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「奴の妹は兄の3倍の処理速度と1万馬力の腕力、チート道具もハイエンドの物しか所持していないはずだ。オイルも 0W-2 SM ターボ用だ。奴と違ってね。」
「そうだよ。詳しいね。じいちゃん。」
「兄妹共々オイル交換はしてやってたからな。こればっかりは自分で出来ないからって。目玉のワイパーゴムもしょっちゅう変えてやったよ。」
…色々思い出す。しかし今は何処にいるのだろうか?
「おじいちゃんそれは任せてよ。もうすでに調べさせているから。」
sewashには抜け目や隙が全くと言っていい程感じられない。きっと色々な物を目にし、苦労もしてきたんだろう。
それから半時間もしないうちに奴の部下ーかつての宿敵ナイトメアが戻ってきた。
「…ビタさん。記憶が戻ったんですね。本当に私は貴方と争う事が心苦しかった。これからはもう味方同士ですね。良かった。」
…同じ側になってみると、気さくで肩の張らないナチュラリストに見えて来る。あの残忍な噂は本当なのかと思った。
ーナチュラリストは話し続けた。
「sewash様、…ビタ様、ソーシャボットの妹のソーシャルユニットD-ram-通称:Dラミを仲間に加える事は…もう不可能です。」
そしてナイトメアは立ったまま溜息を漏らし手にした情報をゆっくりと話し始めた。
内容はこうだ。
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6年前…持ち主であるsewashに家から追い出されたAI兄妹は、後の日本国総統である自衛官・北条英機と接見した。彼は野心家ですぐMATSUSHIBAの高次AIである兄と意気投合をした。しかし妹の方は家から追い出される前に受けた拷問のダメージが酷く、既に手の施し様のない状態にあった。筐体は鉄クズ同然だったのである。ー兄は怒りに震えた。何か復讐の術は無いかと考え続け、とうとうこの”完璧な太陽の沈まない国”を作る計画には、自分よりも彼の”完璧な妹”の方が向いているとの答えに至った。
そしてスクラップ寸前の妹から最高傑作のマザーボードを取り出し、
日本国の全ての機密と全てのインフラを司る中心部…MATSUSHIBA&SANY0 CONTROLL TOWERのメインユニットに接続した。
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全員が息を呑んだ。
「ーすると…つまり。」
「そう。この今居る世界のシステム全体が …
”Dラミ“
ーなのです。」
(続く)