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蝉が鳴いてる。
8月の終わりに、布団に横たわり蝉の音をただ聞いていた。
ミーンミンミンミン…
聞こえなくなった。
…ミーンミンミン
聞こえた。
「ほら!早く準備して!!」
母だ。祖母の家に泊まっていてこれから帰るのであろう。
「嫌だ」
咄嗟にでた。ずっとここに居たい。静かな蝉の音だけ聴こえるここに。
「なんでよ!」
「…」
僕は無言のままサンダルを履いて外に出た。