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「……ただの、友達だよ、」
口ではそう言いながら、私はまた、あの人の笑顔を思い出していた――。
「おーいののか!」と、聞き馴染みのある声が教室に響いた。
ドクン、とまた心臓が跳ねる。
振り返ると、そこには噂の主である叶空が、
いつもの眩しい笑顔で私の席に向かって歩いてきていた。
「なーに菜由とヒソヒソ話してんの?」
叶空は当たり前のように私のノートを覗き込んできて、
ふわりと、彼のシャンプーのいい香りが鼻をくすぐる。
距離が、近すぎる。
「ううん、なんでもないよ、」
「もー、叶空、ののかをいじめないでよー?」
菜由が茶化すように言うと、叶空は「いじめてねーよ笑」と笑った。
私にだけ毎日LINEをくれて、こうして当たり前のように距離を詰めてくる。
私だけが、特別なんだ。
本気でそう思っていた。
だけど、放課後。
みんなが帰って静かになった教室で、叶空に呼び止められた。
「ののか、ちょっと大事な話あるから残ってくんね?」
真剣な叶空の表情に、私の心臓はバクバクと音を立てる。
もしかして、告白……!?
そんな期待が頭をよぎった。
だけど、叶空の口から出た言葉は、私の世界を粉々に砕くものだった。
「俺さ、実は菜由のことが好きなんだよね」
「ののかって毎日LINEしてて話しやすいし、女子の気持ち分かるじゃん?」
「……だからさ、俺の告白、応援してくれない?」
頭が、真っ白になった。
あ、私、ただの便利な相談相手だったんだ。
毎日届く優しいLINEも、全部菜由に近づくための練習だったの?
視界がじわリと滲むのを、必死で堪える。
ここで泣いたら、全部バレちゃう。
私は、人生で一番悲しい嘘の笑顔を作って、静かに呟いた。
「……うん、応援、するね」
NEXT➵ ♡100
叶空「なぁののか!菜由ってどんなプレゼント貰ったら喜ぶかな?」
コメント
9件
切ないッッ 「応援するよ」って言ったののかちゃんの気持ち……泣けてくる😭
描写が好きすぎるよ…っ‼︎ 失恋…悲しすぎるし切ない( ; ; )
ぐわ ~ , 相手を思ってるのに 「 友達 」 ... 辛すぎるよ ~ !! 😭😭