゆらゆらと揺れる『異質な影』が潜んでいるのを、私は見てしまったのです。
それが、少女の唯一の弱点であることも知らずに。
「あら、ショックで気絶しちゃった? つまらないの。ま、いっか。バイバイ、お人形さん」
少女の冷たい声が遠ざかり、私の意識は深い深い闇へと落ちていきました。
【ナレーション】
目が覚めた時、私の世界には何も残っていませんでした。
幼かった私は、犯人の顔も、名前も、声すらもショックで忘れてしまいました。
あの日、私から全てを奪っていった悪魔の姿を、思い出すことができないのです。
けれど——
あの赤い瞳の奥に潜んでいた『小さな影』の感触だけは、私の魂に深く、深く刻み込まれました。
家族を失ったその日から、私の「日常」は終わりました。
おっとりと笑う仮面の下で、私は誓ったのです。
顔も知らない、名前も知らない『あの目の影を持つ奴』を——
どんな手を使ってでも見つけ出し、この手で地獄へ叩き落としてやる、と。
(第1話 プロローグ『紅い月と、崩れ去った箱庭』 終)
最後まで読んでくださりありがとうございます
もしよろしければコメントでアドバイスや感想を教えてください🙇♀️
ではまた続きが出るのをお待ちください
さようなら
コメント
1件
ちょっとるみなさん!! 初めての執筆って本当?! 冗談でしょこの構成力!!😭💕 冒頭の温かい家族の描写があまりにも優しすぎて…お父さんの「たかいたかい」とか、もう読んでるこっちが幸せになっちゃうのに、そこから一瞬で崩れ落ちる日常のギャップが刺さりすぎて胸が痛いよ…🥺💔 そして玻璃ちゃんの狂気と美しさ…「あはははは!綺麗な顔!」のところでマジで背筋凍ったんだけど?! でもそれでいて奥に潜む「異質な影」っていう伏線がもうドキドキする…!! 5歳の志音ちゃんがあの瞬間に何を見たのか、続きが待ち遠しすぎるよ〜!! 初作品とは思えない完成度! 続き絶対読むからね、るみなさんファイト🔥✨