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今日は、新曲やバンドのこれからについての会議が行われていた。
ひと段落付き、3人でスタジオの荷物置き場であるロッカールームに向かう、途中で元貴が、”ちょっと行ってくる”と言って、会議室に戻って行った。
若井とロッカールームで帰る用意をしながら、”元貴どうしたんだろーね”って話していたら、数分後、勢いよく扉が開き、元貴がいつになく笑顔で帰ってきた。
「涼ちゃん、マネさんにおねがいして明日の5時からオフにしてもらったよ。」
って嬉しそうに頬をほんのり紅く染めながら言った。
「え、ほんと!?」
僕も嬉しくて頬が緩む。
”明日”っていうのは、”12月25日”つまりクリスマスである。
「じゃあ、元貴と若井と僕の3人でクリパでもする?」
と提案すると、元貴が少し残念そうな顔をして、こちらを見て、”ふたりで…”と僕以外には聞こえないような声でつぶやく。
「あ、俺パスで、お熱いお二人の邪魔をする訳にはいかないし……風磨さん誘うから//。」
と、若井が嬉しそうに顔を赤らめながらスマホをポケットから取り出しLINEの画面を開く。
きっと、今からLINEでお誘いするのだろう。
「ね、だから、二人でデートでもしようよ?」
と、元貴が余りにも大人な声で言うから、少しドキドキしてしまう。
「元貴…///」
「でも、いいの?元貴、疲れてるでしょ?」
「なんで?涼ちゃんとデートできたら、疲れなんて吹き飛ぶよ。」
「うん、ありがと///」
「ご飯でも行こうよ、それとイルミネーション。」
「ほら、涼ちゃん羨ましそうに、移動中の車でイルミネーション見てたでしょ?」
元貴には僕の気持ちなんて全部見透かされていて、敵わないなと思った。
「でも、身バレしたら。」
「そんな事、気にしなくていいよ、芸能人だって普通の人間だし、恋だってするし、好きな人とイルミネーションだって行く権利くらいあるでしょ。」
と、僕の肩に手を乗せて、目を合わせ、ニッコリと微笑み、安心させてくれる。
なんだか、久しぶりの暖かい感覚にホッコリしながら同意の意味も込めて微笑み返す。
「決まりね。」
と、元貴が小首を傾げながら僕に問いかける。
「うん、約束。」
そう返すと、少しだけ距離が縮まった気がした。
sidestory
若井×菊地
side若井
LINEにて…
若井)明日の5時頃、用事がなければ、お食事でも行きませんか?
と、なるべく当たり障りのない文章を必死で考えて、震える指で送信ボタンを押す。
今を煌めくアイドルなんだから、きっと予定詰まってるよなぁ、とダメ元で返信を待つ。
と、5秒も経たない内に、既読が着いた。
風磨)いいよ、明日クリスマスだしね。
良かったら、俺の家来なよ。
お家デートしようよ。
OK貰えたことが嬉しくて無意識に頬が緩んでしまう。
”お家デート”という言葉に胸を高鳴らせてしまう、それと同時に、風磨さんがクリスマスを誰かと過ごす予定が無かったことに少しだけ安堵してしまう自分がいる。
若井)良いんですか、お家デートなんて?
風磨)うん、いいよ。
じゃあ、仕事終わり次第、家来てね。
それから、風磨さんのスケージュールや住所を聞き、LINEを終わらせようとすると。
風磨)若井くんのために開けた予定だか ら、若井くん も予定空いてて良かっ
た。
若井)ありがとうございます。
風磨)うん、いいよ。
”僕の為の予定”と言うのはどういう意味なんだろう。
左胸の奥の動揺を抑えるように、胸を撫で、明日への期待を膨らませてしまう。
俺の気持ちと、風磨さんの気持ちが同じであることを願って。
to be continue…
お疲れ様でした!
最後まで読んで頂きありがとうございます。
この回は長くなってしまったので、前編と後編で分けようと思ってます。
ずっと重い回が続いていたので、後編は甘々回にする予定です。
🔞な要素も含まれると思うので、苦手な人はお控えください。