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テラーノベル(Teller Novel)
🍌☃️ クリスマス

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第1話

♥

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2022年12月25日

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メリクリです皆様。山本です。

30分程遅刻してしまいましたがクリスマスネタです。

おんおらです。

おんりーちゃん視点です。




12月25日。


クリスマス。


外に積もった雪はまだ薄暗いはずの時間帯でもほんのり明るく光を集めていた。


ホワイトクリスマスってやつか。



「….雪、かなり積もったなぁ。」



思わず写真を撮る。


まだ誰も足跡をつけていない、一面の雪。


まず一番にその写真を送ったのは───



『こっち雪めっちゃ積もってた(*^^*)そっちはどう?』



もちろんおらふくんだ。



『こっちも結構積もっとるよ!』



すぐに既読がついて、すぐに返信がくる。

ちょっとしたことでも嬉しい。



『今から雪かきしなきゃだね。外出れないw』



『僕もあとでせんとだわー』



ぺしょ、となったわんこのスタンプを見て頬が弛む。


旗を振って応援するねこのスタンプを送って、既読がついたのを確認して、スマホをしまう。


スノボ用ウェアのチャックを顎辺りまで隠れるくらい上げる。


さすがに素手では寒いかと思って、手袋もつけた。


別に外に出る予定があるわけではないのに、雪かきをするためにドアを開けた。







15分くらいして、おおかた片付いたから家にはいる。


肩に少し積もった雪を払い落として、しばらく見ていなかったスマホを開く。いくつか通知が来ていた。


もちろん全部おらふくんから。


トーク画面を開くと最初にまあまあでかい雪だるまの画像があった。



『みてみて!』

『一人で素手で作った!』

『手が冷たい!』


「なんで素手…」


思わず呟いて、そのまま打ち込む。


『なんで素手なの』

『上手にできたね』


すぐに返信が来る。


『いやぁ、なんか雪でテンション上がって』

『わーって作った!』


『自分は雪かきしてた』

『手が冷たい』


『お疲れ様!』

『手袋してなかったん?』


『してた』


『してても冷たくなるくらいやったん?!』

『がんばったね』


『どっちかっていうと足が寒いけどね』


『まあ足は冷えるよなぁ』

『長靴とか履かんかったん?』


『ないよ長靴』


『ならしょうがないかぁ』


『普段履かないもん長靴』


『確かにこんなに雪降ること無いしなぁ』

『しっかりストーブであっためなね!』


会話が終わりそうだ。



『うん、おらふくんもちゃんと暖かくしてね』



いつもならここでやめる。


会話を長引かせたらおらふくんの時間を奪ってしまうことになる。


でも、まだ話してたかった。



『ね、雪かきしたからさ』

『もしかして、雪かきしたってことはさ』



「あれ」



同時に送っちゃったみたいだ。

しばらくなにもない時間が過ぎる。



『ごめん、かぶっちゃった(^_^;)』


『僕の方もごめん💦おんりー先にどうぞ!』



『えっとね』

『雪かきしたから』

『その端に寄せた雪が結構あるんだけど』

『雪だるまとか一緒に作らないかなーって』

『おもったの』



ちょっと不安。


こんな寒い日にわざわざうちに来てもらって、雪だるま作るって…しかも俺たち大人なんだけど。


なんでこんな提案しちゃったのかな俺…



『ええよ!』

『てか僕も同じこと言おうとしとった!』


「!」


『すぐそっち向かうわ!』

いってきますのスタンプが送られる。


『うん、待ってる。』

『気をつけてね』



同じことを考えてくれていたなんて。

一人でよかった。顔がにやけてしまう。



「….早く来ないかなぁ」



雪かきしといてよかった。






「来たよおんりー!!」


「いらっしゃーい….って、おらふくん?なんで防寒具つけてないの?」


「え?だってなくても大丈夫やろこんくらいなら。」


「え?」


「え?」


「いやいやいや、かなり寒いよ今」


「そぉかなぁ…確かに雪さわったら冷たいけど…」


「ええ…と、りあえずこれ持っといて。温かい飲み物とかも作ってくるから家入って…」


「あ、ほんまにめっちゃ雪あるやん!僕雪だるま作って待っとく!」


「そう?….じゃあこれ着といて。流石にその格好じゃ風邪引いちゃうから。」


「ん、ありがとおんりー!」


「はい、手袋ね。あと、その辺凍ってるかもだから気をつけて。」


「大丈夫やって!いってきまぁす!」


「元気そうだなぁ…」


元気に雪の山の方へ走っていくおらふくんを見てから、家の中に入る。


ココアでも作って、あとはお菓子でも用意しよう。






「おまたせ、ココアできたよ。」


「あ!みてみておんりー!にこめ!」


「もう二つ作ったの?」


「うん!」


「上手にできてるね。」


「でしょでしょ!」


「ホントに寒くないの?」


「うん!あ、でも手は冷たい!」


「え?手袋渡したよね?着けなかったの?」


「だって手袋つけたら雪くっつくじゃん。」


「いや、そうだけど…」


「ねね、あとで雪合戦しようよ!」


「いいよ。二人でするの?」


「うん!」


「じゃあ一旦中に入って温まってからにしよ?」


「うん!」


「よし、じゃあその辺気をつけて…」


と、歩き始めようとしたとき。


「とでも言うと思ったかおんりー!くらえ!」


「え?うわっ!?」


飛んできた雪だまが肩にあたってバラバラになった。


「油断禁物やぞおんりー!」


「….やったなぁ?」


こちらも近くの雪を適当に丸めて投げる。


狙いどおり太ももの辺りに当たる。


「わっ!よっしゃ、負けんぞ!」


「かかってこい!」


「五回どっかに当たった方の負けね!さっきのはノーカン!」


「おっけ!」



大の大人が車のとおらない道路で雪合戦をしている様は端から見ればかなり変だったかもしれない。


でもまぁ、こんなことしたい日もあるでしょ。






お互い雪だまを投げ合ってどちらかが当てれば勝ち、というところまでもつれ込んだとき。



「あ、そうだおんりー!」



「なに!」



「これあげる!」



下投げで何かをこちらによこす。



「よっ…と、ん?なにこれ。」



手のひらサイズの包みを両手で受けとる。



「クリスマスプレゼント!」



「え、ありがとう…あけてもいい?」



「ええよ!」



「えっと….腕時計?」



「そう!なんかあげたいと思っていろいろ見てたら、これめっちゃおんりーに似合いそう!ってやつがあってな!」



「なるほど….ありがと、めっちゃ使うわ。」



「えへへ…さてと、おんりー。」



「ん?」



「これで、俺の勝ちやね?」



近付いてきたおらふくんが、両手で腕時計を持って完全に油断していた俺の腕に雪だまを当てて笑う。



「あ、」



「勝負中やぞ~?」



「油断しちゃった。俺の負けだね。」



「よし!勝負ついたし!」



「うん、中入ろっか。」



「あぇ?もう一回しないの?」



「いや、さすがに寒いでしょ?鼻真っ赤だよ?」



「で、でもまだできるし….」



「とかいってたら風邪引くでしょ。ほら、中入ってココア飲も。」



「うぅ….あ、あとでもっかいやろ!」



「うん、しよ。次は勝つから。」



「やったぁ!」



「ほら、雪落として。」



「ん…はい!」



「まだ頭についてる。」



おらふくんの頭についた雪を軽く払い落とす。



「あ…き、気付かんかったわ!ありがとぉ!」



「….うん。」



ついでに頭を撫でる。



「?!」



「….ふふ、ふわふわ。」



「ど、どしたん…?」



「いや?なんでもないよ。中入ろ。」



「う、うん!そやね!」



「うん。」




せっかくのクリスマスだ。


しっかり楽しませてもらう。


せっかく好きな人と過ごせるんだからね。







そろそろ年末ですね。

皆様よいお年を。

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