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はぁーいここでは闇病みの日本受け?を書いていきま〜す。
闇なのであんまし日本受けにはできないかもですが…。ヤンデレとかの時は出来ますね。
あと、⚠️病み⚠️
設定はそれぞれだし、話はほとんど繋がっておりません。
政治的意図や戦争賛美などは一切ございません。
設定ーーー独日
日本
一人称は僕、敬語を使う。
男の子。
少し人に恐怖を持っている。
家を追い出されており、あまり優秀ではない。
ドイツ
一人称は俺、二人称は呼び捨てか君。
男の子。
色々な面で優秀。
冷たい雨が、容赦なく日本の肩を叩いていた。
薄暗い路地裏、街灯の光さえ届かない場所で、日本は震える手で自分の肩を抱いた。
「……はぁ、……っ」
白く濁った吐息が、夜の闇に溶けていく。
背中に背負った古びたリュックサックには、急いで詰め込んだわずかな着替えと、使い古した筆記用具。
そして、家族からの「拒絶」だけが入っていた。
日本にとって、家という場所は安らぎの場ではなかった。
しかし、いざそこを追い出され、帰る場所を失ってみると、自分がどれほど無力で、世界から切り離された存在であるかを痛感せざるを得ない。
彼は、人が怖かった。
自分に向けられる視線、向けられる言葉。そのすべてが、いつか自分を傷つける刃に変わるのではないかと、常に怯えていた。
俯き、水たまりに映る自分の情けない顔を見つめながら、日本はふらふらと歩き出した。
どこへ行く当てもない。ただ、冷え切った体を引きずって、賑やかな大通りへと迷い込んでしまった。
それが、彼との出会いだった。
視界が滲んでいたせいだろうか。
角を曲がった瞬間、日本は硬い「壁」のようなものに激突した。
「わっ……!」
短い悲鳴を上げ、日本は尻餅をつく。
硬いコンクリートの感触と、お尻に走る鈍い痛み。
恐怖が、一瞬で全身を駆け巡った。
(怒られる。殴られる。……怖い)
反射的に身体を丸め、頭を抱える。
日本は震える声で、必死に言葉を絞り出した。
「ご、ごめんなさい! すみません、前を見ていなくて……本当に、すみません……っ!」
地面に額を擦り付けるような勢いで、日本は謝り倒した。
目元には、恐怖と情けなさでじわりと涙が浮かぶ。
相手の顔を見る勇気すらない。ただ、嵐が過ぎ去るのを待つ小動物のように、彼は縮こまっていた。
しかし、頭上から降ってきたのは、怒声ではなかった。
「……おい、大丈夫か?」
低く、けれど落ち着いた少年の声。
日本が恐る恐る顔を上げると、そこには自分と同じくらいの年齢に見える、端正な顔立ちの少年が立っていた。
鋭い眼差しだが、そこには明確な「心配」の色が混じっている。
「立てるか? 怪我はないか、君」
「……あ、……は、はい。大丈夫、です。……すみません」
日本は差し出された手を取ることができず、自力で立ち上がった。
服についた泥を払いながら、まだ視界は潤んだままだ。
それを見た少年は、少し困ったように眉を下げて、ふっと息を吐いた。
「そんなに謝らなくていい。俺の方こそ、考え事をしていて注意が逸れていた。……怖がらせたなら悪かったな」
その言葉は、驚くほどあっさりとしていた。
日本は拍子抜けしてしまった。
いつもなら、ここで嘲笑われるか、舌打ちをされるのが日常だったからだ。
「……あ、の……許して、くださるんですか?」
「許すも何も、お互い様だろう。俺はドイツ。君は?」
「……僕は、日本、と言います」
「日本か。良い名前だな」
ドイツと名乗った少年は、僅かに口角を上げて笑った。
その立ち居振る舞いには、どこか育ちの良さと、自分に厳しい人間特有の規律正しさが漂っていた。
雨を避けるために立ち寄った近くの軒下で、二人は言葉を交わすことになった。
日本は、ドイツという少年の持つ雰囲気に圧倒されていた。彼は、自分とは正反対の場所にいる人間に見えたからだ。
会話の流れで、学業の話になった。
ドイツは淡々と、しかし淀みなく自分の状況を話す。
「……勉強か。まあ、疎かにはしていない。成績を維持するのは、俺にとって最低限の義務みたいなものだからな」
「成績、優秀なんですね……。すごいです」
「別に、すごいことじゃない。効率よくこなしているだけだ。君はどうなんだ?」
ドイツに問われ、日本は気まずそうに視線を泳がせた。
「僕は……あんまり、得意な方ではなくて。努力はしているつもりなんですけど、いつも空回りしてしまって。……ドイツさんみたいに賢い方は、少し、羨ましいです」
それは本音だった。
もし自分に、誰にも文句を言わせないほどの才能や知性があれば、家を追い出されることもなかったのかもしれない。
そんな卑屈な考えが頭をもたげる。
ドイツは、日本の言葉に謙遜するでもなく、ただ真剣に頷いた。
「努力をしているなら、それはいつか形になる。効率の問題なら、俺が教えることもできるが……まあ、それはまた今度の話か」
「今度」という言葉に、日本は胸がチクリと痛んだ。自分に「次」があるのだろうか。
話題は、自然と家族のことに移っていった。
ドイツの表情が、一瞬だけ硬くなったのを日本は見逃さなかった。
「……家族か。俺のところは、あまり仲が良いとは言えないな。互いに干渉しすぎるか、あるいは全く関心がないか。……正直、家にいても息が詰まるだけだ」
ドイツの言葉には、深い断絶と諦めが含まれていた。
エリート然とした彼が抱える、孤独の欠片。それを共有されたような気がして、日本は一瞬、彼に親近感を抱きそうになった。
けれど、直後にドイツから問いかけられた。
「日本、君の家族は?」
その瞬間、日本の心にどす黒い感情が渦巻いた。
本当のことを言えばいい。「家を追い出された」「愛されていない」「居場所がない」と。
けれど、目の前のドイツは、仲が悪いと言いつつも、まだ「帰る場所」を持っている側の人間だ。成績優秀で、独りで立っていられる強さを持っている。
そんな彼に、自分の無惨な現状を晒すことなど、できるはずがなかった。
プライドというよりは、これ以上自分を惨めに思いたくないという、防衛本能だった。
「僕の……家族は、……」
日本は、喉まで出かかった悲鳴を飲み込み、精一杯の笑顔を作った。
震える唇を押し上げ、偽りの幸せを口にする。
「……僕の家族は、すごく仲が良いですよ。みんな優しくて、僕の帰りを待ってくれているんです」
スラスラと、嘘が溢れ出す。
暖かい食卓、優しい両親、帰れば迎えてくれる「ただいま」の声。
存在しない幻想を、さも真実であるかのように語る自分の声が、遠くの方で聞こえた。
ドイツは、少しだけ意外そうな顔をした後、どこか寂しげに目を細めた。
「そうか。……それは、羨ましいな。君のような優しい奴なら、家族も大切にしてくれるだろう」
「……ええ、そうですね。……ありがとうございます」
嘘をつくたびに、心臓が握りつぶされるような痛みが走る。
自分は今、この雨の中で行き場を失っているというのに。
雨が小降りになってきた。
ドイツは時計を確認し、「そろそろ行かなければならない」と言った。
「日本、また会えるか? もし良ければ、連絡先を……」
「あ、すみません……今、携帯の調子が悪くて」
これも嘘だった。本当は、契約を止められていて使えないだけだ。
日本は、一歩後退りをした。
ドイツは真っ直ぐに自分を見ている。その瞳は、嘘を見抜いているようでもあり、あるいは純粋に親愛を向けているようでもあった。
けれど、日本にとってその光は眩しすぎた。
(この人とは、仲良くなれない)
日本は確信していた。
自分は嘘つきで、臆病で、地面を這いつくばって生きている。
対する彼は、孤独を抱えながらも誇り高く、光の当たる場所を歩いている。
嘘で固めた自分と、不器用ながらも真実を語る彼が、本当の意味で手を取り合える日など来るはずがない。
もし本当の僕を知ったら、彼はきっと、軽蔑するに違いない。
「仲が良い家族がいる」なんて嘘をついて、雨の中で震えている滑稽な僕を。
「……さようなら、ドイツさん」
日本は深く頭を下げ、逃げるようにその場を走り出した。
背後からドイツが自分を呼ぶ声が聞こえた気がしたが、振り返ることはなかった。
冷たい雨が、また強まってきた。
日本は濡れた頬を拭い、再び暗い街の中へと消えていく。
嘘をつき続ける限り、自分は独りだ。
けれど、今の日本には、その嘘だけが自分を守るための、最後の盾だった。
遠ざかるドイツの影を背中で感じながら、日本は心の中で何度も謝罪を繰り返した。
ごめんなさい、嘘をついて。
ごめんなさい、あなたの優しさに、本当の僕を隠して。
二人の間には、決して埋まることのない、冷たく深い溝が横たわっていた。
日本がその後、どのような夜を過ごしたのか。
そして、彼が言った「また」という言葉が、どのような形で呪いのように日本を縛り付けることになるのか。
それはまだ、降り止まぬ雨だけが知っている。
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