テラーノベル
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大森side
大森「…………ん、……」
目が覚めて見える天井は、どことなく見覚えのある天井……
頭が鮮明になるにつれ、若井の家に来た事を思い出し、ベッドに居る、イコール若井の寝室だと頭が理解し始めた。
隣を見れば、まだ眠っている若井
目にかかる髪をそっと掬い、顳かみに唇が触れるくらいのキスを若井にした
(……ま、こんなんじゃ起きない、か……)
寝ている若井を起こさぬ様にそっとベッドから抜け出そうと床に足をつけ、立とうとした時、背後から布の擦れるがしたと思ったら、後ろから手を引かれ、視界がぐわんっと天井になった。
大森「うっわぁぁっ」
ベッドへ倒れる直前、若井が俺を抱きとめた。
若井「……どこ、いくの……」
大森「お、起きてたのかよ……」
若井「いいや、寝てたよ。元貴が俺にキスした事なんて知らないし」
大森「起きてたんじゃんっ」
若井「起きよって思ってたら何か元貴がしてんなって思って起きるタイミング逃したら……元貴からキスされるなんて思ってなくて」
大森「……俺めっちゃ恥ずいじゃん」
若井「俺は嬉しかったよ、元貴からキスしてもらえるなんて」
そう言って、お返し、と言わんばかりに俺の額にキスをする若井
大森「んっ……」
若井「おはよ、体調はどう?……身体……大丈夫?」
大森「……大丈夫……」
寧ろ今までにないくらい快調…………でも、なんだか恥ずかしくて言えなかった。
若井「それならよかった。んで、元貴は俺を置いてどこ行こうとしてたの?」
大森「あ、いや、水飲もうかと……って、おいっ!どこ触ってんだよ!」
俺を抱きしめている若井の手が、スルスルと俺のお腹から上へと上がってくる。
若井「ん〜?」
大森「おいっ、ちょ、」
若井「元貴とイチャイチャ……したい……」
大森「朝からやめろって!!」
若井「……いってっ!何も叩かなくてもいいじゃんっ」
大森「ついこないだまでの大人しい若井はどこ行ったんだよ」
若井「何年も溜め込んでた想いが実ったんだから爆発させてもいいじゃん!!」
大森「そ、そういう事を朝っぱらからいうなよ恥ずいだろっ」
若井「俺は、今が夢じゃない現実って事と、元貴が俺の横に、傍に居るって幸せを噛み締めたいんだよ」
小っ恥ずかしい事を、あたかも普通の事です、と言わんばかりにさらっと言って、後ろから抱き締められていた体制から、俺をくるりと回し、ちゅ、とまた若井が俺の額にキスを落として、優しく微笑む……
大森「っ、…………なぁ……なんで……おでこにキスすんの」
若井「え?口がいいって?」
大森「そっ、そうじゃないっ、そうじゃなくて……なんで若井もおでこなんだろって」
若井「……」
大森「若井?」
若井「……もってなに?」
大森「え?……あ、」
若井「もって事は俺の前にあるって事じゃん
誰?どこのどいつ?!俺のおでこ!」
大森「ちょ、若井、日本語がおかしくなってる」
若井「元貴、自分で言うかコマンドどっちがいい?」
大森「…………絶対に言わなきゃだめ?」
若井「だめ、言わないならコマンド使ってでも聞き出す」
大森「……わかった、言うよ、…………涼ちゃん、だよ」
若井「りょ、りょ、りょ、……りょう、ちゃんっ……」
大森「でもちゃんとこれには理由があって……」
若井「まってまってっ!それってさ、元貴から望んだの?」
大森「ち、違う」
若井「涼ちゃんからしたの?」
大森「……うん」
若井「…………理由っての……教えて……」
頭を抱えたままの若井
でも言わない訳にもいかないこの状況に、俺は若井にあの時の事を若井に話した。
大森「……って感じ…………若井?」
若井「……りょ、……涼ちゃんが悪意があってした訳でも、俺に言わなかった訳でもない事はわかってるっ…………わかってるけど!!…………それに付き合ってもない時の事だから俺に何か言う資格もない事も…………あぁぁぁ!!!でもっ!元貴のファーストおでこを涼ちゃんに取られたぁぁ!!」
ファーストおでこはちょっと意味がわかんないけど、なんだか若井の落ち込みようが可愛く思える……
俺は項垂れた若井の顔を手で挟み、上へと向けた
若井「うぎっ、な、にゃにっ、もろき……っ?!」
俺は、若井の頬を挟んだままキスをした
大森「口のキスは……若井、だけだから……」
若井「ふぇっ、もろき、ふぇーふとふぃふなろ?!」
大森「ちょ、何言ってるかわかんない」
若井が慌てて俺の手首を掴み、若井を挟んだままの俺の手を引っペがして
若井「元貴っ!ファーストキスなの?!!」
大森「…………悪いかよ」
若井「…………」
大森「おい、何か言えよ」
若井「……とるから」
大森「え」
若井「俺っ、責任取るから!!」
大森「い、いや、極端すぎんだろ」
若井「だからっだから……俺からのcollar(首輪)受け取ってくれる??」
大森「カ、カラー……って首輪……」
若井「うん、パートナーが居るって証の首輪。俺を元貴の正式なパートナーにして?」
大森「…………ふふっ、あははっ」
若井「ちょ、俺めっちゃ真面目は話してんのに何笑ってんだよっ」
突然の若井の提案に、俺は思わず笑ってしまった。
大森「いや、ごめっ…………ほんと若井らしいわ、……いいよ、受け取るよ……んふふっ」
若井らしい。ほんとにこの言葉に尽きる。
何年も一緒に居て、今みたいに突然言い出すのは、これが初めてではない。
『元貴!俺、ギター始めるからバンドやろっ!』
あの時だってまだギターを触ってもないのに若井はバンドをやろうと言い出した。
大切な事なのに、今思い付きました!のノリで言い出す。
それが若井だったな、と。
若井「ま、まじ!!よしっ!今すぐ買いに行こ!」
大森「おい、今日は無理だって……今日、最後のレコ予定だろ」
若井「大丈夫!今日は昨日の事もあるから予定変更で夕方からになってるか……ら……え、……」
若井は携帯の画面を見てハギレが悪くなったと思ったら、携帯が手からポロッとベッドへ落ちた。
拾って俺も画面を見てみると
大森「14時……無理、だな……」
若井「……元貴……まだ体調が戻らないとかならない……?」
大森「……オイ……俺は嘘までついて仕事よりプライベート優先にするような奴だと……?」
若井「……い、いや、……違い、ます……」
大森「……逸るお前の気持ちはわかるけどさ……色々悩む時間が出来たって思おうぜ……何なら今からネットで見る?どんなのが俺に合うかとか、色とかさ」
若井「……そうだよな、ごめん……俺浮かれすぎてたわ」
大森「いや、こんな風に言ってるけど……内心俺も……嬉しいって思ってる……から……」
若井「いや、元貴が嬉しいって思ってくれてんなら、また今度でもいいっ!!それに、他にも元貴と色々やりたい事もあるしね!俺、今までやりたいって思ってた事、全部やりたい!」
大森「あはっ、若井多そう」
若井「そりゃ色々あるって……まずは……プレイをもっともっとしたいっ!俺、ずっと涼ちゃんやマネージャーが羨ましかったんだからな!!」
大森「わかった、わかったから落ち着けって。時間は沢山あるんだから……少しずつ、やりたい事やろうぜ、……ふたりで」
若井「……うん、ふたりで」
互いに近付き、キスをして笑って、またキスをした
大森「よろしく、な……若井」
若井「こちらこそ、よろしく……元貴、大好きだよ」
大森「ふふ、……俺も、だよ」
今日、俺は初めて
ふたつめの性を恨むことをしなかった。
神様ありがとう
俺たちを別々にしてくれて
end
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ブラックナイツヘイド
和名 イヌホオズキ
花言葉 「真実」「嘘つき」
これで本編完結です。
長い間ありがとうございました。
もうひとつ、番外編があります。
挿絵が出来たらアップします。
そちらもまた読んでいただけると嬉しいです。
2025.12.31 kurara.
コメント
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完結お疲れ様でした 数あるDOM/SUBの中で 最も優しく、よく練り込まれた展開のお話だったと感嘆しています 必ずしも支配的でなくても成立するのだと学びました くららさんのどこかふわりとした雰囲気のお話が好きです 番外編も楽しみにしています また訪問させて下さい ありがとうございました!
最高でした!!!ありがとうございました!!!ホンッッットお疲れ様でした!!そして、最期の終わり方。なんて素晴らしい!!!涙が浮いたのはまじ嘘じゃない。本当に最高でした。
か、か、完結……. 最高でした… 本当にお疲れ様でした! ありがとうございましたっ(土下座) モーニングコールならぬ、モーニングキス…… 甘くて甘くて、最高でした…. もっかい感想文書き直そう….. ありがとうございましたっ!!