コメント
0件
👏 最初のコメントを書いて作者に喜んでもらおう!
しばらくその人を見ていたが、我に返った。
そうだ。この人は全然知らない人だ。
一度も見たことがない顔。学校でも見たことがない。
そんな、 全く知らない人に話しかけられるなんて、怪しすぎるし危ない。
早めにこの場を去ろうと、海から出た時…
「ねぇ」
と、その人から呼び止められた。
「……」
私は若干恐怖感があったので、返事をするのはやめた。
「ねぇ…えっと、聞こえてる…?」
まだ話しかけてくる……。
これは返事をしないと、ずっとまとわりついてくるパターンなの?
「…はぁ、また違ったか…」
……”また”違った…?どういう意味だろう。
気になって、ついその人を見ると、その人はまた目を見開いた。
「あれ?やっぱり、気づいてる…?」
この人は本当に何を言っているのだろう。
「ねぇ、あのさ。俺の声が聞こえてたら、返事してくれる?」
は…?波の音で聞こえてないと思ってるの?
これ以上話しかけられるのも面倒くさいので、返事をすることに決めた。
「聞こえてますけど」
私がそう言うと、その人はぱぁっと笑顔になった。
そんなに嬉しくなるようなこと、言った覚えはないんだけど。
「ね、今の本当!?わぁ、嬉しいな…ありがとう」
え、どうして感謝されたの…?
やっぱり、変な人。