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紺色の空に満天の星々が輝く中。満月の月が見下ろす下で、一人の男が電車から降り立った。
「ここが暗黒街……」
辺りを見渡しながら呟く。鼻からはゲロと血が混ざった悪臭がして、最悪だ。
その街の名は暗黒街。
日本にある中で一番治安の悪い場所だ。殺し合いは頻繁に起こり、法律はないに等しい。そのため、この街は日本扱いをしていない。
現在二つの敵対組織が争っていて、戦争が勃発しているのだ。銃の密売もされており、銃を撃ちながら攻撃している。
駅から一歩足を出すと、死体が飛んできた。
「ひっ……」
思わず驚いてしまい、身動きが取れなくなる。しかし、こんなところにいれば自分が死んでしまう。
素早く警察庁へ向かった。
警察庁の近くにある繁華街を歩くと、そこは血と死体が転がっているカオスな状態になっている。
素早く抜けようとしたら、二人の男に声をかけられた。
「おい、そこのお前。可愛い顔してるな」
「お兄さんたちとヤろうぜ」
「やめてください!離して!」
男二人に捕まってしまい、ホテルに連れて行かれそうになった瞬間。僕の顔に血がかかった。男二人の首から出血している。男二人はその場に倒れた。
「大丈夫?」
そこには血まみれのナイフを握っている男が立っていた。彼は薄い笑みを浮かべている。
僕はお辞儀をしてお礼を言う。
「助けてくれてありがとうございます」
「ここはお前みたいな子供が来る場所じゃねえ。さっさと繁華街を抜けろ」
「はい!」
子供と間違えられたが、そんなことはどうでもいい。彼の言う通りだ。ここは非常に治安が悪いので、逃げることにした。
警察庁にたどり着き、捜査一課に入るとそこにいた警察官は皆寝ていた。というのも犯罪が多すぎて、仕事が他の地域の警察官より多いのだ。
一人の茶髪の男が顔を上げると、眠そうな目でこちらを見てくる。
「君が新人くんかい?」
「はい。日内尊です」
「俺は佐々木誠也。警部だ。お前の相棒は黒髪のそいつだ」
パソコンで作業している男が顔を上げる。目の下にはクマができていて、顔色は良くない。
「辰巳蓮。よろしく。ところで、髪は白いな。黒か茶色にしろよ」
「これは地毛なので、変える気はありません」
「そうか」
蓮が困惑していたら、その傍から誠也が割り込んで話してくる。
「一つ質問していい?」
「はい」
「なぜこんな治安の悪い場所の警察官になったんだ?」
「実は僕ここの出身者で、母親が殺人鬼に殺されたんです。だからその復讐のために入りました」
「なるほどな。それくらい強い意志がないと、ここではやっていけない。50連勤なんて当たり前だしな」
「50連勤!?」
噂通り、警察官には休みがないようだ。しかも大量に人が死んで、人手不足らしい。これでは警察が機能しないのも頷ける。
そこへまた蓮が話を振ってくる。真剣な表情で。
「そうだ。武器を調達するか素手にするか選べよ。俺的には素手がおすすめだがな。なぜなら、武器の場合武器を無くせば終わりだからな。その場にあるものを使って倒せるようにしておけば、有利だからな」
「じゃあ、僕は素手で」
「ダメだ。体力をつけないといけない。俺とジムへ行こう」
「はい」
二人は厳重に管理されている警察用の車に乗り、警察用のジムへ向かった。そこでみっちりと体力をつけることになる。
ジムへ通いつつ、まだ治安の良い朝にランニングをした。それを二ヶ月繰り返すと、ようやく体力がついてきて筋肉も蓄えられてきた。
少し走っただけでも、ばてる回数は減った。
殺人鬼を倒すためのシュミレーションを体験することができる機械も試してみたが、汗だくになる程大変だ。
たとえ倒したとしても、執着的に殺しにかかってくるからだ。油断は禁物。また死んでしまった。
頭につけている機械を外し、腕で汗を吹く。
「体力はついたようだな」
蓮が話しかけてきて、タオルで汗を拭いた後、実践に向かうことになる。
「コンビニ強盗だ。行くぞ」
「わかりました」
そう言って二人は車に乗り込む。