「」…花梨(かりん)
「「」」…爽太(そうた)
『』…父
ある夏、私は義理の兄の家へ訪ねた。
「「おお、花梨!久しぶりだなあ!また来てくれたんだなあ!」」
「…お邪魔します。」
「「どうしたんだよ~、またなんか怒ってんのか~??」」
そう、ずっと私は貴方を許してないよ。
あの時、酷いことしてきたくせに、急に優しくなって…馬鹿みたい。
「「うーん…悪かったって。でも、俺は改心したんだけどな~…」」
何が改心よ。
許せるわけ無いでしょ。
…
~五年前~
『花梨、新しく兄になる、爽太だよ。』
「「や。どーも。よろしくねえ。」」
「よろしくお願いします…」
「「かったいなあ笑。」」
兄さんはチャラいような人だった。
というか、チャラいし、不良だった。
ノリ良くて、明るい人でもあった。
「「花梨。兄さんの酒飲むか?」」
「…未成年だよ。」
「「はは笑。冗談だよ笑。真面目だな~。」」
いつもふざけた人だと思っていた。
なのに…
『花梨!!』
「…!…どうしたの…??」
『爽太が…多額の借金抱えたまま行方不明になった…!!!』
「は…???」
『俺が払わなきゃならねえんだ…ごめんな、花梨。しばらく帰れないかもな…』
「お父さん…あの人…」
…
勝手に借金して、追い込まれて、何処かへ逃げるなんて…
酷いことばっか…
だから貴方を許す気はないの。絶対に。
「「なあ、なんとか言えよ~。寂しいな~俺~。」」
「……よ…」
「「ん?」」
「今まで…どこ行ってたんだよ…!!!お父さんも、私も苦しませた上に…五年も逃げやがって…言葉だけじゃなく、反省を態度でも表したらどうなの!?!?」
「「…本当に…悪かったと思ってる…すまなかった。」」
「…でもねえ…!!!」
「「でもなあ、何で借金したか分かってるんだよな…」」
「…うん…知ってるよ…私の学費でしょ…?…だから怒ってるの…私のために借金するなんて…どうして…」
「「世界で、一人だけの、大事な大事な妹だからなあ。妹という姫のためなら、なんだってするさ。でも、俺が居たら邪魔だし、逃げ切れないし、だから消えたんだ。悪いな。」」
「いいのに…そりゃ、学校行きたかったけど…兄さんとお父さんと、一緒に居たかっただけなのに…」
「「…ありがとう。俺の妹になってくれて、ありがとう…」」
「また…一緒に住みたかったなあ…」
「「無理だなそりゃ笑。俺死んでるからなあ笑。」」
「ほんと、情けない死に方笑。」
「「悪かったなあ笑!!まあ、でも、お前らしく生きてくれよ。で、俺をわすれてくれ。」」
「…嫌だよ…忘れないよ…行かないでよ…」
「「ありがとう。ずっとおまえをみ… ってる…な。」」
「あ…あ…」
居なくなっちゃった…
もう、直接会話出来ないね。
ありがとう、兄さん。
私は霊媒師。
今日も事故物件と化した家へ、除霊をしに訪ねる。
コメント
3件
?!?!?! はちゃめちゃなどんでん返し?! こんな面白いの書けたのあなた超おもろかったんだが?! 事故物件......借金............ もしかしてmyをkillしてしまったのかしら...
コメントよろしくお願いします~!!!