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薬屋のひとりごと夢小説
⚠︎︎原作無視
⚠︎︎微恋愛要素あり(壬氏様)
⚠︎︎オリキャラ名前あり
平気な方のみスクロール
設定▶︎
主人公:玲蘭 (レイラン)
猫猫ほどではないものの、多少の医学知識を持ち、時に猫猫の手助けをする存在。鼻が利く。
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玉葉妃のもとに、新しい侍女が仕えることになった。
名は玲蘭。しとやかで控えめな雰囲気を纏うが、実は少しお転婆で、庶民出身ながら植物や薬に詳しい知識を持っている。
ある日、玉葉妃の私室で使われる香の入れ替えのために、調香室に立ち寄った玲蘭は、妙な匂いに鼻をひくつかせた。
玲蘭「……あれ、この香木……ちょっと、酸化してる?」
玲蘭が棚から古びた瓶を取り出して鼻を近づけると、背後からひょこっと顔を出す者がいた。
猫猫「へえ、珍しい…。薬の匂いを嗅ぎ分けられるなんて 」
驚いて振り返ると、そこに立っていたのは一人の少女。
玲蘭「…昔、父の診療所をほんの少しだけ手伝っていただけです」
猫猫「そっか。なら今度一緒に薬草取り行こ」
玲蘭「……薬草!?!?✨」
最初は遠慮がちだったが、毒見役の猫猫と出会い、毒と薬の話題で意気投合。
この日をきっかけに、
玲蘭と猫猫の奇妙で楽しい友情が、静かに始まったのだった。
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ある日、後宮で小規模な食中毒事件が発生。猫猫とともに調査に加わった玲蘭は、厨房の調味料棚で不自然に封が切られた「花椒(ホアジャオ)」に目を留める。
玲蘭「この匂い……もしかして……」
猫猫「うん。気づいた? これ、ちゃんと乾燥されてない。発酵してる」
玲蘭「そうか…だから、えずくような香りが」
猫猫は少し驚いた顔をして、玲蘭を見つめる。
猫猫「へえ、……」
玲蘭「えっ、なにか間違ってた…!?」
猫猫「いや。ちょっと、見直しただけ」
玲蘭は頬を赤らめた。
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その日の夕刻――
玉葉妃の部屋を訪れた壬氏が、玲蘭に目を留める。
壬氏「新しい侍女か。…君、鼻が利くそうだね。」
玲蘭は思わずたじろぐ。
壬氏「毒にも詳しいのか?」
玲蘭「詳しい、というほどでは…。少し、嗅ぎ分けられるだけです。」
壬氏「ほう…。なら、こうしよう。もしまた君が“怪しい香り”を見つけたら、私に報告すること。……信頼できる人が増えるのは、悪くない」
玲蘭は思わず息を呑んだ。
その声音はやさしいが、底が見えない。
ただの美貌の宦官――そんな噂とは違う、鋭さと深さがあった。
壬氏はいつもの微笑を浮かべながら、玲蘭の顔を覗き込む。
壬氏「でも、なかなか面白いな。猫猫にそこまで懐かれるとは珍しい。」
その日以来、壬氏は時々、玲蘭に話しかけてくるようになった。
時に冗談を、時に試すような言葉を――
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ある日、玲蘭は壬氏へ質問を投げた。
玲蘭「…あの、壬氏様。私のような者にまで、なぜお気遣いを?」
壬氏「ふふ。君が、玉葉妃付きの侍女だから――と言えば納得する?」
玲蘭「……いえ、納得しません」
壬氏は思わず笑った。
壬氏「君は誤魔化しが通じないね。…君は何処か、猫猫に似ている」
そう言って、彼はふと真剣な表情を浮かべる。
壬氏「ただ、気になったんだよ。誰よりも誠実に物事を見ている君のことがね」
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玲蘭は気づいていなかった。
静かに、しかし確実に――彼の興味が、猫猫から少しだけ、逸れていたことを。
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それから、玲蘭の生活はますます賑やかになる。
猫猫とは薬草の話で夜を明かし、玉葉妃には振り回され、壬氏には意味深な言葉を投げかけられ――
だけど、玲蘭は思う。
この後宮で、自分の知識が誰かの役に立ち、誰かの命を救えるのなら。
そして、猫猫や壬氏様と一緒に、まだ知らない「毒」の真相を解き明かしていけるのなら。
玲蘭 「……悪くないかもしれないな、こういうのも」
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物語はまだ、始まったばかり―――