テラーノベル
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静かな雨の朝だった。
すちは、まだ眠っているこさめの横顔を見つめながら、小さく笑った。
こさめは可愛くて、少しだけあざとくて、甘えるのが上手で。
でも本当は、誰よりも寂しがり屋だった。
🦈「ねね、すっちー、今日の花束は?」
それが、こさめの最近の口癖だった。
毎日違う花を選び花束を自分で作る。
花束を作る時間が好きだった。
こさめちゃんが喜んでくれるかなっとか考えながら毎日作る
そして、花を渡す瞬間にこさめが見せる、あのくしゃっとした笑顔が、なにより好きだった。
病室の窓辺に、白いカーテンが揺れている。
こさめの体は、少しずつ弱っていっていた。
病名は難しくて長くて、すちは最初の一文字も覚えられなかった。
ただ、「治らない」という言葉だけが、胸に棘みたいに残った。
🦈「今日の花、なに?」
🍵「今日はね、かすみ草と、青いデルフィニウム」
🦈「でるふぃにうむ?」
🍵「うん。」
🦈「きれいだね〜」
そう言って笑う声も、少しずつ細くなっていった。
すちは毎日、花束を作った。
カーネーションの日。
オレンジ色の バラの日。
ガーベラの日。
毎日花言葉を調べては、こさめにそっと伝えた。
🍵「今日の花言葉はね、“あなたを守る”」
こさめは困ったように笑った。
🦈「守られるのは、すちのほうでしょ」
🍵「ううん。守るのは、俺のほう」
それは本心だった。
こさめがいるだけで、世界は少し優しかった。
ある夜、こさめはすちの手を強く握った。
🦈「ねぇ、すち」
🍵「ん?」
🦈「もし、こさめがいなくなっても……花、つくってね」
すちは、すぐに返事ができなかった。
🍵「‥なんで?」
🦈「……墓に供えてよ、お願い」
涙を浮かべながら、こさめは笑った。
それから数日後。
雨は降っていなかった。
なのに、すちの視界はずっと滲んでいた。
こさめのベッドは、静かだった。
毎日通った病室は真っ白で、
家には俺以外いなかった
葬儀の日、すちはこれまでで一番大きな花束を作った。
胡蝶蘭、ユリなどを
花束を胸に抱えながら、すちは初めて声をあげて泣いた。
泣いているとこを普段こさめちゃんに見せないよう我慢していた
🍵「守るって、言ったのに……」
約束は守れなかった。
それから一年。
こさめが眠る墓の前にすちは立っていた
傘をささなくていいぐらいの量の雨が降っていた
墓を掃除し、桔梗を置いた。
【花言葉】
かすみそう 幸福、感謝、親切、清らかな心、無邪気
青いデルフィニウム あなたを幸せにします 清明 爽快 高貴
カーネーション 無垢で深い愛 純粋な愛情 感動
オレンジ色のバラ 絆 信頼 すこやか 愛嬌 情熱 熱望 幸多か
ガーベラ 希望、前向き、常に前進、神秘、崇高美
胡蝶蘭 幸福が飛んでくる 純粋な愛 尊敬 発展
ユリ 純潔、無垢、威厳
桔梗 永遠の愛、変わらぬ愛、誠実、気品、清楚、従順
花言葉系書いてみたかったのよ
うまく書けてへんけどきのせーい
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