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オカ研(オカルト研究同好会の略)の部員2名が、覗きをしてきた3日後。噂が広まったのか、オカ研の他学年の部員も覗きに来た。3人がそれに怒ったのは言うまでもなく、覗き魔の2人を呼び出した。
「マジありえないんだけんど?妖怪じゃないっつたよね?」
半ギレ状態のユーミンが足を踏み鳴らしながら尋ねる。
「お三方の観察を始める前に、その…他の部員に言ってしまって。私たちもまだ疑ってるし…。」
3人同時にため息をつく。それもそのはず。先日、他部員の覗きがエスカレートし、カバンの裏に盗聴器が仕掛けられたのだ。しかも3人とも。
「流石にここまで来るとイジメであろうに。輩どもは沈着になれぬものか…。これでは物語など書けたものではない。」
「家まで着いてこられる。というような事が、今後絶対にないとも言い切れませんしね…。先生に相談を…」
山ちゃんが続けようとした瞬間。
「ぜっっっったいダメ!ここまできたらやり返さないと気済まないって!」
「それは同感だ。私をよくもコケにしおって。」
瑠美は手に持っていた鉛筆を、片手で容易く折ってしまった。他2人は凝視しながら冷や汗を流す。
「と、兎にも角にも、やり返すってどんな方法を使うんですか?下手したらこっちが先生に訴えられますよ?」
「心配せずとも、もう案は浮かんでおるわ。私も実力を発揮するのは。今しかなかろう。」
瑠美はクスクスと不気味な笑みを浮かべた。
オカ研の部員がいつも通り、放課後の教室へやってきた。
「今度こそあの3人の正体を暴いてやんよ!」
「流石に盗聴器がバレた時はヤバかったがな。」
「カタハッシーにチクられなかっただけマシだって。それよりさーなんか、暗くね?」
「へ?」
時期的に、すでに外が暗いのは当たり前であったが、照明そのものが薄暗く、他教室の明かりが全く入ってこないのはあまりにも不自然であった。そんな不気味な雰囲気に包まれつつも、例の教室へとたどり着く。
「おいおい。アイツら居ねーぞ?」
「うーわマジかー。」
「なんや毎日やってるんとちゃうんかい。」
「しゃーなし帰るか〜。」
部員たちが後ろを振り向いた瞬間、バチンッと廊下の電気が切れた。
「うおっ。って、誰だよ切ったの!」
「つーか暖房も消えてやがる。マジやばくね…?」
「んなわけ。明日の昼めし賭けてもいいぜ。」
「…なあ。坂本どこ行った?」
関西訛りの部員1人が、いつの間にか消えている。
「と、トイレだろバーカ。とりま懐中電灯でも…。」
1人の話し声を切るようにして、パチッと向こう側の教室の電気がつく。と同時に、教室からペストマスクを被り、大きな黒い布と黒い帽子に身を包んだ誰かが出てくる。
「え、誰だよ?」
「カタハッシーか?どうせ俺たちを脅かそうと…。」
またパチッと電気が消える。そして今度は少し手前の教室の電気がつき、その真横の廊下に誰かが移動している。危険を察知したのか、部員たちは大急ぎで昇降口への階段を降りようとするが、どういうわけか階段が行き止まりだ。
「なんでだよ!なんで壁ができてんだ!」
「誰か!出してくれよ!なんでこんな事になってんだ!」
「お、おい後ろ見ろって!」
教室の明かりに照らされたその誰かが、目の前にいる部員たちを舐め回すように見つめる。その後、ペストマスクを少しずらして眼を覗かせた。その眼は瞳まで真っ白で、異様なほどに白い肌と同化していた。しかも、その少し覗かせた眼は、明らかに居なくなった関西訛りの部員そのものだった。
「ぎ、ぎゃああああああああああああああああああああああああああああああ」