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薬屋のひとりごと夢小説



⚠︎︎原作無視


⚠︎︎微恋愛要素あり(壬氏様)


⚠︎︎オリキャラ名前あり



平気な方のみスクロール















設定▶︎


主人公:玲蘭 (レイラン)


猫猫ほどではないものの、多少の医学知識を持ち、時に猫猫の手助けをする存在。鼻が利く。





**


玉葉妃のもとに、新しい侍女が仕えることになった。



名は玲蘭。しとやかで控えめな雰囲気を纏うが、実は少しお転婆で、庶民出身ながら植物や薬に詳しい知識を持っている。



ある日、玉葉妃の私室で使われる香の入れ替えのために、調香室に立ち寄った玲蘭は、妙な匂いに鼻をひくつかせた。


玲蘭「……あれ、この香木……ちょっと、酸化してる?」


玲蘭が棚から古びた瓶を取り出して鼻を近づけると、背後からひょこっと顔を出す者がいた。


猫猫「へえ、珍しい…。薬の匂いを嗅ぎ分けられるなんて 」


驚いて振り返ると、そこに立っていたのは一人の少女。


玲蘭「…昔、父の診療所をほんの少しだけ手伝っていただけです」


猫猫「そっか。なら今度一緒に薬草取り行こ」


玲蘭「……薬草!?!?✨」


最初は遠慮がちだったが、毒見役の猫猫と出会い、毒と薬の話題で意気投合。


この日をきっかけに、

玲蘭と猫猫の奇妙で楽しい友情が、静かに始まったのだった。



**


ある日、後宮で小規模な食中毒事件が発生。猫猫とともに調査に加わった玲蘭は、厨房の調味料棚で不自然に封が切られた「花椒(ホアジャオ)」に目を留める。


玲蘭「この匂い……もしかして……」


猫猫「うん。気づいた? これ、ちゃんと乾燥されてない。発酵してる」


玲蘭「そうか…だから、えずくような香りが」


猫猫は少し驚いた顔をして、玲蘭を見つめる。


猫猫「へえ、……」


玲蘭「えっ、なにか間違ってた…!?」


猫猫「いや。ちょっと、見直しただけ」


玲蘭は頬を赤らめた。



**



その日の夕刻――

玉葉妃の部屋を訪れた壬氏が、玲蘭に目を留める。


壬氏「新しい侍女か。…君、鼻が利くそうだね。」


玲蘭は思わずたじろぐ。


壬氏「毒にも詳しいのか?」


玲蘭「詳しい、というほどでは…。少し、嗅ぎ分けられるだけです。」


壬氏「ほう…。なら、こうしよう。もしまた君が“怪しい香り”を見つけたら、私に報告すること。……信頼できる人が増えるのは、悪くない」


玲蘭は思わず息を呑んだ。

その声音はやさしいが、底が見えない。

ただの美貌の宦官――そんな噂とは違う、鋭さと深さがあった。


壬氏はいつもの微笑を浮かべながら、玲蘭の顔を覗き込む。


壬氏「でも、なかなか面白いな。猫猫にそこまで懐かれるとは珍しい。」


その日以来、壬氏は時々、玲蘭に話しかけてくるようになった。

時に冗談を、時に試すような言葉を――



**



ある日、玲蘭は壬氏へ質問を投げた。


玲蘭「…あの、壬氏様。私のような者にまで、なぜお気遣いを?」


壬氏「ふふ。君が、玉葉妃付きの侍女だから――と言えば納得する?」


玲蘭「……いえ、納得しません」


壬氏は思わず笑った。


壬氏「君は誤魔化しが通じないね。…君は何処か、猫猫に似ている」


そう言って、彼はふと真剣な表情を浮かべる。


壬氏「ただ、気になったんだよ。誰よりも誠実に物事を見ている君のことがね」



**



玲蘭は気づいていなかった。

静かに、しかし確実に――彼の興味が、猫猫から少しだけ、逸れていたことを。



**



それから、玲蘭の生活はますます賑やかになる。


猫猫とは薬草の話で夜を明かし、玉葉妃には振り回され、壬氏には意味深な言葉を投げかけられ――


だけど、玲蘭は思う。


この後宮で、自分の知識が誰かの役に立ち、誰かの命を救えるのなら。

そして、猫猫や壬氏様と一緒に、まだ知らない「毒」の真相を解き明かしていけるのなら。


玲蘭 「……悪くないかもしれないな、こういうのも」



**






物語はまだ、始まったばかり―――























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